stridor(吸気性喘鳴)とwheeze(笛音)の違い
ストライダーとウィーズの違い
ストライダー(stridor)とは:
上気道が閉塞することにより吸気時に聞こえる喘鳴。
「グ〜、グ〜」というような低い音が特徴。連続性雑音であるが、胸郭外由来のために連続性ラ音には分類されない。
上気道とは具体的には咽頭,喉頭蓋,喉頭,および胸郭外の気管などである。
よって、ストライダー(吸気性喘鳴)の原因となるものとしては以下のものがある
①アデノイド②口蓋扁桃肥大③舌根沈下④咽喉頭腫瘍⑤喉頭炎、急性喉頭蓋炎⑥喉頭クループ⑦声帯麻痺⑧喉頭外傷⑨咽頭痙攣⑩異物(粘調な喀痰など)⑪アナフィラキシー
吸気性喘鳴は医学的な緊急事態である頻度が高い。特に咳嗽のない発熱,重症感,咽頭痛,嚥下困難を伴う場合は急性喉頭蓋炎などの可能性も考えなければならない。
ウィーズ(wheeze)とは:
下気道の細い気道が閉塞することにより聞こえる。「ヒュー、ヒュー」というような高い雑音。笛音とも呼ばれる。原因としては気管支喘息や炎症などによって気道内の分泌物が貯留することが考えられる。
聴診で聞こえるのは主に呼気だが吸気に聴かれることもある。
ウィーズの原因疾患としては気管支喘息、COPD、びまん性汎細気管支炎、感染を繰り返す気管支拡張症などが鑑別に挙がる。
*気管支雑音の音の高さは気道径の大きさによる。上気道の太い気道が狭窄していれば低い雑音になるが、下気道の細い気道の狭窄であれば高い雑音となる。これは部屋の窓を少しだけ開けた時に高い「ヒュー」という音がするのと同じ理屈である。
【youtubeの動画を紹介】
ストライダーの例
Stridor Baby in Upright Position - Age 7
ウィーズの例