腎不全患者へのSGLT2i(ダパグリフロジン)の効果
文献:Dapagliflozin in Patients with Chronic Kidney Disease
腎不全患者へのSGLT2i(ダパグリフロジン=フォシーガ)の効果
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2024816
・CKD患者におけるダパグリフロジンの効果判定の研究
(メソッド)
・eGFRが25〜75の患者が対象。4304人が登録。
・尿中アルブミン/クレアチニン比(アルブミンはミリグラム、クレアチニンはグラムで測定)が200~5000。
・ダパグリフロジン(10mg、1日1回)またはプラセボの投与に無作為に割り付け
・アウトカムは推定GFRが50%以上持続的に低下すること、末期腎不全、腎不全または心血管系の原因による死亡の複合
(結果)
中央値で2.4年の間に主要評価項目が発生したのは,ダパグリフロジン群では2152人中197人(9.2%),プラセボ群では2152人中312人(14.5%)
・主要評価項目を1つ防ぐための治療必要数は19!
・推定GFRが50%以上持続的に低下したこと、末期腎不全、または腎疾患による死亡の複合項目のハザード比は0.56であり、
心血管疾患による死亡または心不全による入院の複合項目のハザード比は0.71
・死亡はダパグリフロジン群では101名(4.7%)、プラセボ群では146名(6.8%)
・ダパグリフロジンの効果は、2型糖尿病の有無関係無し!
primary and secondary outcomes
(考察)
・従来の研究(CREDENCE試験)では2型糖尿病患者かつCKD患者のSGLT2Iの腎保護作用は示されていた。
・本研究は2型糖尿病の有無に関わらず、ACE/ARBに加えてSGLT2Iを投与することがCKD患者にとって有用であることを示している(腎保護作用だけでなく、死亡率や心不全の発症も防げる=過去のDAPA-HF試験と同様の結果)。
・本試験ではSGLT2Iの副作用として糖尿病ケトアシドーシスや低血糖の出現はなかった。