つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

高LDL血症をみたら

(参考)

http://www.j-athero.org/publications/pdf/essence2013.pdf

 

 

⭕LDLの目標値は一次予防と二次予防で異なる

・一般的には140以上が高LDL血症、120〜139を境界型高LDL血症に該当する

・脳梗塞や冠動脈既往があればLDL100以下が推奨される。(冠動脈疾患二次予防では低ければ低いほどよいという報告もあり70以下も推奨される)

・糖尿病、CKD、末梢動脈疾患の既往がある場合の目標値は120以下

・上記疾患などない健常人であれば(つまり一次予防であれば)年齢、性別、喫煙歴など心血管イベントリスクで目標値が代わる。下の表の通り。高齢者ではLDL低下の予防効果のエビデンスはないのでポリファーマシーなど考えながら判断。

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⭕まずやるべきことは生活指導

 

日本動脈硬化学会ガイドでは次の通り

・禁煙し、受動喫煙を回避する

・過食を抑えて、標準体重を維持する

・肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を控え、魚類、大豆製品の摂取を増やす

・野菜、果物、未精製穀類、海藻の摂取を増やす

・食塩を多く含む食品の摂取を控える(6g/day未満)

・アルコールの過剰摂取を控える(25g/day以下)

・有酸素運動を毎日30分以上行う

 

⭕治療の第一選択はスタチン

LDLの目標値は前述の通り。スタチンはプラークの退縮効果もあることからLDLの値に関わらず低いほうが良いとも言われている。実際にLDL100とLDL80それぞれを比較したメタ解析では総死亡に差はなかったが主要心血管イベントや脳血管障害がLDL80の方が優位に抑制された。

 

スタチンにはその薬効に応じてストロングスタチンとウィークスタチンとに分けられる。一般的にスタンダードスタチンでは15%前後下げる効果が期待できるとされ、ストロングスタチンでは30%前後下げる効果が期待できるとされていて、病態などに合わせて適切な薬剤が選択される。

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しかし、副作用に関してはスタチンで違いがあり、最も副作用の少ないスタチンはプラバスタチン(メバロチン)とシンバスタチン(リポバス)という報告もある。

スタチン開始後の注意点としては筋肉痛、肝機能上昇、糖尿病リスク上昇など。

採血は開始して最初の3ヶ月は毎月。それからは3ヶ月毎にチェック。

 

⭕筋肉痛・CK上昇への対応

筋障害の発生率は7〜29%とも言われている。それなりに高い確率である。

CKが正常上限の10倍以上や筋症状強くてQOL低下時には中止を考慮する。

ただし、高脂血症も放置できないので基本的には減量して様子をみるか他のスタチンに変更して様子をみる。

CYP3A4で代謝されるシンバスタチン(リポバス)やアトルバスタチン(リピトール)はCa拮抗薬やステロイド、グレープフルーツジュースなどの摂取により血中濃度が上昇して副作用が発現しやすくなるので注意が必要。よって、すでに複数の薬剤を内服中の方ではCYPに代謝されないプラバスタチンやピタバスタチンなどの選択が無難。

 

⭕スタチン以外の選択

EPAが意外にも(?)有用

・EPA(イコサペント酸エチル)魚油の摂取量が多いほど心血管イベントが低下することはすでに様々な臨床試験や疫学研究で明らかになっている。DART試験で食事で魚、脂肪、食物繊維のどれを多く摂取するかで解析すると魚を多くしているグループでは2年間の死亡率が29%低下。またMI(PCI)後の患者ではEPA投与群のほうが累積冠動脈イベントが41%も低かった。スタチンの影に隠れてしまいやすいが、EPAの併用を推しているガイドラインは多い。

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・エゼチニブ

食事からのLDL吸収を抑制してくれる。スタチンのみではLDL下がらない時にしばしば用いられるが、心血管イベントを減らしてくれるエビデンスは現時点ではない。(しかしLDLが下がること=冠動脈イベントが下がると考えると間接的なエビデンスにはなる)

 

記載中・・・。