糖尿病患者へのアプローチ
糖尿病患者へのアプローチめも
【概要】
・まずはインスリン依存状態か非依存状態か判断
・経口血糖降下薬は低血糖を来さない薬を必ず少量から開始(SU薬は避ける。血管合併症のリスクの観点からは第一選択はメトホルミン、第二選択はDPP-4阻害薬、αGI)。
・薬剤の追加や変更は通常、同一薬剤で2−3ヶ月経過を見てから行う。
・合併症予防のためのHbA1c7.0%未満目標。治療強化が困難な時は8.0%未満。
・早期に眼科コンサルト。
・採血尿検査で腎障害も確認。
・急激に血糖コントロールが悪化した場合は、腫瘍(特に膵臓がん)併発を疑い早期に腹部エコーを実施する。
・血糖コントロールに加えて血圧、脂質、体重管理、禁煙指導も忘れずに
・運動療法は(著名な高血糖(空腹時250mg/dl以上)、増殖性網膜症による新鮮な出血がある時、腎不全、虚血性心不全、感染症、糖尿病性壊疽などある時は行わない。
◯糖尿病患者担当時の基本となる検査
●基本となる検査
・身長、体重、BMI
・血糖値(空腹時血糖、随時血糖)
・平均血糖値(HbA1c)
・尿検査:尿糖、尿蛋白、尿ケトン
・血圧
・脂質(TC、HDL、TG、LDL)(LDL=TCpHDL-TG/5)
●合併症予防の検査
・眼科受診(眼底検査)
・尿中アルブミン、血中Cr、eGFR
・神経障害(腱反射、振動覚、足のチェック)
・動脈硬化(心電図、胸部レントゲン、ABI、頸動脈エコー等)
◯糖尿病専門医に紹介するかどうか
・1型糖尿病
・高血糖クライシス(DKA、HHS)
・インスリン治療の導入
・HbA1c8.0%以上が持続する場合(複数の薬剤を使用しても8.0%以上が続く場合はインスリン療法への変更、食事療法の再始動、教育入院など必要)
・妊娠糖尿病
◯インスリンの絶対的適応
・1型DM
・糖尿病昏睡
・重度の肝障害・腎障害
・重症感染症・中等度以上の外科手術
・糖尿病を合併した妊娠
◯インスリンの相対的適応
・空腹時血糖値250mg/dl以上
・随時血糖350mg/dl以上
・尿ケトン陽性(+)
・体重減少(月に1−2kg以上)
・ステロイド薬を使用中の場合
・中心静脈栄養中の場合
◯インスリンの相対的適応だが入院まではいらない場合
BOT(basal supported oral therapy):経口血糖降下薬はそのまま内服を続け、持効型インスリン製剤(ランタスorトレシーバ)を患者が最も打ちやすい時に1日1回打ってもらう方法(就寝前or夕食直前など)
実測体重で0.1単位/kgから開始。早朝空腹時血糖値を見ながら使用量を調整。通常はインスリンを2単位ずつ調整して、早朝空腹時血糖が80-120mg/dlを目標にする。
◯血糖コントロール不良患者の対応
・空腹時血糖値160以上
・食後2時間血糖値220以上
・HbA1c8.0%以上
のうちのいずれかが当てはまる場合は食事療法・運動療法と同時に経口血糖降下薬を使用する。第一選択薬はメトグルコ(低血糖起こしにくい、体重増加を来さない、心血管合併症を減らすエビデンス、安い)。
◯血糖コントロール不良でない患者の対応(HbA1c7.9%以下)
この場合は最初は食事療法と運動療法で2−3ヶ月程度治療する。食事指導については自宅での指導が難しい場合は、管理栄養士に依頼。食事療法と運動療法でも食後高血糖が続く場合ではメトグルコなど内服薬開始。
原則としてHbA1c7.0%以上、空腹時血糖値140以上、食後2時間血糖値200以上が続く場合は薬剤の増量・変更・併用が必要。
追記します。