つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

僧帽弁閉鎖不全症の手術適応

○一次性MR(僧帽弁逸脱など)

左室容量負荷による左室機能低下は無症状のまま進行することが多く、長期化することにより不可逆的な心筋ダメージを引き起こす。左室拡大、EF低下症例では術後の予後が悪いので僧帽弁形成術は進行する前に行うべきである。

 

・重症MRのによる心不全症状を伴い、LVEFが30%を超えていれば僧帽弁形成術または置換術の適応となる(クラス1)

・LVEF<30%例においては十分な内科治療で症状の改善が得られず、僧帽弁手術で症状の改善が期待されるときに手術適応(クラス2a)

・左室機能が保たれている場合でも新規に心房細動を発症した場合や、安静時の肺高血圧(収縮期PA圧>50mmHg)を呈する場合は僧帽弁手術の適応(クラスⅡa)。

・無症候性の重症MR(僧帽弁逸脱)の場合:有症候性になってからの形成術は無症候性の早期手術よりも予後が劣るとのコホート研究あり、無症候性でも早期手術が推奨されつつある。重症MRは無症状で心機能良好であっても、診断から6年ー10年の間には症状の出現、左室機能の低下、心房細動、肺高血圧が出現し、手術の適応となる。

 

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○二次性MRの外科治療の適応

二次性MRはDCMや虚血性心疾患による左室拡大によるMRである。よって本症例は左室に病態の本体があるので、MRを治すことが根本的な治療になるわけではない。心不全に対する十分な内科治療が前提となり、また虚血によるMRであればPCIやCABGなど虚血の治療も重要になってくる。

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○心房性機能性MR

Afが持続することによる左房拡大によるMR。心室性MRと全く病態の異なる心房性MRなので手術適応も違う。エビデンスが不足している領域であるが、利尿薬による体液量調節や頻脈対策が行われているにも関わらず心不全を繰り返している場合は手術治療を考慮する(クラスⅡ)。