つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

循環器

心不全におけるTRPG値の解釈

心不全におけるTRPG値の解釈 TRPG(transtricuspid pressure gradient)=三尖弁圧較差のこと。TRPGはドップラーエコーで三尖弁逆流の血流速度を求めることによって、簡易ベルヌーイの式により算出可能である。 すなわち、 TRPG=4×(TRVmax)の二乗=推定右…

僧帽弁は弁が2尖弁なのに、三尖弁はなぜ3つ弁があるのか

三尖弁と僧帽弁は同じ房室弁なのに弁の解剖が異なる。 僧帽弁は2尖なので閉鎖する時にがっちりと閉まるために逆流を起こしにくい。そのかわり前に流れる血流量は限られる。 一方で、三尖弁は前に流れる血流は多くなる代わりに、閉鎖する時にきれいに閉じに…

心エコーにおける心拍出量の解釈

心エコーにおける心拍出量の求め方 ・パルスドップラー法で一回心拍出量を求めには まず、傍胸骨肥左縁短軸像で左室流出路の直径(D)を計測する。 (*このD値は重要なのでズーム機能を用いて拡大して流出路の前後径(D)を収縮中期の時相で内膜〜内膜間で…

EF低下=ドブタミン使用必須ではない

心不全治療においてEF低下=ドブタミン使用必須ではない。 つまりEF低下=心拍出量低下を必ずしも意味しない。拡張末期径が大きくなると低いEFでも一回拍出量が増えるからである。一回拍出量が保たれればNYHAクラスも良好でEFが低くても日常生活を送っている…

心電図でQT延長を見たら

・QT延長症候群の診断基準 不整脈ガイドラインでは以下の診断基準に従って評価する。加点制で合計3.5点異常であればQT延長症候群と診断される(先天性であれ二次性であれ)。 ◯QT延長症候群には至らないが、QT延長を認めた場合 上記の診断基準でQT延長症候群…

心筋虚血における陰性T波と異常Q波の違い

心筋虚血における陰性T波と異常Q波の違い ◯異常Q波とは貫壁性の心筋梗塞に特徴的な心電図異常であり、次のように定義されている。 Q波の幅≧0.04秒(1mm)Q波の深さ≧R波の高さ×1/4 【異常Q波の例】 画像引用:http://ishikokkashiken.com/abnomal-q-wave/ …

心エコーの解釈:左房の拡大

●左房拡大の定義 ・左房系は傍胸骨長軸像の断層像で収縮末期系を計測する。男性で4.0cm、女性で3.7cmより大きければ左房拡大と定義する。 が、近年は左房の大きさの評価に左房前後径測定は推奨されていない。左房が拡大する時は必ずしも均等に前後径、横径お…

APTT値によるヘパリンの増減調節法

ヘパリン持続投与ではAPTTをチェックして量をコントロールする。 以下、肺血栓塞栓症ガイドライン2017より抜粋 http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_ito_h.pdf www.ncbi.nlm.nih.gov

慢性心不全(HFrEF)で基本的に導入する薬

慢性心不全(HFrEF)で基本的に導入する薬(ガイドライン参照) ○ACE阻害薬:推奨クラス1(禁忌を除く全ての患者に投与) エナラプリル:2.5mg/dayより開始。1日一回投与。維持量5-10mg/day リシノプリル:5mg/dayより開始。1日1回投与。維持量5-10mg/day…

フルイトラン(サイアザイド系)はいつ使うか

うっ血性心不全に対してサイアザイド系利尿剤トリクロルメチアジド(フルイトラン®)の出番は? ◯フルイトランはフロセミドに比べたら利尿作用は弱い。 フロセミドの作用部位がヘンレループの上行脚なのに対して、フルイトランは尿細管の後半部位で働く。フ…

急性心膜炎まとめ

急性心膜炎まとめ ◯急性心膜炎とは 男女関係なく全年齢で発症する。 原因の圧倒的多くはウィルス性を含む特発性。その他、細菌性、結核性、真菌性、悪性腫瘍、自己免疫疾患、心筋梗塞後、放射線治療後、尿毒症、薬剤、外傷などが原因として挙げられる。 *心…

大動脈解離のCT画像のおさらい

偽腔の血流状態による分類 ◯偽腔開存型:危険度高い 偽腔に血流のあるもの。部分的な血栓が偽腔の中にあることも。 ↑stanfordA型の偽腔開存型:造影CT ◯偽腔(血栓)閉塞型:Intramural hematoma (Intramural hemorrhage) 偽腔が血栓で完全に閉塞しており血…

ペースメーカーモードDDDとDDIの違い

・DDDモードとは 心房と心室にそれぞれに電極が入っているダブルチャンバーの時のモード。 ダブルチャンバーでは心房の興奮を感知もしくは心房にペーシング刺激挿入後、心室興奮を感知しない場合に心房興奮・ペーシング刺激に同期して一定時間後に心室ペーシ…

完全房室ブロックと房室解離の違い

◯房室解離とは 心房と心室の興奮が同期していない状態。2つのケースがあり、 (1)、心房の興奮が心室に伝わっていない場合 (2)、洞調律が遅くなって、その発生頻度が下位中枢(房室結節or接合部調律など)の生理的な刺激頻度よりも少なくなった場合 (…

慢性心不全における輸液の選択

◯救急外来に慢性心不全の患者が来た場合 慢性心不全の患者が何らかの主訴で救急外来を受診された場合、急性増悪が疑われるようなケースであればとりあえず採血・ルートキープは行うことになる。そして採血結果が判明する前にとりあえず何らかの輸液をオーダ…

心室頻拍(VT)を見つけたら

◯心室頻拍(VT)の波形 心室頻拍の定義は心室期外収縮の3連発以上連続すること(100拍/分以上のペースで)。心電図上の判断のポイントはQRS幅が広い(0.12mm以上=小さいマス目3つ分)。 wideQRSで頻脈になっていたら多くが心室性。一部上室性の可能性もあ…

高度房室ブロックと2:1房室ブロックの違い

◯1度房室ブロック〜3度房室ブロックの違い ・1度:房室伝導が遅延してPQ間隔が伸びる ・2度(wenckbach型):PQ間隔が次第に伸びて心室への興奮が脱落するもの。PQが徐々に伸びてQRSが脱落する。危険度は低い ・2度(mobitz型):PQ間隔が伸びずに突然…

ペースメーカー植え込みの適応

ペースメーカー適応メモ 房室ブロック、洞不全症候群、徐脈性心房細動におけるペースメーカー適応について(By JCS2011ガイドライン) 病態によってペースメーカーの適応は違います。 ◯房室ブロックにおけるペースメーカー適応 ClassⅠ: 1.徐脈による明…

心エコーでの右室拡大の鑑別

心エコーで右室拡大を見たら考えるべき病態 →右室圧負荷、右室容量負荷、右室心筋疾患 (心エコーでの右室拡大の一例) ●右心系の圧負荷をきたす病態 1,肺高血圧あり、左房圧上昇なし=肺血管の問題 →原発性肺高血圧症、膠原病、慢性肺塞栓症など →肺実質…

心エコーで心嚢液をみたら

心エコーでの心嚢液をみたら ・健常者でも20ml程度の心嚢液は存在する。 ・心エコー検査時、重力に従って心嚢液は後面に貯まるが、心嚢液が中等度(300ml以上)になると前面にも出現してくる。 ・心嚢液と胸水が分かりにくいこともあるが、心臓周囲に全周性…

心房細動におけるリズムコントロール

病棟、あるいは救急外来で心房細動を見たら ◯リズムコントロールとレートコントロールどちらを行うか 心房細動の治療はリズムを洞調律に戻すリズムコントロールと、心拍数を正常化させるレートコントロールとがある。直感的にはまずはリズムを戻さないといけ…

ST上昇型梗塞と非ST上昇型心筋梗塞の違い

心筋梗塞には心電図でST上昇するST上昇型梗塞(STEMI)とST上昇の見られない非ST上昇型梗塞(NSTEMI)とがある。単純に説明すると、虚血が心臓壁全体に至っているとST上昇型、虚血が心内膜側だけにあると非ST上昇型になる。 www.kango-roo.com/sn/k/view/195…

E/Aとは何か(左室弛緩能)

E/Aを理解する前提として… ◯左室拡張能低下は収縮能低下よりも先に起こる ・左室拡張能は収縮能と異なり、加齢とともに低下する。つまり健常高齢者でも低下している。 ・心疾患では収縮能よりも先に拡張能がやられる。左室収縮能が低下している場合は拡張能…

心筋梗塞と大動脈解離の鑑別メモ

突然の胸痛患者が来た時に最初に想起したいのは心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓。 心筋梗塞と大動脈解離の鑑別メモ ◯心筋梗塞 ・急な発症だが大動脈解離に比べるとピークに達するまでの時間は長い ・胸部の圧迫感、押されるような痛み、絞扼感 ・労作などで症…

バタフライシャドウの見方と意義

バタフライシャドウの見方と意義 参考:リアルバタフライ ◯左心不全で肺うっ血が起こる→バタフライシャドウ(butterfly shadow) 左心不全により左室の拍出量が低下すると左房圧力が上昇→肺静脈圧上昇→肺うっ血がおこる。肺うっ血とは肺の毛細血管圧が上昇し…

減塩して血圧が下がる日本人は半数という話

減塩して血圧が下がる人は日本では二人に一人という話 食塩感受性高血圧とは本態性高血圧の中でも塩分摂取によって血圧が上昇するものを言う。「塩分をとると血圧が上がる」とよく言われるが日本人においては食塩感受性高血圧は約50%過ぎないと言われており…

収縮期血圧で心不全の状態を分類する(クリニカルシナリオ)

急性心不全の予後改善には急性期での治療開始が重要と考えられており、救急外来などで簡易に治療方針をすぐに決定できるように収縮期血圧に着目したクリニカルシナリオというものがある。 もちろん血圧は個人差があるため血圧だけで一概に心不全の病態を判断…

腹頸静脈試験とは何か

腹頸静脈試験(肝頸静脈逆流)とは何か →abdominojugular reflux(AJR) 右心不全の徴候として「頸静脈怒張」がある。頸静脈怒張はベッドを45度に傾けて患者の頸静脈が胸骨角のところから頸静脈拍動の最強点までの垂直での距離が4.5cm以上であれば右心不全を…

起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い

◯起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い 起座呼吸は仰臥位になると呼吸困難が出現し、座ると改善することをいう。メカニズムとしては、仰臥位では静脈還流量が増えるため、心不全が増悪して呼吸困難になると考えられている。 起座呼吸は横になるとすぐに苦しく…

心不全急性増悪の原因と頻度

救急に来る心不全増悪疑いの患者で考えること。 とある論文によると心不全の急性増悪原因として多い順番からして次のように報告されている。 ・コンプライアンス不良(食事、薬、活動制限)(47%) ・全身性感染症(20%) ・不整脈(11%) ・身体的…