白内障:嚢外摘出術と嚢内摘出術の違い
白内障:嚢外摘出術と嚢内摘出術の違い
白内障とは元々透明であるはずの水晶体が加齢や糖尿病などによって濁ることにより視力低下をきたす疾患である。白内障だけでは失明することはないが、日常生活に支障をきたすようになれば手術の適応となる。
一般的な治療法として、混濁した水晶体を除去する水晶体超音波乳化吸引術、眼内レンズ挿入がある。
しかし、白内障が進行している場合は水晶体を嚢ごと摘出する水晶体嚢内摘出術や水晶体を嚢を残して摘出する水晶体嚢外摘出術がある。
上記イラストはtsudaganka.sakura.ne.jpより引用
違いを比較すると
・嚢外摘出術では
摘出する部位は:前嚢、皮質、核(後嚢は残す)
合併症は後発白内障(残された後嚢の白内障になる
適応は超音波吸引術が出来ない場合(核が硬いなど)
・嚢内摘出術では
摘出する場所:すべて(前嚢、皮質、核、後嚢)
→よって眼内レンズを入れる場所が無く、前房にいれることになるので角膜内皮が濁りやすく、水疱性角膜症の原因となる。また、後ろの硝子体が引っ張られて剥離もきたしうる。
合併症は虹彩毛様体炎
適応:チン小体が脆弱な場合