アナフィラキシー患者を帰宅させて良いのか
アナフィラキシー患者を帰宅させて良いのか
例えば
・蜂に刺された後に息苦しい
・造影剤投与後に全身に皮疹
などのような患者が来たらアナフィラキシーを疑うのは難しくない。
対応としてはアドレナリンを大腿外側広筋に筋注してしばらく経過観察すれば良い。が、症状が軽快したからと行ってそのまま帰してしまってよいのだろうか。
■帰宅か入院か
アナフィラキシーを起こした患者は二峰性反応により6−8時間後に再びアナフィラキシーを起こすことがある。最初のアナフィラキシー発作直後に救急外来を受診していた場合であると、家に帰って数時間立ってから発作に見舞われる危険性がある。
(特に重症アナフィラキシーの場合では24時間以上経ってから二峰性反応が起こるとの報告もある)
出来ることならアナフィラキシー患者を全員入院させたほうが安心安全であるがそれはあまり現実的ではない。
とある文献によるとアナフィラキシーの二峰性反応の危険因子として以下のものが挙げられており、これらの場合では入院させた方が良いだろう。
・初回発作で血圧低下を認めた場合
・喉頭浮腫を認めた場合(呼吸困難感)
・二峰性反応の既往のある患者
・抗原暴露から症状出現まで短時間であった場合
そして帰宅の前提条件として次の事も重要である。
・バイタルが安定している
・軽快している(症状の訴えがない)
・原因抗原がわかっている
・独居でない(経過を観察できる人がいる)
・患者が理解している