つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

循環器

PCPS:mixing zoneについて

VA-ECMO中の管理について ・mixing zone がどこにあるのか考える PCPS管理中は自己心とPCPSによる送血パワーによってどこにmixing zoneがあるかが変わる。 ・上行大動脈 心機能が非常に悪いときはmixing zoneは上行大動脈になる。 PCPSのflowが3-4L/分以上の…

無症候性ASO患者への対応

✅無症候性ASO患者への対応 症状が何もないにも関わらず、スクリーニング検査などでABI<0.9もしくはその他画像検査で下肢動脈の狭窄が指摘できた場合は無症候性ASOと考える。 なぜ、症状がないのか? ①体を動かさなくて虚血症状が出にくい場合 ②下肢筋肉のエ…

非心臓手術時の抗血栓療法について

✅非心臓手術の時の抗血栓療法について *周術期は抗血小板薬の休薬に伴うステント血栓症のリスク上昇に加え、手術に伴う炎症による血栓形成性の亢進などが心血管イベント増加に関連している可能性がある。 *PCI治療後の非心臓病手術では推奨されるDAPT期間…

【文献】ペースメーカー・ICD植え込み手術でヘパリンブリッジするべきか

ペースメーカー・ICD植え込み手術でワーファリンを中断してヘパリンブリッジするべきか? 背景:ペースメーカーやICD植え込みが必要な患者でワーファリンを内服している人は多い。 ガイドラインでは血栓症リスクの高い患者はワーファリンからヘパリンブリッ…

胸水と肺水腫の違い

基本的な言葉の整理です。 胸水と肺水腫は似たような言葉として捉えられがちですが違う病態です。 心不全における胸水も肺水腫も心機能が低下することによって、血液がうっ滞して血管内の圧力が高まることによって血管から間質側に体液が漏れ出てしまう現象…

徐脈の原因検索

⭐徐脈の原因検索メモ書き 心筋虚血(房室ブロックであれば右冠動脈の閉塞による関与を考える。右冠動脈の血流低下で洞房結節枝や房室結節枝への血流低下による) 心サルコイドーシス(心エコーで中隔基部の壁厚菲薄化の確認) 心膜炎、心筋症、アミロイドー…

失神患者の心エコーでどこを観察するか

失神患者の心エコーでどこを観察するか 心原性失神の評価目的に心エコーをする時に注目するところ ・局所壁運動低下: 明らかなアシナジーがあれば心筋梗塞の可能性を考える。 ・EF低下: 原疾患は何であれ(陳旧性心筋梗塞や心筋症やら)、EFが20〜30%と低…

「心原性失神の否定をお願いします」と言われたら

「心原性失神の否定をお願いします」と言われたら →無理です。完全な否定はできなくても可能な範囲内で疑わしいかどうか調べる。 ◯まずは病歴の確認 ・既往歴:心疾患や失神の有無。心電図異常などこれまでに指摘されていないか。 ・家族歴:家族での心疾患…

スピロノラクトンとエプレレノンの使い分け

アルドステロン拮抗薬としてスピロノラクトンとエプレレノンがある。 商品名はスピロノラクトン:アルダクトン®25mgとエプレレノン:セララ®50mg アルドステロン拮抗薬はカリウム保持性の利尿薬であるためフロセミド処方患者の低カリウム血症予防目的で同時…

心不全治療でACE阻害薬とβブロッカーどちらを優先させるべきか

メモ ACE阻害薬に後でβブロッカーを追加で処方されることが多いが、βブロッカーをファーストラインの治療薬として選択するのが有益かどうかはわかっていなかった。 EF35%以下のHFrEF患者で比較した(CIBIS) III試験ではACE阻害薬とβブロッカーのどちらを先行…

大動脈解離後の日常生活の指導について

大動脈解離慢性期には一般的に日常生活の制限は必要としない。収縮期血圧低下効果の高いウォーキングや軽いランニングなどの有酸素運動(3〜5METs相当)を1日30分以上、週150分以上行うことが推奨される。軽度〜中等度の運動によって安静時の血圧を低下さ…

大動脈解離の画像フォローアップ間隔

大動脈解離ガイドライン2020では発症後の画像フォロー間隔を次の通りとしている ①発症1,3,6ヶ月後、以降は発症2年後まで6ヶ月ごと ②発症1,3,6,9,12ヶ月後 The International Registry of Acute Aortic Dissection (IRAD): new insights…

大動脈解離ULP型解離の定義と意義

ULP型(潰瘍様突出像)の定義は「閉塞した偽腔における頭尾方向の広がりが15mm未満の造影域」である。(あくまで画像所見における定義)ULPがあることで偽腔閉塞型とは区別され、また、ULPの長径が15mm未満とすることで偽腔開存型解離とも区別される。 ULP型…

(文献)心不全におけるフロセミドでの腎機能障害は一過性かもしれない

(一言)急性非代償性心不全患者における利尿剤使用の戦略。ループ利尿薬は持続投与でもショットでもどちらでも良い(治療に関しても副作用に関しても変わらない)。高用量だと腎機能は短期的にみえると悪くなりやすい。しかし2ヶ月後には戻ってる。 https:…

経静脈的一時ペーシングの設定

一時ペーシングの適応に関しては別記事参照 ⭕センシング・ペーシングの設定 ・リードを右室心尖部に留置してから… 【センシング】 ・自己脈がある時はまずセンシング感度を調節する。(センスアンプが点滅していたら感知できていることになる) ・最高のセン…

慢性大動脈解離stanford B型での侵襲的治療をいつ考えるか

B型慢性期の手術の多くは拡大・瘤化後の破裂防止目的実施される。 2014年の欧州ガイドラインでは治療介入基準はTEVAR,外科手術の区別なく最大径60mm、年間10mm以上の拡大とされている(2013年までは「症状の再発、拡大・瘤化(>55mm)、年間4mmを超える拡…

大動脈解離stanfordB型の侵襲的治療の適応

急性大動脈解離stanfordB型であっても急性期予後に危険が及ぶcomplicatedの状態であれば侵襲的治療が必要となる。 complicated急性B型解離の定義 ①破裂・切迫破裂 ②malperfusion(分枝潅流障害):腹部主要分枝、下肢、脊髄などへの灌流障害 ③持続する痛み、…

low flow,low gradient ASとは何か

severe ASであってもEFが低下していると心拍出量が低下してドップラー法による圧較差は過小評価される傾向にある。これをlow-EF,low-gradient ASと呼ぶ。 低心拍出のために大動脈弁通過流速が低下し圧較差が過小評価されている真の高度ASと低心拍出が原因で…

(文献)電気ショックに関してのチップス

(文献)電気ショックのミニレビュー pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ミニレビューからの覚書 ✅電気ショック成功へのファクター ・エネルギー量は電圧と電流の組み合わせで決まる。 ・電気ショックが成功するかはパドルの大きさ、貼る場所、胸壁のインピーダンス(…

心エコー:菲薄化とエコー輝度上昇について

⭕心筋梗塞後の特徴的な心エコー所見・局所的壁運動の異常 ・収縮期の壁厚増加の減少または消失(通常は拡張期よりも収縮期の方が壁厚が増加する所見が得られる)。 ・心筋の局所的な菲薄化 ⭕菲薄化について 心筋の局所的な菲薄化は虚血性心疾患を示唆する。虚…

大動脈解離の診察のポイントと緊急度

大動脈解離は一般的に突然の胸背部痛で出現する。 裂けるような痛み、移動する痛みが特徴的である。 診断のゴールドスタンダードは造影CT。血液検査のDダイマーも感度が非常に高いので陰性であれば否定的と言える。 大動脈解離が非常に疑わしい場合または診…

心エコーの解釈:E/e'について

⭕E/e'は何を意味するのか E/e'は左房圧の評価として用いられる指標。E/e'は肺毛細血管楔入圧(PCWP)と関係すると言われており(r=0.87)、両指標には良好な正の相関が認められる。E/e'が15以上であればほぼ全例で左房圧上昇をきたしていると考えてよいし、逆…

(文献)長時間型ループ利尿薬アゾセミドはフロセミドより優れている

(一言)長時間型ループ利尿薬アゾセミドはフロセミドより慢性心不全の長期管理としては優れている。アゾセミドだと長期的な死亡率や再入院率が低下する。フロセミドだと短時間作用だからか循環動態への影響が大きくRAS系の活性化や交感神経活性化を引き起こ…

心エコー:LVOT径の測り方

心エコーでのLVOT径の測り方メモ ・LVOTとは左室流出路のこと (エコー図を2つほど紹介) ◯LVOT径を測ると何がわかるか? ・LVOTの直径を求めることで左室流出路の断面積が求まる(半径×半径×π) ・一回拍出量(SV)=VTI×LVOT断面積 ・心拍出量(CO)=SV×…

高血圧の患者をみたら

高血圧をみたら ・定義は収縮期140以上、拡張期90以上 ・高血圧をみたら動脈硬化のリスク因子を評価する (リスク因子:男性、年齢(男55歳以上、女65歳以上、喫煙歴、脂質異常症、空腹時耐糖能異常、75gOGTT、肥満、腹囲、家族歴(若年の心血管疾患) ・次…

少量心嚢液でも心タンポナーデになる理由

心嚢液が多量に貯留している場合は心タンポナーデを想起しなければならない。 が、心嚢液が少量であっても急速に貯留した場合は心タンポナーデになりうる。 何故か。 心臓を包んでいる心膜は左心系の拡張能に影響を与える。 心膜は伸展性に乏しい組織であり…

心嚢液貯留が急性か慢性かの判断

⭕心タンポナーデ ・心エコーで心嚢液貯留を中等量以上認める場合は心タンポナーデを鑑別に挙げる (少量でも急性に貯留した場合はタンポナーデになりうる) ・心タンポナーデになると頸静脈怒張,低血圧,心音減弱(Beckの3徴)がでるのでそれを意識する。…

(文献)利尿剤が多いほど心不全患者の予後は悪くなる

(一言で)ループ利尿剤が多いほど心不全患者の予後は悪くなる。ループ利尿薬はRASS系や交感神経系を亢進させてしまうから。低用量ループ利尿薬であればRASS阻害薬の組み合わせが大変効果的である。 europepmc.org 論文からのメモ書き ・慢性心不全患者の治…

(文献)利尿剤投与で血漿レニン活性、アルドステロン濃度が上昇する

(一言で)心不全患者に利尿剤を投与すると、心不全徴候は改善するが、血中のレニン活性やアルドステロン濃度は上昇している。このことは長期的に見ると心臓にとっては良いことではない。しかしACE阻害薬を使えばRASSの亢進を抑えられるので有用かもしれない…

心房粗動をみたら

メモ 【一般的な話】 ・心房粗動(AFL)は心房細動(Af)と似ているところと違うところを抑える ・Af同様に、脳梗塞のリスクがあるため抗凝固薬で脳卒中予防を行う。 (心房粗動の方がリスクは少し低いが無視できない) ・Afと異なり心房粗動は自然停止しにく…