つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

免疫・膠原病

SLEで肺高血圧症をきたす理由

肺高血圧(PAH)とSLEなどの免疫疾患を結びつける病態生理は複雑でまだわかっていないことも多い。遺伝的素因、免疫系の機能不全、感染症などの環境刺激など様々なファクターが要因になると言われている。 [要素1] 低酸素、血管内皮への何かしらのストレ…

SLE-PAHにステロイドなど免疫抑制剤は有効か

SLEなど膠原病疾患によって発症した肺高血圧症に対して免疫抑制剤は有効なのか 少し古い報告ですが Pulmonary hypertension in systemic lupus erythematosus: evaluation of clinical characteristics and response to immunosuppressive treatment ・8人…

「発熱+後頚部リンパ節腫大」で想起したい菊池病

◯菊池病とは 菊池病は壊死性リンパ節炎と不気味な名前を持つが予後は良好。 前駆症状として扁桃の腫大、上気道症状から始まることが多い。 その後38度前後の不規則な発熱と頸部リンパ節腫大が1ヶ月近く持続する。 日本などアジアに多い病気。1972年に初め…

C3,C4、CH50測定の意義

補体についておさらい 補体活性には大きく分けて3つの経路がある。古典経路、副経路、レクチン経路である。 古典経路:抗原抗体のきっかけで反応が開始 副経路:病原体にC3が結合することで開始 レクチン経路:MBL(マンナン結合タンパク)に病原体表面のマ…

リウマチ性多発筋痛症(PMR)の診断基準

リウマチ性多発筋痛症(PMR)の診断基準 【ChuangのPMRの診断基準(以下4項目を満たす時)】 ・発症年齢50歳以上 ・急速に発生した両側性の筋痛が1ヶ月以上持続 (頸部/体幹、肩/上腕、腰/大腿部のうち2ヶ所を含む) ・赤血球沈降速度(ESR)>40mm/時 …

アナフィラキシー患者を帰宅させて良いのか

アナフィラキシー患者を帰宅させて良いのか 例えば ・蜂に刺された後に息苦しい ・造影剤投与後に全身に皮疹 などのような患者が来たらアナフィラキシーを疑うのは難しくない。 対応としてはアドレナリンを大腿外側広筋に筋注してしばらく経過観察すれば良い…

アナフィラキシー難治例でグルカゴンを用いる理由

アナフィラキシー治療でグルカゴンを用いる理由 虫の咬傷、造影剤など抗原暴露の後に皮疹や息苦しさなどを訴えるアナフィラキシー患者にはアドレナリンを筋注して対応するのがスタンダードであるがそれだけでは症状の改善を見ないことがある。アドレナリンを…

アナフィラキシー患者への対応

アナフィラキシー患者へのアプローチ こんてんつ ・アナフィラキシーの原因の例 ・アナフィラキシー患者の内服歴は必ず聞く ・アナフィラキシーの症状と頻度 ・アドレナリンの適応 ・アドレナリンをどこにどれだけ打つか ・アドレナリンが効かないときの対応…

乳酸菌で花粉症が改善する理由

乳酸菌は花粉症を改善する2つの機序 1.IgA分泌を増加させる 花粉症などのアレルギーを起こしやすい人はIgAの分泌が少ないことが知られている。IgAとは粘膜から分泌される免疫グロブリンであり、花粉などの異物が体内に入るのをブロックする働きがある。マウ…

HLA関連疾患とその覚え方

HLA関連疾患とその覚え方 HLAとはヒト白血球抗原のことで、いわば白血球の血液型のようなものである。ただ、種類は非常に膨大であり、組み合わせは数万種類にも達する。HLAの種類によっては病気になりやすいこともあり、試験でも度々出題される(ただし、特…

X連鎖型劣性遺伝の免疫不全疾患の覚え方

免疫不全疾患の中で伴性劣性遺伝をするもののゴロ合わせ ゴロ:BMW B:Bruton型無γ-グロブリン血症 M:慢性肉芽腫症 W:wiskott-Aldrich症候群 B:Bruton型無γ-グロブリン血症とは B細胞系の分化障害であり、全てのタイプの免疫グロブリンが産生されなくなる…

細胞性免疫と液性免疫のサイトカインの覚え方

細胞性免疫と液性免疫のサイトカインのゴロ合わせ 細胞性免疫を制御するサイトカイン ゴロ:細胞に一任 IL1,2 液性免疫を制御するサイトカイン ゴロ::死後無と化す IL4,5,6,10 おまけ: IL1:炎症性サイトカインの1つ。自己炎症症候群に関係。 IL2:T細…

抗リン脂質抗体症候群でAPTTが延長する理由

抗リン脂質抗体症候群でAPTTが延長するのは何故か 【抗リン脂質抗体症候群とは】 リン脂質、あるいはリン脂質結合タンパク質に対する自己抗体(抗カルジオリピン抗体、ループス抗凝固因子)などが作られてしまい、動静脈血栓や習慣性流産などを引き起こして…

RIST検査とRAST検査の違い

RIST検査とRAST検査の違い 1型アレルギーの検査にRISTとRASTがある。 RIST:radioimmunosorbent test(放射性免疫吸着試験) RAST:radioallergosorbent test(放射性アレルゲン吸着試験) RISTは血清中の総IgE値を測定するのに対し、RASTは特定の抗原に対する特…

乾酪性肉芽腫と非乾酪性肉芽腫の違い

乾酪性肉芽腫と非乾酪性肉芽腫の違い 乾酪性肉芽種は結核菌などに対する免疫反応の結果起こる病変。 非乾酪性肉芽種とはサルコイドーシスなどに対する免疫応答の結果生じる病変。 ■ 乾酪性肉芽種とは免疫を担うマクロファージが類上皮細胞やランゲルハンス巨…

レイノー現象の原因と機序

レイノー現象(raynaud phenomenon)とはなにか 動脈の狭小化に続発する四肢の動脈血行不全をレイノー現象という。 四肢末端の細動脈が発作的に攣縮し、間欠的なチアノーゼをきたす。また、攣縮が収まると今度は皮膚は発赤する。つまり手指の色が白→青→赤のよ…