つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

循環器

心不全におけるTRPG値の解釈

心不全におけるTRPG値の解釈 TRPG(transtricuspid pressure gradient)=三尖弁圧較差のこと。TRPGはドップラーエコーで三尖弁逆流の血流速度を求めることによって、簡易ベルヌーイの式により算出可能である。 すなわち、 TRPG=4×(TRVmax)の二乗=推定右…

心不全治療でACE阻害薬とβブロッカーどちらを優先させるべきか

メモ ACE阻害薬に後でβブロッカーを追加で処方されることが多いが、βブロッカーをファーストラインの治療薬として選択するのが有益かどうかはわかっていなかった。 EF35%以下のHFrEF患者で比較した(CIBIS) III試験ではACE阻害薬とβブロッカーのどちらを先行…

心エコー:菲薄化とエコー輝度上昇について

⭕心筋梗塞後の特徴的な心エコー所見・局所的壁運動の異常 ・収縮期の壁厚増加の減少または消失(通常は拡張期よりも収縮期の方が壁厚が増加する所見が得られる)。 ・心筋の局所的な菲薄化 ⭕菲薄化について 心筋の局所的な菲薄化は虚血性心疾患を示唆する。虚…

大動脈解離の診察のポイントと緊急度

大動脈解離は一般的に突然の胸背部痛で出現する。 裂けるような痛み、移動する痛みが特徴的である。 診断のゴールドスタンダードは造影CT。血液検査のDダイマーも感度が非常に高いので陰性であれば否定的と言える。 大動脈解離が非常に疑わしい場合または診…

心エコーの解釈:E/e'について

⭕E/e'は何を意味するのか E/e'は左房圧の評価として用いられる指標。E/e'は肺毛細血管楔入圧(PCWP)と関係すると言われており(r=0.87)、両指標には良好な正の相関が認められる。E/e'が15以上であればほぼ全例で左房圧上昇をきたしていると考えてよいし、逆…

心エコー:LVOT径の測り方

心エコーでのLVOT径の測り方メモ ・LVOTとは左室流出路のこと (エコー図を2つほど紹介) ◯LVOT径を測ると何がわかるか? ・LVOTの直径を求めることで左室流出路の断面積が求まる(半径×半径×π) ・一回拍出量(SV)=VTI×LVOT断面積 ・心拍出量(CO)=SV×…

高血圧の患者をみたら

高血圧をみたら ・定義は収縮期140以上、拡張期90以上 ・高血圧をみたら動脈硬化のリスク因子を評価する (リスク因子:男性、年齢(男55歳以上、女65歳以上、喫煙歴、脂質異常症、空腹時耐糖能異常、75gOGTT、肥満、腹囲、家族歴(若年の心血管疾患) ・次…

少量心嚢液でも心タンポナーデになる理由

心嚢液が多量に貯留している場合は心タンポナーデを想起しなければならない。 が、心嚢液が少量であっても急速に貯留した場合は心タンポナーデになりうる。 何故か。 心臓を包んでいる心膜は左心系の拡張能に影響を与える。 心膜は伸展性に乏しい組織であり…

心嚢液貯留が急性か慢性かの判断

⭕心タンポナーデ ・心エコーで心嚢液貯留を中等量以上認める場合は心タンポナーデを鑑別に挙げる (少量でも急性に貯留した場合はタンポナーデになりうる) ・心タンポナーデになると頸静脈怒張,低血圧,心音減弱(Beckの3徴)がでるのでそれを意識する。…

心房粗動をみたら

メモ 【一般的な話】 ・心房粗動(AFL)は心房細動(Af)と似ているところと違うところを抑える ・Af同様に、脳梗塞のリスクがあるため抗凝固薬で脳卒中予防を行う。 (心房粗動の方がリスクは少し低いが無視できない) ・Afと異なり心房粗動は自然停止しにく…

僧帽弁は弁が2尖弁なのに、三尖弁はなぜ3つ弁があるのか

三尖弁と僧帽弁は同じ房室弁なのに弁の解剖が異なる。 僧帽弁は2尖なので閉鎖する時にがっちりと閉まるために逆流を起こしにくい。そのかわり前に流れる血流量は限られる。 一方で、三尖弁は前に流れる血流は多くなる代わりに、閉鎖する時にきれいに閉じに…

心エコーにおける心拍出量の解釈

心エコーにおける心拍出量の求め方 ・パルスドップラー法で一回心拍出量を求めには まず、傍胸骨肥左縁短軸像で左室流出路の直径(D)を計測する。 (*このD値は重要なのでズーム機能を用いて拡大して流出路の前後径(D)を収縮中期の時相で内膜〜内膜間で…

EF低下=ドブタミン使用必須ではない

心不全治療においてEF低下=ドブタミン使用必須ではない。 つまりEF低下=心拍出量低下を必ずしも意味しない。拡張末期径が大きくなると低いEFでも一回拍出量が増えるからである。一回拍出量が保たれればNYHAクラスも良好でEFが低くても日常生活を送っている…

心電図でQT延長を見たら

・QT延長症候群の診断基準 不整脈ガイドラインでは以下の診断基準に従って評価する。加点制で合計3.5点異常であればQT延長症候群と診断される(先天性であれ二次性であれ)。 ◯QT延長症候群には至らないが、QT延長を認めた場合 上記の診断基準でQT延長症候群…

心筋虚血における陰性T波と異常Q波の違い

心筋虚血における陰性T波と異常Q波の違い ◯異常Q波とは貫壁性の心筋梗塞に特徴的な心電図異常であり、次のように定義されている。 Q波の幅≧0.04秒(1mm)Q波の深さ≧R波の高さ×1/4 【異常Q波の例】 画像引用:http://ishikokkashiken.com/abnomal-q-wave/ …

心エコーの解釈:左房の拡大

●左房拡大の定義 ・左房系は傍胸骨長軸像の断層像で収縮末期系を計測する。男性で4.0cm、女性で3.7cmより大きければ左房拡大と定義する。 が、近年は左房の大きさの評価に左房前後径測定は推奨されていない。左房が拡大する時は必ずしも均等に前後径、横径お…

左室拡張末期圧(LVEDP)について

⭕LVEDPとは 心不全を定義するなら1つは「末梢の組織の需要に合うだけの血液を送り出すために左室拡張末期圧を上昇させなければならない場合」、もう1つが「末梢の組織需要に対して心臓が血液を送り出せていない場合」である。 左室拡張末期容積は前負荷の…

APTT値によるヘパリンの増減調節法

ヘパリン持続投与ではAPTTをチェックして量をコントロールする。 以下、肺血栓塞栓症ガイドライン2017より抜粋 http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_ito_h.pdf www.ncbi.nlm.nih.gov

慢性心不全(HFrEF)で基本的に導入する薬

慢性心不全(HFrEF)で基本的に導入する薬(ガイドライン参照) ○ACE阻害薬:推奨クラス1(禁忌を除く全ての患者に投与) エナラプリル:2.5mg/dayより開始。1日一回投与。維持量5-10mg/day リシノプリル:5mg/dayより開始。1日1回投与。維持量5-10mg/day…

フルイトラン(サイアザイド系)はいつ使うか

うっ血性心不全に対してサイアザイド系利尿剤トリクロルメチアジド(フルイトラン®)の出番は? ◯フルイトランはフロセミドに比べたら利尿作用は弱い。 フロセミドの作用部位がヘンレループの上行脚なのに対して、フルイトランは尿細管の後半部位で働く。フ…

急性心膜炎まとめ

急性心膜炎まとめ ◯急性心膜炎とは 男女関係なく全年齢で発症する。 原因の圧倒的多くはウィルス性を含む特発性。その他、細菌性、結核性、真菌性、悪性腫瘍、自己免疫疾患、心筋梗塞後、放射線治療後、尿毒症、薬剤、外傷などが原因として挙げられる。 *心…

大動脈解離のCT画像のおさらい

偽腔の血流状態による分類 ◯偽腔開存型:危険度高い 偽腔に血流のあるもの。部分的な血栓が偽腔の中にあることも。 ↑stanfordA型の偽腔開存型:造影CT ◯偽腔(血栓)閉塞型:Intramural hematoma (Intramural hemorrhage) 偽腔が血栓で完全に閉塞しており血…

ペースメーカーモードDDDとDDIの違い

・DDDモードとは 心房と心室にそれぞれに電極が入っているダブルチャンバーの時のモード。 ダブルチャンバーでは心房の興奮を感知もしくは心房にペーシング刺激挿入後、心室興奮を感知しない場合に心房興奮・ペーシング刺激に同期して一定時間後に心室ペーシ…

完全房室ブロックと房室解離の違い

◯房室解離とは 心房と心室の興奮が同期していない状態。2つのケースがあり、 (1)、心房の興奮が心室に伝わっていない場合 (2)、洞調律が遅くなって、その発生頻度が下位中枢(房室結節or接合部調律など)の生理的な刺激頻度よりも少なくなった場合 (…

慢性心不全における輸液の選択

◯救急外来に慢性心不全の患者が来た場合 慢性心不全の患者が何らかの主訴で救急外来を受診された場合、急性増悪が疑われるようなケースであればとりあえず採血・ルートキープは行うことになる。そして採血結果が判明する前にとりあえず何らかの輸液をオーダ…

心室頻拍(VT)を見つけたら

◯心室頻拍(VT)の波形 心室頻拍の定義は心室期外収縮の3連発以上連続すること(100拍/分以上のペースで)。心電図上の判断のポイントはQRS幅が広い(0.12mm以上=小さいマス目3つ分)。 wideQRSで頻脈になっていたら多くが心室性。一部上室性の可能性もあ…

高度房室ブロックと2:1房室ブロックの違い

◯1度房室ブロック〜3度房室ブロックの違い ・1度:房室伝導が遅延してPQ間隔が伸びる ・2度(wenckbach型):PQ間隔が次第に伸びて心室への興奮が脱落するもの。PQが徐々に伸びてQRSが脱落する。危険度は低い ・2度(mobitz型):PQ間隔が伸びずに突然…

ペースメーカー植え込みの適応

ペースメーカー適応メモ 房室ブロック、洞不全症候群、徐脈性心房細動におけるペースメーカー適応について(By JCS2011ガイドライン) 病態によってペースメーカーの適応は違います。 ◯房室ブロックにおけるペースメーカー適応 ClassⅠ: 1.徐脈による明…

心エコーでの右室拡大の鑑別

心エコーで右室拡大を見たら考えるべき病態 →右室圧負荷、右室容量負荷、右室心筋疾患 (心エコーでの右室拡大の一例) ●右心系の圧負荷をきたす病態 1,肺高血圧あり、左房圧上昇なし=肺血管の問題 →原発性肺高血圧症、膠原病、慢性肺塞栓症など →肺実質…

心エコーで心嚢液をみたら

心エコーでの心嚢液をみたら ・健常者でも20ml程度の心嚢液は存在する。 ・心エコー検査時、重力に従って心嚢液は後面に貯まるが、心嚢液が中等度(300ml以上)になると前面にも出現してくる。 ・心嚢液と胸水が分かりにくいこともあるが、心臓周囲に全周性…