歯車様固縮と鉛管様固縮の違い
歯車様筋強剛と鉛管様筋強剛の違い(固縮=筋強剛)
筋強剛とは筋肉の伸張反射が持続的に起きている状態であり、患者の身体を受動的に動かそうとする際に、最初から最後までずっと持続的に抵抗を感じる状態を言う。
抵抗がカクカクと歯車のように感じられる場合を歯車様固縮(歯車現象:cogwheel phenomenon)と言う。一様に抵抗を感じる場合を鉛管様固縮(lead-pipe rigidity)という。
固縮は錐体外路障害の徴候であり、パーキンソン病の他、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症などが原因となる。歯車様固縮と鉛管様固縮、この2つの区別は臨床的にどのような意義があるのか。パーキンソン病では固縮に振戦の病態が重なるため、カクカクとした抵抗になる(=歯車様固縮)。一方で一定の抵抗を感じる鉛管様固縮は様々な病態で見られる非特異的な固縮である。
尚、臨床上のポイントとして固縮を増強させる方法が大事(所謂、手首固化徴候)。例えば右手の固縮を見たいのであれば反対側の左手で何か随意運動をしてもらう(グーパーグーパー繰り返してもらったり、指を数えてもらったり)。すると検査している側の手の固縮が増強され、潜在的な固縮も検出することが出来る。固縮の症状があまり進行していないパーキンソン病などでもよく検出できる。
【歯車様固縮の一例】
【鉛管様固縮の一例】
簡単にまとめ
固縮は錐体外路障害の徴候。カクカクとした歯車様ならパーキンソン病っぽい。鉛管様ならなんとも言えない。