ACSおよびNSTEMI患者のDAPTに関して
2020年度のガイドラインメモ書き
【ACSの場合】
・バイアスピリン+エフィエント(orクロピドグレル)を3−12ヶ月間(クラスⅠ)
・DES留置後出血リスクが高い患者はDAPTは1−3ヶ月に短期化する(クラスⅠ)
・禁忌がなければ無期限にバイアスピリンを継続(クラスⅠ)
・左室・左房血栓を有するMI患者、重症心不全患者、左室瘤を合併する患者、人工弁置換術後であればワーファリンを併用(クラスⅠ)
・血栓リスクと出血リスクがともに高い患者はDAPTを短期間で終了し、P2Y12受容体拮抗薬単剤(クロピドグレルorエフィエント)の投与の継続を考慮する(クラスⅡa)
⭐エフィエントはクロピドグレルに比べて有意な血栓イベント抑制効果を有するが、致死性の出血が多い。
⭐DES留置後のSTEMI患者はDAPT継続期間6ヶ月群は12ヶ月群に比べて心血管イベントの発生予防に関して非劣勢が証明されたが、二次エンドポイントのMIの発生率は有意に高くなった。
【NSTEMIの場合】
NSTE-ACSの場合は全例がPCIとなるわけではなく、CABG、PCIおよび保存的治療かは造影してみないとわからないことが多い。NSTEMIもSTEMIと同様にHBRか否かを評価し、血栓リスクと出血リスクのバランスを考慮しながら適切な抗血栓療法を選択する。