北西軸と不定軸について
・右軸偏位と左軸偏位に関しては↓の記事から
✅北西軸とは
電気軸が-90°〜-180°の場合を北西軸または極端な軸偏位と呼ぶ。
北西軸の心電図の一例(Ⅰ誘導のQRS高の和がマイナス、aVf誘導のQRS高の和がプラスになっている)
○北西軸の原因
・心電図電極のつけ間違い(左右逆)
・心室リズム(心室頻拍、心室固有調律、心室ペーシング)・高カリウム血症
・肺気腫
などがある。
*心室頻拍で北西軸となるのは心室頻拍が左心室の心尖部または中隔部から発生し、電気伝導が体の右上の方に進むからである(北西軸方向)。
心尖から発生する心室頻拍は右脚ブロックパターン、左中隔に隣接する心室頻拍は左脚ブロックパターンになる。
*肺気腫で北西軸になる理由:肺の過膨張で横隔膜が下に引き下げられ、その結果、心臓は水平面と前頭面に回転し、左または右軸偏位となり、重度の肺気腫では極端な軸偏位(→北西軸)となることがある。
✅不定軸とは
不定軸とは獅子誘導の全てでR波、S波、Q波の波高が等しいために電気軸を求められない場合を言う。前額面に対して垂直なので電気軸を測定することが困難となり、不定軸と呼ばれる。特に病的意義はないとされている。