つねぴーblog@内科専門医

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大動脈解離stanford A型で脳虚血のある場合に外科手術の適応はあるか?

大動脈解離stanfordA型で脳虚血による意識障害が生じている場合に外科的治療の適応があるかどうかは様々な議論がなされている。

 

とある報告によると、脳虚血症状の出現から早急に大動脈解離の手術をした場合、意識障害の改善と神経学的予後の十分な改善が認められるとされている。

181人のA型解離患者のうち、GCS11点以下の意識障害患者が27人。

・21人の患者が発症5時間以内に手術室入室。

・6人の患者は発症5時間以降に手術室入室

 

意識障害が完全に改善したのは5時間以内に入室したグループの86%であり。5時間以上経過してから遅く入室したグループでは意識障害が改善したのは17%のみであった。

早期入室グループではNIHSSは当初31.4から術後には6.4まで改善しており、3年の累積生存率は71.8%、社会復帰率は52%であった。

*ちなみに脳保護として低体温療法および選択的順行性脳灌流を行われている。

 

結論:発症5時間以内であれば脳虚血による意識障害があっても外科的治療により神経学的予後改善が期待され、積極的な治療も検討される。

 

参考

Neurological outcomes after immediate aortic repair for acute type A aortic dissection complicated by coma