肥大型心筋症の診断基準と鑑別
肥大型心筋症診断における最も有用な検査は
(1)心エコーなどの画像診断による所見である。
(2)高血圧性心疾患などの鑑別すべき疾患との鑑別診断を行うことは必須である。
その他
(3)心筋生検による所見
(4)家族性発生の確認
(5)遺伝子診断が確定診断に有用である。
✅心筋肥大の鑑別
高血圧性心疾患、心臓弁膜疾患、先天性心疾患、虚血性心疾患、内分泌性心疾患、貧血、肺性心
特定心筋疾患:
①アルコール性心疾患、産褥心、原発性心内膜線維弾性症
②心筋炎
③神経・筋疾患に伴う心筋疾患
④膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎・多発筋炎、強皮症など)に伴う心筋疾患
⑤栄養性心疾患(脚気心など)
⑥代謝性疾患に伴う心筋疾患(Fabry 病、ヘモクロマトーシス、 Pompe 病、 Herler 症候群、 Hunter 症候群など)
⑦その他(アミロイドーシス、サルコイドーシスなど)
✅心エコーなどの画像診断による下記の所見
a) 非閉塞性肥大型心筋症
心室中隔の肥大所見、 非対称性中隔肥厚 (拡張期の心室中隔厚/後壁厚≧1.3) など心筋の限局性肥大やびまん性肥大
b) 閉塞性肥大型心筋症
左室流出路狭窄所見、 僧帽弁エコーの収縮期前方運動
c) 心室中部閉塞性心筋症
左室中部狭窄所見
d) 心尖部肥大型心筋症
心尖部肥大所見
e) 拡張相肥大型心筋症
左室駆出率低下と左室内腔の拡張を認め、肥大型心筋症からの移行が確認されたもの
✅僧帽弁エコーの収縮期前方運動の動画@youtube