人形の目現象(眼球頭反射)とは何か+動画
眼球頭反射とは何か(人形の眼試験=人形の目現象)
人形の目試験とは頭位の回旋によって眼位の変化(頭位変換眼球反射)を観察する試験法。頭を支えた状態で急速に右、もしくは左に回旋させた時に眼球が頭に対して反対方向を向く現象である。頭を回転させても眼球の自動反射運動が起こり、視線が元の一点を凝視し続ける。人形の目試験によって前庭動眼反射が消失が認められれば脳幹の機能障害が示唆されるが、逆に頭を左右に回旋させても目だけは前を凝視して前庭動眼反射が認められれば、脳幹病変ではなく大脳病変が疑われる。
ただ、前庭動眼反射消失=脳幹の機能障害というわけではない。ベンゾジアゼピン系、バルビツール系の薬剤による意識障害でも前庭動眼反射の消失が認められることがある。しかし、逆に前庭動眼反射が正常であれば脳幹の器質的な障害はないと考えられる。
下のイラストのように顔を回旋させても目は同じ場所を凝視していれば正常(眼球頭反射陽性)。この生理学的な反射は歩いたりして顔が動いてしまってもぶれずに同じ点を見続けられるというメリットがある。
人形の目試験イラスト*1
youtubeより動画を紹介。人形の目現象陽性=正常。
尚、人形の目試験は脳死判定にも用いられる。脳幹判定検査には人形の眼試験(眼球頭反射)の他に対光反射,角膜反射,毛様脊髄反射,咳反射,前庭反射,咽頭反射などの全ての反射が消失していることが条件となる。