血尿と潜血、ヘモグロビン尿の違い
血尿とヘモグロビン尿の違い
血尿とは尿に赤血球が混ざったものをいう。
血尿は混ざる血液量に応じて肉眼的血尿と潜血(顕微鏡的血尿)に分けられる。
・肉眼的血尿…多量の赤血球が混ざることにより肉眼的に尿が赤くなる状態。尿1L中に1ml以上の血液が混ざると肉眼的血尿になる。
・潜血(顕微鏡的血尿)…顕微鏡で400倍に拡大した時に1視野に5個以上の赤血球があれば顕微鏡的血尿である。4個以下の赤血球は健常人でも認められうる。
一方、ヘモグロビン尿とは尿中に赤血球は認められないが、ヘモグロビンがある状態である。つまり、赤血球中のヘモグロビンが大量に尿に混ざっているので原因としては血管内溶血などが考えられる。
同様に、ミオグロビン尿は尿中に赤血球は認められないが、ミオグロビンが認められる状態。原因としては横紋筋融解症などがある。
【血尿とヘモグロビン尿はどのように鑑別するのか】
まず最初に試験紙法で尿潜血の陽性であることを確認する。試験紙法とは赤血球中のヘモグロビンのペルオキシダーゼ活性を利用して赤血球の存在を検出している。ただし、赤血球が無くても、ヘモグロビンやミオグロビンでも陽性となってしまう。
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尿潜血陽性だけでは運動の影響や月経の影響など一過性の可能性もあるので何度か行い、持続していることを確認する。
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続いて、尿沈渣検査で赤血球の数を顕微鏡でカウントする。
赤血球4個以下で尿潜血は陽性であったならばヘモグロビン尿やミオグロビン尿が考えられる。赤血球数5個以上であれば血尿ということになる。
*赤血球の形に注目して変形赤血球であれば糸球体性血尿であり、赤血球の変形が無ければ非糸球体性血尿ということもわかる。