つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

複視の見方

 

 

 ◯眼球運動の診察について

眼球運動の検査は患者の眼前50cmほどの距離に検者の人差し指を出して、かおを動かさないで見つめてもらう。検者は指を前後左右にゆっくりと動かして、患者の両目が指を終えているか観察する。また、二重に見えないか(複視がないか)尋ねる。

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画像引用:https://nurseful.jp/nursefulshikkanbetsu/cranialnerve/section_2_01/

 

◯両眼性複視と単眼性複視の違い

複視とは見ているものがだぶって二重に見えることを言う。

片目を覆っても複視が出現すれば、単眼性複視でありコンタクトレンズなどの眼球外の原因か、眼球内の原因ということになり、眼科的なアプローチが必要になる。

片目を覆って複視が消失すれば、その複視は両眼動きの運動調節が出来ていないために起こると考えられ、いわゆる両眼性複視であり神経内科的なアプローチが必要である。

 

両眼性複視の原因としては脳神経障害や、重症筋無力症や甲状腺眼筋障害などの眼筋疾患、核間性外眼筋麻痺、斜偏位など脳神経核より中枢側の疾患などがある。

 

◯6つの外眼筋と支配神経について(眼球運動についておさらい)

複視を認める場合は、どの方向の眼球運動時に複視が出現するのかをよく観察する。

【動眼神経支配】

・上直筋、内直筋、下直筋、下斜筋

【滑車神経支配】(ゴロ:滑車に乗車と覚える)

・上斜筋

【外転神経支配】

・外直筋

 

 

正面視における上方視は上直筋と下斜筋の2つが働いており、また下方視では下直筋と上斜筋の2つの外眼筋が働いている。どちらの外眼筋が障害されているかを調べるには単独筋の運動に分解させなければならない。つまり、正面視ではなく、左右どちらかの側方視をさせた状態で上方視、下方視をしてもらう

内転時には上方は下斜筋、下方は上斜筋が働く。

外転時には上方は上直筋、下方は下直筋が働く。

 

おまけ)

6つの外眼筋のイメージ図

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イラスト参照:https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1719

 

◯複視の原因

 

脳神経障害:動眼神経、滑車神経、外転神経

脳血管障害(脳梗塞、脳出血)

腫瘍性疾患:脳幹、下垂体、眼窩内

脱髄疾患:多発性硬化症など

脳動脈瘤

海綿静脈洞疾患

虚血性:糖尿病性

炎症性疾患:サルコイドーシス、SLE、血管炎など

感染性:髄膜炎(結核など)

外傷性:頭蓋底骨折、外傷による神経損傷

核間性眼球運動障害

脳血管障害

脱髄性疾患など 

その他の疾患

重症筋無力症、甲状腺眼症、ウェルニッケ脳症、トロザ・ハント症候群、ランバートイートン症候群、進行性外眼筋麻痺など 

(参考:外来で神経を診る)

 

 

◯複視の鑑別

【問診で聞く事】

発症の仕方:突然発症であれば脳梗塞や脳出血など脳血管障害による複視が原因と考えられるが、慢性に進行していれば重症筋無力症のような疾患が考えられる。

症状の経過:複視はどんどん酷くなっているのか、ましになっているのか、それともあまり変わらないのか。一般的に脳幹梗塞によるMLF症候群では徐々に改善を認め、腫瘍や炎症性病変などでは複視は増悪傾向にある。糖尿病神経障害による複視ではあまり変化がないことが多い。

随伴する症状

眼瞼下垂→動眼神経麻痺、重症筋無力症、ホルネル症候群

瞳孔不同→動眼神経麻痺(散瞳する)

結膜充血→内頚動脈硬膜動静脈洞痩

眼球突出→甲状腺眼症、眼窩内腫瘍

眼痛→トロサハント症候群、巨細胞性血管炎、糖尿病性、腫瘍

視力低下→多発性硬化症、ぶどう膜炎など

その他の神経学的所見→脳血管障害、脱髄疾患など

外傷歴:顔面外傷の既往があれば眼窩吹き抜け骨折

 

【診察】

眼球の位置:正面視で眼球の位置がずれていないか。生まれつき斜視があればもともとずれていても複視は出現しないことが多い。

結膜充血の有無:頸動脈海綿静脈洞瘻や眼窩内の炎症疾患で観察される。

眼瞼下垂の有無:動眼神経麻痺や重症筋無力症、ホルネル症候群が鑑別に

眼球突出:バセドウ病など甲状腺疾患の既往確認。頻脈などもないか

瞳孔:散瞳があれば副交感神経の障害(→動眼神経麻痺)。縮瞳があれば交感神経の障害(→ホルネル症候群など)を考える。

視力低下:多発性硬化症、サルコイドーシス、ベーチェット病のぶどう膜炎など

 

また追記します。