SPPとABIの違い
SPP(skin perfusion pressure)は皮膚表面から1-2mm程度の深さにある毛細血管の血流がどのぐらいの圧で流れているのかを調べる検査。
SPPの基準値は臥位で80-90mmHg程度。50mmHg以下で末梢動脈疾患疑い。ABIは上腕と足首の血圧の比率を観るのに対して、SPPはカフを巻ける場所であれば任意の部位の検査が可能であり、また石灰化の影響を受けない点でABIと異なる。
→ABIは末梢閉塞性疾患のスクリーニング、SPPはCLIの診断に使われる。
下肢動脈造影(AoG)や下肢造影CTなどで下肢動脈の狭窄がありそうに見えてもSPPが正常値であった場合は、その測定した該当部位の血流は保たれているということになる(つまりEVTの適応に関しては慎重になる必要がある)。例えば足趾の黒色壊死があり、下肢造影で血管の狭窄があってもSPPが正常であれば糖尿病性壊疽など他の壊死の原因を考える必要がある)。
施設にもよるが、ルーチンのSPP測定は足背(第1、第2の中足骨の間)と足底(中足骨裏)で測られる。↓の写真のように前脛骨動脈、腓骨動脈、後脛骨動脈での支配領域が異なるため、SPPの測定部位は虚血を見たい場所によって適宜調節する。
SPP検査の一例