test of skew deviationとは何か
test of skew deviation(斜偏倚)とは脳梗塞診断に用いられる身体所見の1つ。
skew deviationとは眼球(正確に言うと視軸)が垂直方向にずれて、片目がもう片方の目より上に偏位していることをいう。下方偏倚した側の脳幹障害を示唆する。
(手順)
・患者に前方を見てもらう。
・両眼前50cmの位置で正面から患者の両目に向けてペンライトを照らす。
・正常では眼球が正常位にあり、ペンライト照射すると瞳孔の中に光が反射する。しかし梗塞などによって脳幹障害があれば両目の視軸が垂直方向にずれるため、ペンライトの光の反射が瞳孔の中心からずれることになる。
・例えば左脳幹に梗塞が起きると、右目が上に、左目が下にずれる。この状況で右目を手などで隠すと左目はゆっくり上転し、逆に左目を隠すと右目はゆっくり下転じる(→test of skew deviation陽性)
メタ解析では突然発症の持続性めまいに対してtest of skew deviationの検査は脳梗塞に対して感度30%、特異度98%とのこと。(参照https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21576300)
わかりやすいskew of deviationの動画その1
わかりやすいtest of skew deviationの動画その2
◯身体所見はMRIに勝る
・head impulse test
・direction-changing nystagmus
・test of skew deviation
の所見3つを合わせてHINTS(head impulse test -nystagmus-test of skew deviation)といい、脳梗塞に対して1つでも陽性なら感度100%、特異度96%であり、MRIよりも感度が高くなる。