ミノサイクリンはいつ使うか
・ミノサイクリン(テトラサイクリン系)の特徴はスペクトラムの圧倒的な広さ。カルバペネムを超える。
・グラム陽性菌、グラム陰性菌に加えて嫌気性菌、マイコプラズマ、レジオネラそしてクラミジア、リケッチア更に原虫にも効果がある。
・腎機能や肝機能気にせず使える
・ミノサイクリンは組織移行性がとても良い(胆汁、前立腺、腸管内、肺)。が、静菌的な抗菌薬でもあり、血管内感染症には用いにくい。骨や髄液への移行性はよくない。
・が、歯の染色作用など副作用の多さが普及を妨げている(妊婦、小児)
Q、いつ使うのか
肺炎、尿路感染症、骨盤炎症疾患(PID)など幅広く使えるが、現実的には他の選択肢があるため第一選択薬とはならない。
実際に使用を検討するのはβラクタム系抗菌薬が無効なリケッチア症、クラミジア感染症、マイコプラズマ感染症など(が、マイコプラズマにもクラリスロマイシンなど他の選択肢がある)。例えば患者が何らかの形で自然界と濃厚接触しており人畜共通感染症を疑うべき状況で、βラクタムが無効な場合にはクリティカルに救命できる場合がある。