つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

僧帽弁閉鎖不全症に対するMitraClipの適応について

MiltraClipはMRの外科手術が困難な患者に対するカテーテル治療として開発された。

2018年から一次性および二次性MRの両方に対して保険適応になった。

 

⭕一次性MRに関して

一次性有症候性重症MR患者が対象で行われたランダム化比較化試験では生存率に差はないが、再発・残存による1年以内のMR外科手術施行率はmitraclip群が20%、手術群が2%。よって手術が第一選択となるわけだが、手術の高リスク患者ではMitraClipが適応となりうる。(EVERESTⅡ試験)

 

⭕二次性MRに関して

MitraClip治療は心不全に併発する二次性MRに対する期待が大きい。欧州では7割が二次性MRへの治療として行われている。

EVERESTⅡ試験では:MitraClip郡の生存率は薬物治療群よりも良好で、年間心不全再発率も優位に低値であった。

COAPT試験では:心不全発症抑制+死亡率低下効果あり

MITRA-FR試験では:心不全抑制および予後改善効果なし

→相反する結果に。現状ではガイドラインに準じた十分な薬物治療ないしはCRTなどの既存の治療を行っても心不全症状が残存する重症MRに対して考慮される。

 

参考:2020 年改訂版 弁膜症治療のガイドライン

 

(↓MitraClip留置のイラスト。A:デバイスを右房に持っていている。B:心房中隔を通過して僧帽弁口方向に向けている。C:MitraClipを僧帽弁尖に固定する。)

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