心房細動における抗不整脈薬の選択
✅心房細動における抗不整脈薬の選択
・抗不整脈薬には陰性変力作用やQT延長作用などがあるので基本的には器質的心疾患(肥大心、心不全、虚血心)を持たない症例に限られる。器質的心疾患がある場合には専門的な慎重な判断が必要。
・発作性心房細動=発症から7日以内に洞調律に復帰するもの
器質的心疾患がない心房細動では持続期間が短いほどNaチャネル阻害薬の効果が高い。
Naチャネル阻害薬は心房筋内の伝導遅延や伝導途絶を介して心房細動中の興奮頻度を減らして停止に導く。単回経口投与に用いる薬はピルシカイニド(サンリズム)100mg、フレカイニド(タンボコール)100mg、シベンゾリン(シベノール)100mgなどの単回投与が一般的。停止率70〰80%程度。
・持続性心房細動=7日以上持続しているが、治療介入で除細動できるもの
心房細動が持続していると心房筋のリモデリングが進行し、心房細動は更に持続しやすくなる。Afが2週間以上持続している場合や左房径が45mm以上の例では除細動率が低くなる。アミオダロンやベプリジルなどのmulti-channel blockerは電気的リモデリングを徐々に改善する(reverse remodeling)作用の可能性が報告されている。心不全もしくは肥大型心筋症に伴う持続性心房細動に対するアミオダロン投与はクラスⅡaで推奨。また、心機能やQT間隔が正常で7日以上持続する心房細動へのベプリジル投与もクラスⅡaで推奨。