蕁麻疹患者への対応@救急外来
蕁麻疹患者への対応
●蕁麻疹とは
蕁麻疹は何らかの原因で境界明瞭でわずかに隆起した膨疹とその周囲を囲む環状の紅斑から構成される。症状は一過性で24時間以内に色素沈着を残さずに消退する。圧迫により褪色し、圧痛がないのもポイント。多くの場合かゆみを伴う。病態としては肥満細胞から放出されるヒスタミンによる血管拡張である。
(蕁麻疹の2例)
画像引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%95%81%E9%BA%BB%E7%96%B9、
●症状
皮疹と掻痒に加えて顔面や口唇、手などに非圧痕性の浮腫が生じることがある(血管性浮腫)。また、より重症例では喉頭浮腫による呼吸困難、腹痛、嘔吐、喘鳴などとアナフィラキシー症状に至ることもある。
●問診
・現病歴
蕁麻疹の原因物質について丹念に問診する。発疹が出現する12時間以内に食べた食品、薬物、刺傷などを聞く。またラテックスなどの抗原が接触することにより起こる接触蕁麻疹でもアナフィラキシーなど全身症状が出現することがある。
・既往例
アレルギーや喘息などアトピー性疾患の既往の有無
●治療例
抗ヒスタミン薬
・アレグラ®60mg1回1錠、1日2回内服or
・アレロック®5mg1回1錠、1日2回内服or
・アタラックス®(ヒドロキシジン)25mg 1A皮下注または筋注(痒みが非常に強い場合の選択肢)
*もしアナフィラキシー症状があれば「蕁麻疹症状も呈しているアナフィラキシー」ということになるのでアナフィラキシーに準じた治療を行う。必ず血圧を測定する。
<参考>アナフィラキシー患者への対応 - とある研修医の雑記帳
●患者説明
・抗ヒスタミン薬は眠くなるので運転は禁止(カルテにも記載)
・蕁麻疹の原因はわからないことも多いので原因検索のためにも皮膚科でフォローしてもらう
・氷などで物理的に冷やすと痒みは収まりやすい
・逆に長時間の入浴や飲酒は痒みが強まるので控える
また追記更新します。