エコーでの水腎症の所見と重症度分類
超音波検査における水腎症の見え方
水腎症とは尿の通過障害や過度の膀胱充満によって腎盂や腎杯が拡張した状態。
原因としては尿管結石や尿管腫瘍などによる閉塞、また先天性に腎盂尿管移行部が閉塞している場合、そして神経因性膀胱などによって尿路の通過障害が起こることによる。
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症状は間欠的な腰背部痛、血尿、そして腹部腫瘤などが典型的。診断には超音波エコーが非侵襲的で簡便であるので最も有用である。
水腎症はその重症度によりgrade0-3の三段階にわけられる。
(エレンボーゲンの分類)
grade0:CEC(central echo complex)内に腎盂は埋没されて確認できない。
grade1:CEC内に軽度に拡張した腎盂を認める
grade2:CEC内に中等度に拡張した腎盂を認める
grade3:高度に拡張した腎盂により腎全体が嚢胞状に腫大してくる。
ガイドライン参照:http://www2.khsc.or.jp/materials_collection/08/08_01.pdf
CECとはcentral echo complex(=中心部高エコー領域)のこと
正常の腎臓エコー
http://www.stritch.luc.edu/lumen/MedEd/Radio/curriculum/Ultrasound/Renal_US_2013.htm
水腎症画像その1:腎盂が拡大している。
水腎症画像その2:腎盂拡大と共に尿管も拡張している。(点線矢印)