つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

腎臓

CKDに対してのレニン・アンジオテンシン系阻害薬の適応

ACE阻害薬であれARBであれ、レニン・アンジオテンシン系を抑制する薬剤は血管拡張を含む様々な臓器保護作用があり、糖尿病やCKDのステージに関わらず、末期腎不全への進展や全死亡率を改善する効果が報告されている。 ただし、ARB,ACE阻害薬の問題点としては…

尿毒症による意識障害はいつから現れるか?

意識障害の鑑別で有名なAIUEOTIPSのうちのU=Uremia(尿毒症)は具体的にどのような状況下で疑うべきなのだろうか。 一般的には慢性腎不全が進行して尿毒症という状態になると、倦怠感、吐き気、食欲低下、頭痛、呼吸困難、出血症状など様々症状が出現しうる…

低カリウム血症のマネジメント

低カリウム血症のマネジメント ★低カリウム血症の鑑別 ・まず、腎臓からカリウムが排泄亢進してるのかどうか評価する 尿中K/尿中Cr比率≦22mEq/g Cr、TTKG<3〜5であれば腎排泄抑制 →腎からのK排泄抑制なのに低K血症ということはKの摂取不足、細胞内シフト、腎…

高カルシウム血症へのマネジメント

◯高カルシウム血症の評価、疫学 ・低アルブミン血症の場合は補正を行う。Ca補正値=Ca+(4-Alb) ・補正は必須であるが誤差が出るので正確な評価のためには血ガスによってイオン化Caの測定をする。イオン化Caの基準値は1-1.4a mmol/Lであるが大体8倍をしたら…

横紋筋融解症に出会ったら

横紋筋融解症とは骨格筋の破壊によって筋肉成分が血管に流出することによりミオグロビンによる腎障害や電解質異常が起こる病態。 ◯横紋筋融解症の原因 ・直接的な筋障害(外傷、クラッシュ症候群、過度な運動、痙攣、熱中症、脱水) ・薬剤性(スタチン、フ…

尿量低下の原因と対応

尿量低下の原因と対応 ・尿量低下の基準 教科書的には正常尿量は1日1000〜1500mlであり、乏尿は400ml/day以下、無尿は100ml/day以下と定義される。 ICU管理下などではより細かく0.5ml/kg/時間以下の尿量を乏尿とされる。体重50kgの人では1時間25ml以下とい…

腎機能低下の原因と鑑別

腎機能低下の原因と鑑別 採血で腎機能低下を認めた場合の対応 STEP1:以前の腎機能と比較する もともと腎機能が悪いのかどうか。 腎不全の既往のない患者の腎機能が悪ければ急性腎障害(AKI)。 もともと腎機能の悪い患者の腎機能が更に悪くなれば慢性腎不全…

アニオンギャップを計算する意義

アニオンギャップの計算とその意義 ◎アニオンギャップの式の導出 アニオンとは陰イオンのこと。ギャップとは差のこと。アニオンギャップとは陽イオンと陰イオンの差という意味で用いられる。 体内において陽イオンと陰イオンのそれぞれの合計は一緒。 陽イオ…

アシドーシスやアルカローシスの代償の目安・覚え方

代謝性アシドーシスの際、身体はアシドーシスを補正しようと代償性アルカローシスになる。 HCO3-の基準値は22〜26mEq/l(平均24前後) PaCO2の基準値は35〜45mmHg(平均40前後) 代謝性アシドーシスであれば腎臓などに問題があり、アルカリ物質であるHCO3-が…

エコーでの水腎症の所見と重症度分類

超音波検査における水腎症の見え方 水腎症とは尿の通過障害や過度の膀胱充満によって腎盂や腎杯が拡張した状態。 原因としては尿管結石や尿管腫瘍などによる閉塞、また先天性に腎盂尿管移行部が閉塞している場合、そして神経因性膀胱などによって尿路の通過…

慢性腎不全でインスリン必要量が減る理由

慢性腎不全でインスリン必要量が減る機序 糖尿病患者ではインスリンがうまく分泌されない・働かないために治療としてインスリン注射が必要である。糖尿病が悪化すればするほどインスリン必要量も増えそうであるが、合併症として腎不全が進行するとインスリン…

近位尿細管でアンモニアが産生される理由

近位尿細管細胞はなぜアンモニアを作る必要があるのか 人体は腎臓・肺から酸を排泄することでアシドーシスにならないように恒常性を保っているが、体内で不揮発酸が過剰に産生された場合や腎不全により中々酸が排泄できない場合は、体全体は酸性に傾いてしま…

試験紙法とスルホサリチル酸法の違い

尿蛋白の検査として一般的には試験紙法が用いられているが、これはアルブミン蛋白に対する反応性をみている。特徴としては、あえて感度を鈍感にすることによって生理的な蛋白尿を検出しないようにしている。つまり、健常人でも5mg/dlほどのタンパクは尿中に…

JG細胞と緻密斑の働きについて

【JG細胞】 JG細胞(別名:顆粒細胞、傍糸球体細胞)は輸入細動脈の血管壁に存在しており、循環血漿量の減少や腎動脈狭窄などによって輸入細動脈にある圧受容体が圧力の低下を感知すると、JG細胞がレニンを分泌して血圧を保とうとする。因みにとはJG細胞とは…

多発性嚢胞腎で十分な水分摂取が推奨される理由

多発性嚢胞腎とは多数の嚢胞が腎臓の両側に生じて腎機能の低下、最終的には腎不全に至る遺伝性疾患である。日本における頻度は10万人あたり10人前後。 遺伝形式としては常染色体優性と常染色体劣性の2タイプがあり、常染色体優性タイプでは成人(特に4…

血尿と潜血、ヘモグロビン尿の違い

血尿とヘモグロビン尿の違い 血尿とは尿に赤血球が混ざったものをいう。 血尿は混ざる血液量に応じて肉眼的血尿と潜血(顕微鏡的血尿)に分けられる。 ・肉眼的血尿…多量の赤血球が混ざることにより肉眼的に尿が赤くなる状態。尿1L中に1ml以上の血液が混ざる…

溶連菌感染後糸球体腎炎の治療でステロイド禁忌の理由

溶連菌感染後糸球体腎炎の治療でステロイド禁忌の理由 溶連菌感染後糸球体腎炎とはA群β溶連菌に感染してから2週間ほどして血尿、タンパク尿、浮腫、高血圧などを呈する疾患である。病態としては溶連菌の抗原が糸球体に沈着し、それに対して抗体が産生され…

慢性腎不全で低カルシウム血症になる機序

慢性腎不全で低カルシウム血症になる機序 慢性腎不全になると糸球体濾過量が低下し、リンの排泄ができなくなるので高リン血症になる。すると副甲状腺からPTHが分泌されて高リン血症を解消するが、腎不全が進行するにつれて代償できなくなる。 高リン血症では…

血漿交換と血液吸着法の違い

血漿交換と血液吸着法の違い これらはともに除去療法(アフェレシス)と呼ばれていて、血液透析の親戚のような治療法である。 血漿交換というのは血球は通過できないが病因物質は通過できるぐらいの孔を持つ膜で病因物質だけ選択的に除去する方法。血漿内に…

糖尿病性腎症で摂取カロリーをむしろ増やすべき理由

糖尿病性腎症で摂取カロリーをむしろ増やすべき理由 糖尿病の三大合併症として糖尿病性腎症がある。治療方針として、厳格な血糖コントロール、降圧療法、蛋白制限食がある。 イラストはwebsite糖尿病ネットワークより引用 腎不全は上記のイラストのように5…

血液透析と腹膜透析の違い

透析には二種類ある。血液透析(HD)と腹膜透析(PD)。 ■血液透析、腹膜透析それぞれの原理 血液透析:患者の血液を体外に一度取り出し、ダイアライザーと呼ばれる透析器の中を通すことで透析を行い、再び患者に戻す(患者から血液を取り出すことを脱血、ダ…

高張性脱水と低張性脱水の違い

■高張性脱水(=高浸透圧性脱水)と低張性脱水(=低浸透圧性脱水)の違い 体内の水分量が減少した状態を脱水というが、発汗などにより水分の喪失が塩類の喪失に比べて大きく、体液の濃度が上昇する場合を高張性脱水といい、嘔吐などによってその逆になる場…

遊走腎とは何か

遊走腎のメカニズム 立位の状態で腎臓が2椎体以上、下降していることを遊走腎という。腰背部痛、腹痛、血尿などをきたすが、多くの場合保存的治療で良い。 腎臓は、それ自体が繊維皮膜に包まれ、その周囲を脂肪皮膜、そして更に繊維性のゲロタ筋膜によって…

ナットクラッカー現象のメカニズム

ナットクラッカー現象の機序 nutcracker現象とは何か 左腎静脈は腹部大動脈と上腸間膜動脈の間を走行しているので、動脈圧が高く、静脈圧が低いと、左腎静脈が圧迫されることがある。 すると、左腎の周囲がうっ血して肉眼的血尿をきたすことがある。CTなどの…

PAS染色とPAM染色、HE染色の使い分け

PAS染色とPAM染色、HE染色の違い (腎組織の見方について) ■各染色法について PAS染色:PASとはperiodic acid-Schiff(=過ヨウ素酸シッフ)の略。細胞や組織の糖鎖を染色し、好中球、基底膜、グリコーゲン、好酸球などが赤色に染まる。 PAM染色:periodic …

イヌリンとクレアチニンの違い

イヌリンとは生体に存在しない物質で、通常は糸球体で濾過され、尿細管で再吸収・分泌されずに排泄される。よって非常に正確に糸球体濾過量(eGFR)を測定することができる。 一方で、eGFRの測定として用いられるクレアチニンは糸球体で濾過され、尿細管で再…

尿蛋白の選択性〜トランスフェリンとIgG〜

腎機能が低下していると尿蛋白が出るが、タンパクの種類を調べることで診断の助けとなる。次のような考え方ベースとしてある。 腎不全の進行が軽度の場合→小さなタンパク質しか漏れない。 腎不全の進行が高度の場合→小さなタンパクに加え、大きなタンパク質…

内シャントと外シャントの違い

■シャントとは何か シャント(shunt)とは、血液が、本来通るべき血管とは別のルートを流れる状態のこと。バイバス、近道などと同じような意味である。一般的には動脈と静脈が直接つながることをシャントと呼ぶ。 (血液は普通、動脈→毛細血管→静脈という順に…

糸球体係蹄壁とは何か

糸球体係蹄壁とは簡単にいえば糸球体毛細血管の壁のことである。 係蹄壁と呼ばれる壁が毛細血管を通過する血液を濾過して原尿を生成している。 糸球体の係蹄壁という大層な名前を持っているだけあってただの壁ではない。 係蹄壁は3層構造をしていて、内皮細…

ファンコニー症候群の病態生理

■ファンコニー(fanconi)症候群のメカニズム 近位尿細管に障害が起こることで本来再吸収されるべき物質が再吸収されなくなることにより生じる病気。再吸収を担う近位尿細管はエネルギー消費の多い部位であるが、上皮細胞のミトコンドリア障害によって十分なAT…