つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

(症例)48歳女性。首と腕などの日光露光部に色素沈着。半年前からの下痢・疲労・食欲低下。

(症例)

症例:48歳の女性。

現病歴:6ヶ月間の経過で首と腕の発疹が悪化。

下痢,疲労,食欲不振を訴え,体重も8kg減少。

神経学的所見なし。

生活歴:患者はインドの農村に住み,菜食主義で,アルコールは摂取していなかった.身体所見では↓の写真のように日光露光部に明瞭な色素沈着があり。(頚部,前胸部(パネルA),前腕部(パネルB))

また前肩甲骨窩に皮膚亀裂があった.

 

 

 

さて、何を考える❓

 

・血清ナイアシンの検査は不可能であったが、下痢と典型的なCasal's necklace発疹を含む左右対称の光線過敏性皮膚炎からペラグラ(ナイアシン欠乏症)と診断された。

 

✅ペラグラとは

・ペラグラ(pellagra=イタリア語で"皮膚の痛み"を意味する)はナイアシン(ビタミンB3、ビタミンPP)欠乏症。先進国では稀。ナイアシン欠乏では総じて他の栄養素やビタミンB類も不足していることがある。ニコチン酸アミドやビタミンB群を投与して治療する。本症例はビタミンB点滴後に下痢の改善、4週間後には皮膚の色素沈着も改善に至った。

・ペラグラの症状は3つのDで覚えられる(色素沈着を伴う限局性の皮膚炎=dermatitis、下痢=diarrhea、認知機能低下=dementia)(治療しなければ4番めのD=deathがありうる)。その他、口内炎、舌炎、精神異常、認知機能低下以外にも広範な神経症状が出現することがある。症状は単独で起こることもあれば複数起こることもある。

・先進国で起こる場合はアルコール多飲患者や吸収不良のある患者などが多いとされている。

 

✅ペラグラに特徴的な色素沈着(Casal's necklace)

カザールネックレスという言い回しはペラグラを最初に報告したGaspar Casalにちなんで命名された。

 

症例元ネタ)https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm2114098