つねぴーblog@内科専門医

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慢性腎不全でインスリン必要量が減る理由

慢性腎不全でインスリン必要量が減る機序

 

糖尿病患者ではインスリンがうまく分泌されない・働かないために治療としてインスリン注射が必要である。糖尿病が悪化すればするほどインスリン必要量も増えそうであるが、合併症として腎不全が進行するとインスリン必要量はむしろ低下する。これはどのような機序なのだろうか。

 

通常、インスリンは膵島β細胞で合成され、門脈血中に分泌されるホルモンである。分泌されたインスリンは筋肉や肝臓で働いて糖を貯蓄する(つまり血糖値を下げる)働きをする。しかし、注射などで体外から直接末梢血管に補充されたインスリンは肝臓で消費されることがなく、また腎臓機能低下により腎臓からも排泄されないために血中濃度が高くなりやすいのである。よってインスリン注射の回数、必要量は低下する。