暗点の種類とその原因
暗点の種類とその原因
暗点とは視野の中に見えない部分(暗い点)があることをいう。暗点には様々な形があるが、その形状によって原因疾患は異なる。
・中心暗点:視野の中心部に生じる暗点
黄斑部に生じるものとしては加齢性黄斑変性症や糖尿病(出血や虚血が黄斑部に出現)そして球後神経炎によって乳頭黄斑繊維束がダメージを受けても中心暗点となる。
・輪状暗点:ドーナツ状に暗点ができるもの。
中心視野と周辺視野は確保されているが、中間部分が見えなくなった状態。網膜色素変性症の初期では中間部分の視神経細胞が障害を受けやすいのでこのような暗点となる。
・Mariotte盲点の拡大
Mariotte盲点とは注視点の耳側15度のところに位置する生理的な盲点であり(つまり誰にでも存在する)、神経繊維の束のある神経乳頭部に該当している。このMariotte盲点が拡大してしまうのがうっ血乳頭である。乳頭が大きくなった分だけ盲点も大きくなる。
また、緑内障によって房水の圧力が上昇してそれにより視神経繊維が死んでいくと神経繊維の走行に沿って暗点が形成される。暗点がマリオット盲点の上下に拡大することをseidel暗点、マリオット盲点の鼻側に盲点が拡大することをBjerrum暗点という。