つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

SLEで肺高血圧症をきたす理由

肺高血圧(PAH)とSLEなどの免疫疾患を結びつける病態生理は複雑でまだわかっていないことも多い。遺伝的素因、免疫系の機能不全、感染症などの環境刺激など様々なファクターが要因になると言われている。

[要素1]

低酸素、血管内皮への何かしらのストレスによって血管収縮物質と血管拡張物質のバランスが崩れる(血管収縮物質:エンドセリン1、トロンボキサンA2。血管拡張物質プロスタサイクリン)。血管収縮によって低酸素誘導因子やエリスロポエチンが産生され、肺血管の平滑筋の増殖や血管系のリモデリングが起きる。肺動脈の内膜・中膜が肥厚すると血管が狭くなる=血管抵抗が増す=肺動脈圧が高くなる

[要素2]

免疫複合体や補体が肺血管に沈着し、炎症細胞が活性化し、炎症性サイトカインが放出される。これがさらなる血管内皮の損傷を引き起こしリモデリングが進行する。

[要素3]

抗リン脂質抗体陽性などの場合は、血栓ができやすくなり、肺塞栓を合併することがある。微小なものも含めて肺高血圧増悪の一因になる。

 

参考文献:

Severe Pulmonary Hypertension as Initial Presentation of SLE: A Case Report and Literature Review