つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

検診で蛋白尿1+の患者は医療機関を受診させるべきか

・蛋白尿1+以上の検診患者は蛋白尿ーの受検者と比べると末期腎不全への進展リスク、心血管死や総死亡などのリスクが明らかに高いことが示されている。

・例えば eGFR 正常群において

心血管死のハザード比は尿蛋白(-)に比べて(±)で 1.47,(1+)で 1.88,(2+)以上で 2.44 である。(eGFR 90~104 群)

ESKD(末期腎不全)のハザード比は尿蛋白(-)に比べて(±/1+)で 2.5,(2+)以上で 38(eGFR 60~74 群)2 と用量依存性に高くなることが知られている。

 

よって、尿蛋白 1+以上の患者を医療機関に受診させることにより腎疾患、生活習慣病、CVD の早期発見、早期介入が行われ発症予防や長期予後の改善につながる可能性がある。

 

逆に尿蛋白1+の患者が受診したら

・問診で生活習慣の聴取、指導。また労作性狭心症などの症状の有無の確認。

・心電図などで虚血性心疾患のスクリーニング

・採血でDMや脂質異常症などのスクリーニング

・問診で労作性狭心症などの症状の聴取

 

参考)

CKDガイドライン2018

Chronic Kidney Disease Prognosis Consortium, et al. Lancet 2010;375(9731):2073‒81.

Tonelli M, et al. Kidney Int 2011;80:1306‒14.