一次性MRと二次性MR、心房機能性MRの違い
一次性MRと二次性MRの違い(僧帽弁閉鎖不全症)
○一次性僧帽弁閉鎖不全症
一次性MR=器質性MRとも呼ばれ、僧帽弁自体の異常があることによりMRがある場合、一次性MRと呼ばれる。
・僧帽弁逸脱
・リウマチ性MR
・僧帽弁穿孔や僧帽弁輪石灰化
・感染性心内膜炎
・心筋梗塞における乳頭筋断裂
・先天性:僧帽弁裂隙、パラシュート僧帽弁
・自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、抗リン脂質抗体症候群)
・薬剤性
によるMRが一次性MRに相当する。
○二次性僧帽弁閉鎖不全症(左室収縮機能低下を伴う)
二次性MR=機能性MR
心サルコイドーシス、拡張型心筋症、虚血性心疾患などが原因で発症する。
これらの原因により、左室の遠心性リモデリング(拡大)によってMRが出現する病態であり、僧帽弁自体の異常ではないことから、二次性MRと呼ばれる。
○心房機能性MR(二次性MR)
持続性心房細動により心房拡大が起こり、僧帽弁輪や三尖弁輪の拡大を伴えば、左室収縮能低下を伴わない例においても有意なMRやTRが出現しうる。
10年以上の心房細動の持続で28%の患者に中等症以上の心房性機能性MRが認められたとの報告もある。Afによる心房機能性MRと区別するために従来から知られている左室機能不全によるMRを心室性機能性MRと呼ぶこともある。
まとめ
一次性MR=僧帽弁自体の異常によるもの
二次性MR=虚血や拡張型心筋症などにより左室収縮低下+左室拡大による
心房性MR=Afで左房が大きくなることによる