視覚誘発電位と網膜電図の違い
視覚誘発電位と網膜電図の違い(似てる検査の整理)
視覚誘発電位とは…
視覚刺激に対する大脳の反応により視機能を判定する方法。視神経から視覚野に至る過程で障害があると、眼球に問題がなくても視力が低下する。視覚中枢のある後頭葉に電極を載せて、脳波の波形から視機能を判断する。
例えば白内障で視力低下を訴えている患者は白内障を治療しても視神経にも障害があったら視力は回復しないので白内障手術をする意味は無い。よって白内障の術前検査として視覚誘発電位は用いることが出来る。その他にも他覚的な評価ができるので乳幼児の視機能を調べるのにも威力を発揮する。
参考画像*1
網膜電図とは
網膜に光刺激を加えた時と遮断した時に眼球の静止電位が変化することを利用した網膜の検査法。電極を角膜と額に装着して光照射し、得られた電位を増幅する。網膜電図は網膜全体を同時に見る検査であるので、異常が見られた場合は網膜がかなり広範囲にやられている。逆に言えば、局所的な異常だと網膜電図では見落とす可能性がある。網膜電図は光路の混濁の影響を受けないので角膜移植前や白内障手術や硝子体手術前の網膜機能の評価に有用である。
参考画像*2
まとめ
視覚誘発電位:
・視神経、視覚野の障害の検査
・乳児の視機能評価にも有用
・後頭部に電極を貼る
網膜電図:
・網膜の機能を評価
・小さな障害は見落とされる。
・前頭部に電極を貼る
*1:VEP - Visual Evoked PotentialNeurologicLabs