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膝蓋跳動とは関節水腫(関節に液体が貯留しているかどうか)を判定するための診察方法。関節液が貯まると膝蓋骨が跳ぶように動くことに由来。 ●関節液はどこにあるか 膝蓋骨周囲の解剖学的な断面図。膝蓋骨周囲に水が溜まっている様子↓@水色の部分。 関節液…
CVA叩打痛の方法とその意義 CVA叩打痛とは CVAとはcostovertebral angle(肋骨脊椎角)の略であり、肋骨と脊椎が三角に交わる場所のことである。CVAは臓器としては腎臓が近くに位置しているために腎盂腎炎や尿管結石のような腎臓疾患の検出に有用な所見であ…
死戦期呼吸は喘ぎ呼吸、下顎呼吸とも呼ばれる。 リズムは不規則で呼吸の大きさは大小様々ではあるが、やがては無呼吸に至る。 「努力様の呼吸」「つらそうな呼吸」「胸の上がりが不十分な呼吸」「呼吸が不規則、少ない」など様々な表現がされうるが、正常な…
・痙性片麻痺歩行 大脳〜頸髄レベルでの片側性錐体路障害で片麻痺を呈する。 (内包付近の血管障害:被殻出血、視床出血、中大脳動脈流域脳梗塞など) 歩行時の自然な屈伸が減少し、下肢は伸展しつま先は垂れていることが多い(下肢全体が棒のように突っ張る…
mingazzini(ミンガッティーニ)徴候の方法と意義 下肢Mingazzini試験とは患者に仰臥位になってもらった状態で股関節と膝関節を90度屈曲させて両側の下肢を両手で持ち挙上させる。検者が手を話すと麻痺側の足が下降、もしくは動揺する。バレー徴候と同様に…
ミオクローヌスとは不随意運動の一種。筋肉の不随意的かつ突発的な収縮を意味する。 一定のリズムで素早い不随意運動があればミオクローヌスではなく振戦と呼ばれる。 限局的であれば一つの筋肉がピクッ、ピクッという程度の収縮であるが広範囲になると全身…
◯安静時振戦(静止時振戦) 両手を膝の上に載せておいてもらい力を抜いてもらい振戦が見られるかどうか確認する。わかりにくい場合は手を目標に近づけるなどの動作をしてもらい、それで振戦が消失するかどうかをみる。安静時振戦の原因としてはパーキンソン…
踵膝試験(かかとひざしけん)の方法とその意義(+動画) 踵膝試験とは運動失調の有無をみるための神経診察。患者に仰臥位になってもらい、片足の踵を出来るだけ高く挙げてもらい、それを出来るだけ正確にもう一方の下肢の膝にのせ、そのまま脛にそって足首…
手回内回外試験の方法と意義(+動画) 手回内回外試験とは小脳失調をみるための身体診察。 方法:被検者に両手を前に出してもらい肘を軽く屈曲して手首を大きく、出来るだけ早く回してもらう。検者が見本を見せてやると良い。 小脳失調がある場合、失調側の…
歯車様筋強剛と鉛管様筋強剛の違い(固縮=筋強剛) 筋強剛とは筋肉の伸張反射が持続的に起きている状態であり、患者の身体を受動的に動かそうとする際に、最初から最後までずっと持続的に抵抗を感じる状態を言う。 抵抗がカクカクと歯車のように感じられる…
把握反射の方法とその意義(+動画で紹介) 把握反射とは患者の手掌を指球から指先にかけて手指でこすると、検者の指を掴むような動作をすることをいう。把握反射は原始反射の1つであり、通常であれば新生児期に消失するが、前頭葉障害のある患者では再度出…
手掌頤(おとがい)反射=palmomental reflexとは 手掌おとがい反射とは手掌の母指球を中枢側から末梢側にかけてハンマーの柄などで軽くこすると同側のおとがい筋の収縮が生じる反射である。この他眼輪筋や口輪筋の収縮を認めることもある。 手掌おとがい反…
口尖らし反射(snout reflex)とは両側の錐体路障害(上位運動ニューロン障害)で出現する反射の1つ。 上口唇の真上の正中部を軽くハンマーなどで叩くと、被験者の口輪筋の収縮が生じて口を尖らせる様な動作をする。前頭葉を中心とする広範な大脳皮質障害や…
瞳孔動揺とは何か 瞳孔が縮瞳と散瞳を繰り返すこと瞳孔動揺(hippus)という。対光反射など光を当てる時に目立つが、光を当てない状況でも瞳孔動揺は出現する。 種々の疾患などで起こることがあるが、正常の生理的状態でも見られることのある所見であり病的…
指鼻指試験の方法とその意義 指鼻指試験とは小脳運動のスクリーニングテスト。 患者は人差し指で患者の鼻先と検者の指先を交代交代に触れさせる。検者は少しずつ指の位置を動かして患者がそれに合わせて指を動かせるか観察する。検者は自分の指を患者が手を…
羽ばたき振戦とは患者の両上肢をまっすぐと伸ばしてもらい、手関節を背屈させた状態で保持するように指示すると筋緊張の消失と手関節の緊張による背屈位が交互に繰り返され、両手をパタパタと羽ばたかせるようにみえる徴候。固定姿勢を保持できないことから…
中枢性めまいを身体所見で診断する方法:HINTS めまいを主訴に来院した患者でいちばん重要なのは脳血管障害などの中枢性めまいなのかBPPVなどの末梢性めまいなのかを鑑別すること。ERでは頭部CTをルーチンで取られることも多いが、急性期の脳梗塞はCTではっ…
Kernig徴候とは髄膜刺激徴候に対するスクリーニング検査。 検査の手順: 1,患者の片側の股関節、膝関節を共に90度に屈曲してもらう。 2、股関節を90度に屈曲させたまま、患者の大腿伸側を掴んで膝関節をゆっくり進展させていく。 3,膝関節が135…
腰椎椎間板ヘルニアのメモ (記事の再構築予定…) ◯腰椎椎間板ヘルニアの概要 好発年齢は20〜40代と若年に多い。ヘルニアの中で腰椎ヘルニアが最も多い。 後側方へのヘルニア脱出が多いので健側と患側が出来る(稀に中央でヘルニア)。 好発部位はL4/L5…
test of skew deviation(斜偏倚)とは脳梗塞診断に用いられる身体所見の1つ。 skew deviationとは眼球(正確に言うと視軸)が垂直方向にずれて、片目がもう片方の目より上に偏位していることをいう。下方偏倚した側の脳幹障害を示唆する。 (手順) ・患者…
head impulse test(HIT)とは何か ・患者に前方(医師の鼻先など)を凝視してもらう。 ・鼻を眼で見続けながら、頭を左(もしくは右)に20度程すばやく振ってもらう ・健常者では顔が動いても眼で標的(鼻)を見続けることが出来る。 ・前庭眼反射障害のあ…
骨盤骨折疑いへのアプローチ@救急外来 骨盤の解剖 画像引用http://www.takatsu-chiro.com/yougoshu/name-pelvis.htm 【骨盤骨折の種類】 骨盤骨折には骨盤輪の破綻する骨盤輪骨折と股関節を形成する寛骨臼骨折とにわけられる。骨盤は周囲に血管が豊富である…
肘内障(橈骨頭の亜脱臼)への対応@救急外来 【肘内障とは】 典型的な肘内障では幼児が突然親に手を引っ張られるなどして痛みのために突然手を動かさなくなってしまう。機序としては前腕を回内し、肘を進展した状態で長軸方向に急激に引っ張る結果生じる。…
頸静脈怒張と診察法 ”頸静脈怒張”とは頸静脈が座位において拡張して張りだして見える徴候のことで心不全(右心不全)の徴候の1つ。右内頸静脈の視診で頸静脈怒張の評価を行う。 ■頸静脈怒張にはどういう意味があるのか 頸静脈怒張が臨床的に重要なのは右心…
眼球頭反射とは何か(人形の眼試験=人形の目現象) 人形の目試験とは頭位の回旋によって眼位の変化(頭位変換眼球反射)を観察する試験法。頭を支えた状態で急速に右、もしくは左に回旋させた時に眼球が頭に対して反対方向を向く現象である。頭を回転させて…
オッペンハイム手技とは:頸骨の内側縁を親指の腹で上から下の方にそっていく方法である。これは錐体路障害を検出するための方法であり、錐体路(上位運動ニューロン)に異常があれば下のイラストのように足の指(特に親指)が背屈する。錐体路障害の検出と…
ストライダーとウィーズの違い ストライダー(stridor)とは: 上気道が閉塞することにより吸気時に聞こえる喘鳴。 「グ〜、グ〜」というような低い音が特徴。連続性雑音であるが、胸郭外由来のために連続性ラ音には分類されない。 上気道とは具体的には咽頭…
ホフマン反射とトレムナー反射の違い 共に病的反射の一種であり上位運動ニューロン(錐体路)が障害されると出現する。病的反射はこれらの他にもバビンスキー反射やチャドック反射がある。最も感度が高い病的反射はバビンスキー反射でありスクリーニングとし…
甲状腺機能低下症でアキレス腱反射弛緩相遅延となる機序 甲状腺機能低下症とは 甲状腺ホルモンの作用低下によって様々な全身症状をきたす疾患。原因(病変)は甲状腺そのものにある場合とその上流の視床下部にある場合とがある。アキレス腱反射弛緩相遅延と…
アキレス腱反射亢進と減弱の原因 アキレス腱反射とは…アキレス腱を軽く叩打することにより足が底屈するという腱反射のひとつ。アキレス腱反射は、脊髄から分枝したS1およびS2神経により起こる。 アキレス腱反射減弱・消失の原因: アキレス腱反射を叩打する…