つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

眼科

頭痛の無い閃輝暗点について

主訴:頭痛の無い閃輝暗点 ・閃輝暗点とは視野の中央部に輝く点が現れ、ギラギラとした稲妻のような模様なが徐々に拡大し、見えない部分も出現する視覚症状である。 ・閃輝暗点は典型的には20〰30分程度持続し、自然に改善する。 ・メカニズムは明らかになっ…

猫の目が夜光る理由

猫の目が夜光る理由 画像参照*1 暗いところで猫を見ると目が光ってることがある。これはどういう理屈なのだろうか。 猫の目は人の目と基本的には同じ作りになっているが、網膜の後ろにタペータムという特徴的な構造物を持つ。 画像参考*2 人の場合、外界から…

夜空の星を見るときには桿体細胞を駆使しようという話

夜空の星を見るときには桿体細胞を駆使しようという話 画像参照*1 網膜には2種類の視細胞が存在する。桿体細胞と錐体細胞である。それぞれ役割が異なり、桿体細胞は明暗を感知するのに対し、錐体細胞は色を感知する。それぞれの細胞からの情報が脳の視覚野…

視覚誘発電位と網膜電図の違い

視覚誘発電位と網膜電図の違い(似てる検査の整理) 視覚誘発電位とは… 視覚刺激に対する大脳の反応により視機能を判定する方法。視神経から視覚野に至る過程で障害があると、眼球に問題がなくても視力が低下する。視覚中枢のある後頭葉に電極を載せて、脳波…

悲しい時は泣いたほうが良い理由

悲しい時は我慢せずに泣いたほうが良いなんて昔から言われている。これには科学的な裏付けはあるのだろうか。 画像*1 人が涙を流すのには2つの理由がある。1つは目にゴミが入った時(あるいは玉ねぎの刺激によるもの)、そしてもう1つは悲しかったり嬉し…

人間がまばたきをする理由

人は何故瞬きをしているのだろうか 人がものを見るときは、外界から光を取り入れて網膜に結像させて視覚野で視覚情報にしている。その光の通り道には角膜や水晶体、硝子体といった透明な組織が並んでいる。その透明な組織を維持するには乾燥を避けなければな…

虹彩毛様体炎の治療でアトロピンを使うのは何故か

虹彩毛様体炎の治療でアトロピンを使う理由 【虹彩毛様体炎とは】 虹彩毛様体炎とは、炎症の起こっている部位に基づいてつけられた病名。そのため、細菌、ウイルス、真菌などによる感染性のものや、ベーチェット病やサルコイドーシス、原田病のようhに免疫…

あくびをすると涙がでるのは何故か

あくびをすると涙がでる理由 涙の流れ*1 あくびをすることで顔面の筋肉が収縮し、それにより涙の蓄えられている涙腺が押されて涙が眼表面に流れこむことが原因と考えられる。因みに最初のあくびは確かに涙が出るが、何度も繰り返していると涙腺の涙が枯渇す…

毛様充血と結膜充血の違い

毛様充血と結膜充血の違い・鑑別 充血とは…結膜血管や強膜の血管が拡張して血液量が増え、赤く見えるようになった状態である。充血はあくまで症状でありそれ自体が病気なわけではない。充血の原因となっている疾患を治療する必要がある。 充血はその原因血管…

眼窩を形成する骨とそのゴロ・覚え型

眼窩を形成する骨とそのゴロ・覚え型 写真出典:http://www.i-l-fitness-jp.com/comment/ka/ga-orbit.html 眼窩とは頭蓋骨の中で眼球の収まっているくぼみのことである。このくぼみはいくつかの骨から形成されているのだが、実に覚えにくい。 オススメのゴロ…

動的視野計と静的視野計の違い

動的視野計と静的視野計の違い 動的量的視野計とは視標を動かして見える範囲を測定する検査。ゴールドマン視野計を用いて検査し、視野全体の計測に役立つ。正常視野の広がりは上側60度、鼻側60度、下側70度、耳側100度である。 静的視野計とは視標…

白内障:嚢外摘出術と嚢内摘出術の違い

白内障:嚢外摘出術と嚢内摘出術の違い 白内障とは元々透明であるはずの水晶体が加齢や糖尿病などによって濁ることにより視力低下をきたす疾患である。白内障だけでは失明することはないが、日常生活に支障をきたすようになれば手術の適応となる。 一般的な…

乳頭浮腫とその原因

乳頭浮腫とその原因 乳頭浮腫(うっ血乳頭)視神経乳頭とは網膜で電気信号となった情報が神経繊維となった眼球の外に出て行く出口である。視神経乳頭の浮腫のことを一般的に乳頭浮腫と呼ぶが、より高度な浮腫になるとうっ血乳頭と呼ばれる。 うっ血乳頭の機…

網膜色素変性症で夜盲になる理由

網膜色素変性症で夜盲になる理由 網膜色素変性症とは桿体細胞が変性し、夜盲と視野異常をきたす疾患である。本疾患は遺伝病であり、幼児期から青年期に夜盲として発症し、末期になると失明する。有病率は10万人あたり20人ほど。 桿体細胞は網膜の周辺部…

硬性白斑と軟性白斑の違い

硬性白斑と軟性白斑の違い 硬性白斑(星状斑)とは網膜浮腫による血管透過性の亢進や出血により漏れたフィブリンや脂質成分などが視神経の髄鞘成分に沈着した境界鮮明な眼底所見。髄鞘も構成成分は脂質なので脂質同士くっつきやすい。 一方、軟性白斑(綿花…

網膜中心動脈閉塞症でcherry red spotとなる理由

網膜中心動脈閉塞症でcherry red spotとなる理由 網膜中心動脈閉塞症とは網膜の動脈が動脈硬化による遊離塞栓や心原性の血栓などにより閉塞し、急激な視力低下をきたす疾患である。 眼底所見としては閉塞した動脈の末梢領域に血液が供給されないために蒼白化…

網膜静脈閉塞症で火炎状出血をきたす理由

網膜静脈閉塞症で火炎状出血をきたす理由 網膜静脈閉塞症とは高血圧や動脈硬化、血管炎が原因となり、網膜静脈が閉塞する疾患である。閉塞より末梢側で破綻性出血、軟性白斑などをきたす疾患である。 網膜中心静脈が閉塞する網膜中心静脈閉塞症(CRVO)…

豚脂様角膜裏面沈着物とは何か

豚脂様角膜裏面沈着物とは何か 豚脂様角膜裏面沈着物とはぶどう膜炎に認められる。(別名:豚脂様プレシピテート) http://www.geocities.jp/study_nasubi/o/o6.htmlより引用 *ぶどう膜炎の原因疾患として代表的なものとしては 虹彩毛様体炎(前部ぶどう膜…

兎眼とその原因

兎眼とその原因 兎目とは眼瞼が閉じなくなることにより、角膜が常時露出している状態のことをいう。 原因としては・・・ ・顔面神経麻痺:顔面神経は眼輪筋を支配しており、麻痺すると眼を十分に閉じられなくなる。・眼瞼の欠損などの形態異常・甲状腺機能亢…

前房蓄膿の原因疾患

前房蓄膿の原因疾患 前房蓄膿とは前房底部に膿汁がたまる状態である。 (前房とは以下のイラストのように角膜と水晶体に挟まれた空間のことを指す) 前房蓄膿の原因としては1、ベーチェット病(重要な原因疾患なので少し説明しておくと・・・)遺伝的要因と…

弱視の原因とその機序

弱視の原因とその機序 小さい頃に目を使わなかったために大脳視覚野の発達障害になる状態をいう。視力は生まれてから外界のものを見ることにより発達していくが、とりわけ生後6週間〜1歳半頃までに特に発達が進むといわれている。 原因には以下のものが代…

暗点の種類とその原因

暗点の種類とその原因 暗点とは視野の中に見えない部分(暗い点)があることをいう。暗点には様々な形があるが、その形状によって原因疾患は異なる。 ・中心暗点:視野の中心部に生じる暗点黄斑部に生じるものとしては加齢性黄斑変性症や糖尿病(出血や虚血…

羞明の原因とその機序

羞明の原因とその機序 羞明とは光を過度にまぶしく感じてしまう状態である。光の通り道の前半部分に異常物体があり、それにより光が散乱しまぶしく感じると説明される。 原因としては大きく分けて 角膜炎白内障虹彩毛様体炎 などが知られている。 角膜炎:角…

vogh-小柳-原田病で髄液中の細胞増多となる理由

vogh-小柳-原田病で髄液中の細胞増多となる理由 vogh-小柳-原田病とは全身のメラノサイトに対する自己抗体が産生され、ぶどう膜炎を引き起こす疾患である。視力障害はほぼ両目同時に進行し、症状に応じて前駆期、眼病期、回復期と経過をたどる。 回復期には…