つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

尿量低下の原因と対応

尿量低下の原因と対応

 

・尿量低下の基準

教科書的には正常尿量は1日1000〜1500mlであり、乏尿は400ml/day以下、無尿は100ml/day以下と定義される。

ICU管理下などではより細かく0.5ml/kg/時間以下の尿量を乏尿とされる。体重50kgの人では1時間25ml以下ということになる。理想的には1ml/kg/時間は欲しい。

 

・尿量低下の原因

当然ながら尿は腎臓で作られる。故に腎臓を基準に尿量低下の原因を考える。

腎前性:脱水、心拍出力低下、腎動脈狭窄

腎性:ショック、SIRS、腎毒性薬剤・中毒、造影剤、横紋筋融解症、間質性腎炎

腎後性:尿道カテーテルの閉塞、外傷による尿路損傷、前立腺肥大など

 

↓過去記事も参照

 

・まずは腎後性から鑑別。

尿管の閉塞、尿道・膀胱頸部の閉塞で起こる

Ex.結石、癌浸潤、前立腺肥大、膀胱がん、後腹膜線維症など

→エコーで水腎症などないか

 

・続いて腎性と腎前性の鑑別

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◯対応策:

腎後性であれば閉塞を解除。腎前性であれば利尿薬により尿量を確保する。

・ラシックス®(フロセミド)

20mg静注から使用。反応なければ徐々に増やしていく。

腎不全による無尿患者には使わない。

急性左心不全患者ではフロセミドにより静脈還流量が更に減少して心不全増悪のリスクが有るため慎重投与。

 

・ハンプ®(ANP)

容量増大時に右心房で分布つされる心房ナトリウム利尿ペプチド(ANP)

ナトリウム利尿作用、血管拡張作用、レニン・アンジオテンシン系の抑制効果有り

前負荷を抑制するので心不全治療薬でもある。

適応は肺うっ血・前負荷増大している症例である。血圧が安定していない患者には用いない。0.025γほどの非常にゆっくりと始める。最大0.2γ。

 

また追記します。