高カリウム血症の原因
主に救急外来での話。
・採血の前に
採血をしてしまえば高カリウム血症は拾い上げることができるが、それ以前にどういう患者で高カリウム血症を疑わねばならないか
・腎不全など腎機能低下が考えられる患者
・頻呼吸を認める患者
・意識レベル低下患者
・ショック+徐脈患者
・心電図異常
・高カリウム血症の原因
大雑把に言えば高カリウム血症の原因は1,カリウム過剰摂取 2,腎臓からのカリウム排泄障害 3,細胞内からのカリウムシフトの3つ。そして忘れてはいけないのは採血時の溶血によって細胞が破壊されることによる偽性高カリウム血症。
●偽性高カリウム血症
・採血時の機械的溶血、長時間の検体放置
●カリウム摂取量増加(食事、輸液過剰)
・腎不全患者がカリウム含有量が高いものを摂取。健常人でも大量のカリウムを摂ると一時的に高カリウム血症をきたすことがある。特に塩分制限をしている場合は代替食としてカリウム含有量が多いので注意。
・大量の保存血輸血時
●カリウムの移動
・細胞内から細胞外への移動(横紋筋融解症、外傷、溶血性疾患、腫瘍崩壊症候群)
・インスリン欠乏:インスリンはカリウムをブドウ糖と共に細胞内に取り込ませる作用があるのでインスリン欠乏では高カリウムになる。アシドーシス)
・ベータ遮断薬:β2刺激はNa/K ATPaseに作用してカリウムの細胞内取り込みを促進する。よってβ遮断薬使用時にはカリウム血症となりうる。
●腎障害によるK排泄障害
・高度腎不全(急性腎不全、慢性腎不全の増悪)
・低アルドステロン症(鉱質コルチコイドの作用低下
・皮質集合管の機能障害
また追記・更新します。