つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

循環器

SPPとABIの違い

SPP(skin perfusion pressure)は皮膚表面から1-2mm程度の深さにある毛細血管の血流がどのぐらいの圧で流れているのかを調べる検査。SPPの基準値は臥位で80-90mmHg程度。50mmHg以下で末梢動脈疾患疑い。ABIは上腕と足首の血圧の比率を観るのに対して、SPPはカ…

エンレストのEF毎にどの程度効果が違うか

エンレスト(ARNI:angiotensin receptor neprilysin inhibitor=サクビトリルバルサルタン)のEFの違いにおける効果 ・EF低下している心不全(HFrEF)に対する治療薬は存在するが、EFの保たれている(EF>40%)心不全に対する治療薬はほとんど存在してい…

大動脈解離stanford A型で脳虚血のある場合に外科手術の適応はあるか?

大動脈解離stanfordA型で脳虚血による意識障害が生じている場合に外科的治療の適応があるかどうかは様々な議論がなされている。 とある報告によると、脳虚血症状の出現から早急に大動脈解離の手術をした場合、意識障害の改善と神経学的予後の十分な改善が認…

抗血栓薬処方における高出血リスクの判定について

2020年ガイドラインメモ書き ✅高出血リスクの患者に対して 下記のHBRをチェックして、リスクによってDPAT期間を検討する。

CABG患者における抗血栓薬について

2020ガイドラインメモ書き ✅CABGにおける抗血小板薬 ・バイアスピリン服用中でCABGを施行する場合は周術期にバイアスピリン継続する(クラス1) ・ACSに対するCABG後では可及的速やかに負荷投与を行った上で、P2Y12受容体拮抗薬を開始し、最長12ヶ月までD…

虚血性心疾患にPCI行わない患者での抗血栓薬について

2020年版ガイドラインメモ書き ✅PCI非施行患者(ACSと診断されても、PCI治療できない場合(超高齢者や重篤な合併症がある場合)について) ・アスピリン100mg/dayを継続的に投与(クラスⅠ) ・ACS患者に対してアスピリンとクロピドグレルのDAPTを少なくとも6…

ACSおよびNSTEMI患者のDAPTに関して

2020年度のガイドラインメモ書き 【ACSの場合】 ・バイアスピリン+エフィエント(orクロピドグレル)を3−12ヶ月間(クラスⅠ) ・DES留置後出血リスクが高い患者はDAPTは1−3ヶ月に短期化する(クラスⅠ) ・禁忌がなければ無期限にバイアスピリンを継続(クラ…

(文献)Afに対する電気ショックのパドルの貼る位置はどこが最適か?

(文献めも)Afに対する電気ショックのパドルの貼る位置はどこが最適か?前壁〜後壁と前壁〜側壁とどちらも変わらない。ただし左房径45mm以下や孤立性心房細動の人はAPの方が有用。Afは左房か肺静脈に基質があると考えるとそこに最もエネルギーを届けられるA…

(文献)持続性心房細動に対する電気ショックの初期エネルギー量はどうするべきか

(一言で)持続性Afに対して50Jの電気ショックの成功率は3割程度。失敗しやすい人は:Afが長期持続、EF低い人、肥満、左房径大きい人、ペースメーカー入ってない人など。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 古い文献ですが ・持続性Afに対して電気ショック(2相性…

(文献)PMI患者に電気ショックをすると心室リードのみペーシング閾値が上昇する

文献メモ)ペースメーカー植え込み患者で電気ショックを行うと心室リードのみペーシング閾値が上昇し、心房リードでは変化がなかった。電気ショックの電流が心室リードの方に(おそらく解剖学的に)集中的に流れてしまいリードと接触する心内膜組織ダメージ…

心不全におけるTRPG値の解釈

心不全におけるTRPG値の解釈 TRPG(transtricuspid pressure gradient)=三尖弁圧較差のこと。TRPGはドップラーエコーで三尖弁逆流の血流速度を求めることによって、簡易ベルヌーイの式により算出可能である。 すなわち、 TRPG=4×(TRVmax)の二乗=推定右…

ヘパリン投与中はAPTTだけでなくAT3も一緒に測定する

ヘパリン投与中はAPTTだけでなくAT3も一緒に測定する ヘパリン投与してもなかなかAPTTやACTが延長しないことがある。このヘパリン抵抗性とも言える原因として最も多いのがAT3欠乏(その他にもDICや敗血症、肝硬変などもある)。ヘパリンを増量してもAPTT延長…

PCPS中のヘパリンコントロール

✅PCPS中の抗凝固コントロール PCPS管理中のACTの目標は以前は200〜300秒程度と言われていたが、PCPSの回路が進化してヘパリンコーティング化されるようになって現在ではACTの目標値は180〜200程度となっている。(APTTであれば40〜60程度) *PCPS管理中など…

PCPS管理中にドブタミンを使うべき状況

PCPS管理中にドブタミンを使うべき状況 心筋梗塞、心筋炎など心機能が落ち込むことによってPCPS導入する場合は心停止に至らないようにPCPS導入前にドブタミンなど強心薬の投与を開始されていることが多い。しかし、PCPSが開始となった場合は自己心が動かなく…

ECMO管理中の抗生剤

ECMO管理患者に予防的抗生剤をどうするべきか ECMO管理患者においての予防的抗生剤のエビデンスはないと言われている。ECMO回路自体が炎症反応を惹起させるために血液検査におけるWBCやCRPの上昇は感染症が原因とは言えずに当てにならない。また体温に関して…

重症下肢虚血(CLI)を有する患者への対応

✅重症下肢虚血(CLI)を有する患者への対応 重症下肢虚血とは下肢の疼痛や組織欠損を引き起こし、日常生活に多大な制限が生じるのみならず、感染の進行や全身性炎症反応を惹起するなど、短期間のうちに、生命を脅かす可能性があるもの。または、安静時疼痛・潰…

PCPSの離脱基準:VTI(速度時間積分値)

PCPSの離脱基準:VTIに関して 左室流出路における速度時間積分値(VTI)はパルスドップラーを用いて測定する1回拍出量の測定値。通常の心不全管理においてはVTI15cm以下では低下、10cm以下では高度低下とされているが、PCPS管理患者においてはVTI10cm以上が…

間欠性跛行を有する患者への対応

✅間欠性跛行を有する患者への対応 間欠性跛行を呈する患者にはABIをなど客観的な検査を行う。もし、ABIで正常値であったとしたら運動後のABIを測定する。血行再建術を考慮する症候性患者では下肢動脈超音波検査、CTA、MRA、下肢造影など行う。 血行再建術を…

PCPS中の心機能の立ち上がりの評価:SvO2

✅PCPS患者のSvO2での心機能の立ち上がりの評価 PCPSからの離脱を試みるとき、どの程度心機能が立ち上がってきているかが重要である。 心機能の指標として 血圧・・・最も一般的な指標だが末梢血管抵抗に左右されるので必ずしも心臓の機能を正確に反映すると…

PCPS管理中のCI(心係数)について

PCPS管理中の心係数(CI)について 肺動脈カテーテルによる心係数測定は正確性が落ちると言われている。 肺動脈カテーテルで持続モニタリングでCIを測定するときは熱希釈法を用いてされる。カテーテル先端から14〜25cm程度の所にあるサーマルフィラメントで…

PCPS:mixing zoneについて

VA-ECMO中の管理について ・mixing zone がどこにあるのか考える PCPS管理中は自己心とPCPSによる送血パワーによってどこにmixing zoneがあるかが変わる。 ・上行大動脈 心機能が非常に悪いときはmixing zoneは上行大動脈になる。 PCPSのflowが3-4L/分以上の…

無症候性ASO患者への対応

✅無症候性ASO患者への対応 症状が何もないにも関わらず、スクリーニング検査などでABI<0.9もしくはその他画像検査で下肢動脈の狭窄が指摘できた場合は無症候性ASOと考える。 なぜ、症状がないのか? ①体を動かさなくて虚血症状が出にくい場合 ②下肢筋肉のエ…

非心臓手術時の抗血栓療法について

✅非心臓手術の時の抗血栓療法について *周術期は抗血小板薬の休薬に伴うステント血栓症のリスク上昇に加え、手術に伴う炎症による血栓形成性の亢進などが心血管イベント増加に関連している可能性がある。 *PCI治療後の非心臓病手術では推奨されるDAPT期間…

【文献】ペースメーカー・ICD植え込み手術でヘパリンブリッジするべきか

ペースメーカー・ICD植え込み手術でワーファリンを中断してヘパリンブリッジするべきか? 背景:ペースメーカーやICD植え込みが必要な患者でワーファリンを内服している人は多い。 ガイドラインでは血栓症リスクの高い患者はワーファリンからヘパリンブリッ…

徐脈の原因検索

⭐徐脈の原因検索メモ書き 心筋虚血(房室ブロックであれば右冠動脈の閉塞による関与を考える。右冠動脈の血流低下で洞房結節枝や房室結節枝への血流低下による) 心サルコイドーシス(心エコーで中隔基部の壁厚菲薄化の確認) 心膜炎、心筋症、アミロイドー…

失神患者の心エコーでどこを観察するか

失神患者の心エコーでどこを観察するか 心原性失神の評価目的に心エコーをする時に注目するところ ・局所壁運動低下: 明らかなアシナジーがあれば心筋梗塞の可能性を考える。 ・EF低下: 原疾患は何であれ(陳旧性心筋梗塞や心筋症やら)、EFが20〜30%と低…

「心原性失神の否定をお願いします」と言われたら

「心原性失神の否定をお願いします」と言われたら →無理です。完全な否定はできなくても可能な範囲内で疑わしいかどうか調べる。 ◯まずは病歴の確認 ・既往歴:心疾患や失神の有無。心電図異常などこれまでに指摘されていないか。 ・家族歴:家族での心疾患…

スピロノラクトンとエプレレノンの使い分け

アルドステロン拮抗薬としてスピロノラクトンとエプレレノンがある。 商品名はスピロノラクトン:アルダクトン®25mgとエプレレノン:セララ®50mg アルドステロン拮抗薬はカリウム保持性の利尿薬であるためフロセミド処方患者の低カリウム血症予防目的で同時…

心不全治療でACE阻害薬とβブロッカーどちらを優先させるべきか

メモ ACE阻害薬に後でβブロッカーを追加で処方されることが多いが、βブロッカーをファーストラインの治療薬として選択するのが有益かどうかはわかっていなかった。 EF35%以下のHFrEF患者で比較した(CIBIS) III試験ではACE阻害薬とβブロッカーのどちらを先行…

大動脈解離後の日常生活の指導について

大動脈解離慢性期には一般的に日常生活の制限は必要としない。収縮期血圧低下効果の高いウォーキングや軽いランニングなどの有酸素運動(3〜5METs相当)を1日30分以上、週150分以上行うことが推奨される。軽度〜中等度の運動によって安静時の血圧を低下さ…