つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

循環器

腎不全患者へのSGLT2i(ダパグリフロジン)の効果

文献:Dapagliflozin in Patients with Chronic Kidney Disease 腎不全患者へのSGLT2i(ダパグリフロジン=フォシーガ)の効果 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2024816 ・CKD患者におけるダパグリフロジンの効果判定の研究 (メソッド) ・eGFR…

SPPとABIの違い

SPP(skin perfusion pressure)は皮膚表面から1-2mm程度の深さにある毛細血管の血流がどのぐらいの圧で流れているのかを調べる検査。SPPの基準値は臥位で80-90mmHg程度。50mmHg以下で末梢動脈疾患疑い。ABIは上腕と足首の血圧の比率を観るのに対して、SPPはカ…

エンレストのEF毎にどの程度効果が違うか

エンレスト(ARNI:angiotensin receptor neprilysin inhibitor=サクビトリルバルサルタン)のEFの違いにおける効果 ・EF低下している心不全(HFrEF)に対する治療薬は存在するが、EFの保たれている(EF>40%)心不全に対する治療薬はほとんど存在してい…

大動脈解離stanford A型で脳虚血のある場合に外科手術の適応はあるか?

大動脈解離stanfordA型で脳虚血による意識障害が生じている場合に外科的治療の適応があるかどうかは様々な議論がなされている。 とある報告によると、脳虚血症状の出現から早急に大動脈解離の手術をした場合、意識障害の改善と神経学的予後の十分な改善が認…

失神精査で行う検査一覧

失神精査で行う検査一覧 ◯心エコー 必ずしも失神患者全例にやる検査ではないが、心雑音聴取や心不全徴候や心電図異常、心疾患既往などあれば絶対に必要。 評価ポイント ・大動脈弁狭窄症(AS):弁口面積や血流速度を評価。致死的疾患で重要。 ・肺高血圧症…

抗血栓薬処方における高出血リスクの判定について

2020年ガイドラインメモ書き ✅高出血リスクの患者に対して 下記のHBRをチェックして、リスクによってDPAT期間を検討する。

CABG患者における抗血栓薬について

2020ガイドラインメモ書き ✅CABGにおける抗血小板薬 ・バイアスピリン服用中でCABGを施行する場合は周術期にバイアスピリン継続する(クラス1) ・ACSに対するCABG後では可及的速やかに負荷投与を行った上で、P2Y12受容体拮抗薬を開始し、最長12ヶ月までD…

虚血性心疾患にPCI行わない患者での抗血栓薬について

2020年版ガイドラインメモ書き ✅PCI非施行患者(ACSと診断されても、PCI治療できない場合(超高齢者や重篤な合併症がある場合)について) ・アスピリン100mg/dayを継続的に投与(クラスⅠ) ・ACS患者に対してアスピリンとクロピドグレルのDAPTを少なくとも6…

ASに対するTAVIの適応

・ASにより心不全や失神、胸痛などの自覚症状が出現すると平均余命は2−3年と言われている(狭心症出現後45ヶ月、失神後27ヶ月、心不全後11ヶ月というデータがある)。 ・無症候性の重症ASでも予後は不良であるが、突然死のリスクは年1%程度とされている(…

心房細動における抗不整脈薬の選択

✅心房細動における抗不整脈薬の選択 ・抗不整脈薬には陰性変力作用やQT延長作用などがあるので基本的には器質的心疾患(肥大心、心不全、虚血心)を持たない症例に限られる。器質的心疾患がある場合には専門的な慎重な判断が必要。 ・発作性心房細動=発症か…

除細動時の抗凝固療法

✅除細動時の抗凝固療法 ・除細動による血栓塞栓リスクは1−5%程度(除細動後10日以内の発症が大半)。 ・除細動の3週間前および除細動後4週間ワルファリン療法を行うことで血栓症リスクを抑えられる。48時間以上持続する心房細動化持続期間不明の心房細…

ACSおよびNSTEMI患者のDAPTに関して

2020年度のガイドラインメモ書き 【ACSの場合】 ・バイアスピリン+エフィエント(orクロピドグレル)を3−12ヶ月間(クラスⅠ) ・DES留置後出血リスクが高い患者はDAPTは1−3ヶ月に短期化する(クラスⅠ) ・禁忌がなければ無期限にバイアスピリンを継続(クラ…

心房細動への抗凝固薬の適応

✅心房細動における抗凝固薬の適応 CHADS1点以上でDOAC推奨。 ワーファリン使う場合は機械弁患者と異なり、INRは1.6〰2.6でコントロール。 (70歳以下でCHADS2が3点以上の場合はINR2-3でのコントロールを考慮) CKDや低体重、左房径の拡大、高齢(65歳〜74歳…

肥大型心筋症についてのメモ書き

肥大型心筋症についてのメモ書き 肥大型心筋症とは、高血圧や弁膜症など明らかな原因が無いにも関わらず左室または右室の異常肥大を呈する疾患。左室の拡張脳障害が病態の主体であり、流出路狭窄の有無や突然死のリスク評価が重要である。約半数は常染色体優…

MRの手術適応

○一次性MR(僧帽弁逸脱など) 左室容量負荷による左室機能低下は無症状のまま進行することが多く、長期化することにより不可逆的な心筋ダメージを引き起こす。左室拡大、EF低下症例では術後の予後が悪いので僧帽弁形成術は進行する前に行うべきである。 ・重…

僧帽弁閉鎖不全症の内科的治療とフォローアップ

僧帽弁閉鎖不全症の内科的治療とフォローアップ ○一次性MRの場合(僧帽弁逸脱症など) ・慢性の重症MRの場合:外科治療が困難な場合は利尿剤やACE/ARB、βブロッカーの長期投与を考慮する。 ・血行動態が不安定の場合:急性のMRの場合はコンプライアンスの低…

一次性MRと二次性MR、心房機能性MRの違い

一次性MRと二次性MRの違い(僧帽弁閉鎖不全症) ○一次性僧帽弁閉鎖不全症 一次性MR=器質性MRとも呼ばれ、僧帽弁自体の異常があることによりMRがある場合、一次性MRと呼ばれる。 ・僧帽弁逸脱 ・リウマチ性MR ・僧帽弁穿孔や僧帽弁輪石灰化 ・感染性心内膜炎…

肺動脈楔入圧とレントゲン所見の関係

心不全で肺静脈圧が上昇すると様々なレントゲン所見が出現する。 左心不全により左室の拍出量が低下すると左房圧力が上昇→肺静脈圧上昇→肺うっ血がおこる。肺うっ血とは肺の毛細血管圧が上昇して肺の血管外に水が漏れて肺胞と間質が水で溺れてしまう病態であ…

(文献)Afに対する電気ショックのパドルの貼る位置はどこが最適か?

(文献めも)Afに対する電気ショックのパドルの貼る位置はどこが最適か?前壁〜後壁と前壁〜側壁とどちらも変わらない。ただし左房径45mm以下や孤立性心房細動の人はAPの方が有用。Afは左房か肺静脈に基質があると考えるとそこに最もエネルギーを届けられるA…

(文献)持続性心房細動に対する電気ショックの初期エネルギー量はどうするべきか

(一言で)持続性Afに対して50Jの電気ショックの成功率は3割程度。失敗しやすい人は:Afが長期持続、EF低い人、肥満、左房径大きい人、ペースメーカー入ってない人など。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 古い文献ですが ・持続性Afに対して電気ショック(2相性…

(文献)PMI患者に電気ショックをすると心室リードのみペーシング閾値が上昇する

文献メモ)ペースメーカー植え込み患者で電気ショックを行うと心室リードのみペーシング閾値が上昇し、心房リードでは変化がなかった。電気ショックの電流が心室リードの方に(おそらく解剖学的に)集中的に流れてしまいリードと接触する心内膜組織ダメージ…

心不全におけるTRPG値の解釈

心不全におけるTRPG値の解釈 TRPG(transtricuspid pressure gradient)=三尖弁圧較差のこと。TRPGはドップラーエコーで三尖弁逆流の血流速度を求めることによって、簡易ベルヌーイの式により算出可能である。 すなわち、 TRPG=4×(TRVmax)の二乗=推定右…

ヘパリン投与中はAPTTだけでなくAT3も一緒に測定する

ヘパリン投与中はAPTTだけでなくAT3も一緒に測定する ヘパリン投与してもなかなかAPTTやACTが延長しないことがある。このヘパリン抵抗性とも言える原因として最も多いのがAT3欠乏(その他にもDICや敗血症、肝硬変などもある)。ヘパリンを増量してもAPTT延長…

PCPS中のヘパリンコントロール

✅PCPS中の抗凝固コントロール PCPS管理中のACTの目標は以前は200〜300秒程度と言われていたが、PCPSの回路が進化してヘパリンコーティング化されるようになって現在ではACTの目標値は180〜200程度となっている。(APTTであれば40〜60程度) *PCPS管理中など…

PCPS管理中にドブタミンを使うべき状況

PCPS管理中にドブタミンを使うべき状況 心筋梗塞、心筋炎など心機能が落ち込むことによってPCPS導入する場合は心停止に至らないようにPCPS導入前にドブタミンなど強心薬の投与を開始されていることが多い。しかし、PCPSが開始となった場合は自己心が動かなく…

ECMO管理中の抗生剤

ECMO管理患者に予防的抗生剤をどうするべきか ECMO管理患者においての予防的抗生剤のエビデンスはないと言われている。ECMO回路自体が炎症反応を惹起させるために血液検査におけるWBCやCRPの上昇は感染症が原因とは言えずに当てにならない。また体温に関して…

重症下肢虚血(CLI)を有する患者への対応

✅重症下肢虚血(CLI)を有する患者への対応 重症下肢虚血とは下肢の疼痛や組織欠損を引き起こし、日常生活に多大な制限が生じるのみならず、感染の進行や全身性炎症反応を惹起するなど、短期間のうちに、生命を脅かす可能性があるもの。または、安静時疼痛・潰…

PCPSの離脱基準:VTI(速度時間積分値)

PCPSの離脱基準:VTIに関して 左室流出路における速度時間積分値(VTI)はパルスドップラーを用いて測定する1回拍出量の測定値。通常の心不全管理においてはVTI15cm以下では低下、10cm以下では高度低下とされているが、PCPS管理患者においてはVTI10cm以上が…

間欠性跛行を有する患者への対応

✅間欠性跛行を有する患者への対応 間欠性跛行を呈する患者にはABIをなど客観的な検査を行う。もし、ABIで正常値であったとしたら運動後のABIを測定する。血行再建術を考慮する症候性患者では下肢動脈超音波検査、CTA、MRA、下肢造影など行う。 血行再建術を…

PCPS中の心機能の立ち上がりの評価:SvO2

✅PCPS患者のSvO2での心機能の立ち上がりの評価 PCPSからの離脱を試みるとき、どの程度心機能が立ち上がってきているかが重要である。 心機能の指標として 血圧・・・最も一般的な指標だが末梢血管抵抗に左右されるので必ずしも心臓の機能を正確に反映すると…