つねぴーblog@内科専攻医

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大動脈解離stanfordA型で内科治療はありか?

 

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一般的に大動脈解離stanfordA型には緊急外科手術が必要でありガイドラインでも強く推奨されている。しかし、それは偽腔開存型の話であり、偽腔閉塞型に関しては必ずしもそうではなく議論がある。韓国のガイドラインでは偽腔閉塞型では高齢者での発症が多く、大動脈弁閉鎖不全症や脳梗塞の合併症も少なく、内科的治療で予後が良好であるとの意見もある。一方でESCガイドラインでは偽腔閉塞型解離であっても緊急手術がクラスⅠで推奨されており、その根拠として偽腔閉塞型解離はmalperfusionが少なく手術成績が良好であるからとされている。日本のガイドラインでは上表の通り内科的治療もⅡaである。

ただし、内科的治療を選択する場合の前提として

・sBP120mmHg以下、心拍数60回/分以下に厳格にコントロールが必要

・内科治療でも30〜40%は解離の進行があり再手術になっている

・大動脈径が50mm以上あるいは血栓化した偽腔径が11mm以上の場合はリスクが高く頻回の画像フォローが必要

・経過中に血栓化した偽腔の増大や上行大動脈の偽腔内に血流が生じる場合(ULP型や偽腔開存型)では準緊急で手術が必要

 

また、もちろん偽腔閉塞型であっても心タンポナーデや大動脈弁閉鎖不全症、心筋虚血合併例では緊急手術が必要である。

 

 

参考:大動脈瘤・大動脈解離ガイドライン2020年度版

https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/07/JCS2020_Ogino.pdf