試験紙法とスルホサリチル酸法の違い
尿蛋白の検査として一般的には試験紙法が用いられているが、これはアルブミン蛋白に対する反応性をみている。特徴としては、あえて感度を鈍感にすることによって生理的な蛋白尿を検出しないようにしている。つまり、健常人でも5mg/dlほどのタンパクは尿中に出てしまうのであるが、それをいちいち全て異常と判断していたら検査として成り立たない。試験紙法では異常のカットオフ値が30mg/dlほどになっているので臨床検査として良い具合に異常を判断できる。ちなみにスルホサリチル酸方法は感度が20mg/dlほどで試験紙法よりも鋭敏である。
それぞれのデメリットについてまとめると
【スルホサリチル酸法の問題点】
健常者でも偽陽性になりうる(感度が高い検査法なので)
混濁している尿の検査はできない(濁の有無で尿蛋白の判定を行うので)
造影剤で偽陽性
アルカリ尿で偽陰性
【試験紙法の問題点】
Bence Jonesタンパク(BJP)で偽陰性:多発性骨髄腫
アルカリ尿で偽陽性