尿毒症による意識障害はいつから現れるか?
意識障害の鑑別で有名なAIUEOTIPSのうちのU=Uremia(尿毒症)は具体的にどのような状況下で疑うべきなのだろうか。
一般的には慢性腎不全が進行して尿毒症という状態になると、倦怠感、吐き気、食欲低下、頭痛、呼吸困難、出血症状など様々症状が出現しうる。
腎臓の働きが10%以下(eGFR<10)では尿毒症による意識障害が出現しうるとされている。
腎機能低下とそれによる尿毒症の出現はeGFRである程度推定される。
・eGFR50以下になるとうまく濾過できなくなるために血中BUNとCreが上昇し始める。
・eGFR20以下になるとイオンを排泄できなくなり、高カリウム血漿、アシドーシスになる。
・eGFR10以下では尿毒症となり活力低下、昏睡状態となる。
よって、意識障害の原因を尿毒症と言うにはeGFRが10程度まで低下していないと説得力にかける。実際には尿毒症物質が血液中に貯まるだけでなく、腎不全によるアシドーシス、低ナトリウム、高ナトリウム血症、高マグネシウム血症などが関与するとされている。治療は透析。