低カリウム血症のマネジメント
低カリウム血症のマネジメント
★低カリウム血症の鑑別
・まず、腎臓からカリウムが排泄亢進してるのかどうか評価する
尿中K/尿中Cr比率≦22mEq/g Cr、TTKG<3〜5であれば腎排泄抑制
→腎からのK排泄抑制なのに低K血症ということはKの摂取不足、細胞内シフト、腎外排泄増加などを考える。
尿中K/尿中Cr比率>22mEq/g Cr、TTKG>3〜5であれば 腎排泄亢進
・腎からのK排泄が多く、血圧や細胞外液量が増えている場合はレニン・アルドステロンを評価する。
レニン↑、アルドステロン↑:腎血管狭窄症、レニン分泌性腫瘍
レニン↓、アルドステロン↑:副腎腺腫、原発性アルドステロン症、両側性副腎過形成
レニン↓、アルドステロン↓:クッシング病、偽性アルドステロン症、liddle症候群、ミネラルコルチコイド過剰など
・腎からのK排泄が多いが、血圧や細胞外液量は正常〜低下の場合はHCO3-を評価する。
HCO3-が低下している:近位尿細管性アシドーシス、遠位尿細管性アシドーシス
HCO3-が上昇している:尿中Clを評価。CL<20以下:嘔吐、非再吸収性アニオンの存在、CL>20以上:ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、低Mg血症、barter症候群やgitelman症候群の存在
◯酸塩基平衡による低カリウム血症の鑑別
代謝性アシドーシス:下痢、尿細管アシドーシス
正常:急性尿細管壊死、Mg欠乏症、閉塞後利尿
代謝性アルカローシス:尿中Cl<10であれば嘔吐、高血圧があればアルドステロン作用過剰、その他barterやgitelmanなど鑑別に
上記のほか、
・食事による摂取不足
・薬剤性:ループ利尿薬、β2刺激薬、インスリン、バリウム中毒、クロロキン、ステロイド、グリチルリチン
なども問診で聴取する。
また追記します。