とある内科レジデントの雑記帳

元「とある研修医の雑記帳→つねぴーblog」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

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救急外来TIPSもくじ

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救急外来TIPS的な記事のもくじ(絶賛工事中…) ◯輸液 救急外来でまず何の輸液を選択するか 乳酸リンゲル液と酢酸リンゲル液の違い 乳酸リンゲルは乳酸が溜まりやすい病態(肝不全やショックなど)では使いづらいので酢酸リンゲル液の方が無難(が、両者に大…

頚椎症疑いではMRIだけでなくレントゲンも必要

頚椎症を疑った時、もしくは除外する時に頚椎MRIだけ取って異常がなくてもそれでOKとしてはならない。頚椎は脊椎の中でも最もダイナミックに動く部分である。動きによって現れる病変(頚椎すべり症や環軸亜脱臼など)を見逃さないためにMRIに加えて前屈位+…

デルマトームの使い方

デルマトームの使い方とその覚え方 ◯「しびれ」を主訴の患者が来たら しびれの原因が神経に由来するものだとすると、次のように分類することが出来る。 1,脳梗塞などの中枢神経の障害 2,脊髄炎や頚椎症などの脊髄の障害 3,手根管症候群や糖尿病性ニュ…

絞扼性腸閉塞と単純性腸閉塞の鑑別

絞扼性腸閉塞では腸管が壊死してしまうため緊急手術の適応である。よって救急外来受診患者で腸閉塞を疑った場合、それが絞扼性か否か鑑別することは重要。 (腸閉塞の分類) 画像引用:http://chousei58.com/?p=80026 とある報告( Adhesive small bowel obs…

早期虚血性変化の評価方法(ASPECTS)

脳梗塞発症4.5時間以内の場合、tPAによる血栓溶解療法の適応となる。 が、その虚血の範囲が中大脳動脈領域の1/3を超えるような広範である場合には逆に出血のリスクが高くなるため推奨されない。画像的に中大脳動脈領域がどの程度虚血になっているのかを少し…

胃洗浄・活性炭の適応とその方法

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大量服薬など中毒診療において ◯胃洗浄について ・胃洗浄が効果があるのは服薬1時間以内に受診して意識のある場合だけ ・胃洗浄で予後が改善するエビデンスはない。が誤嚥性肺炎などの合併症のエビデンスはある。 ・胃洗浄の禁忌には禁忌が複数ある →強酸、…

脳動脈瘤をみつけたら

頭部MRIでたまたま脳動脈瘤が見つかった時の考え方 ・脳動脈瘤はMRIの進歩により偶発的に発見される機会が多くなった。 ・径が3-5mm未満の動脈瘤や前交通動脈、脳底動脈、後交通動脈を含む内頚動脈の動脈瘤では偽陽性、偽陰性が多いので注意。 ・好発部位は…

卵巣出血についてのメモ書き

救急外来において女性の下腹部痛では骨盤炎症性疾患、子宮外妊娠、卵巣出血、卵巣嚢腫茎捻転など産婦人科疾患も疑う必要がある。 ・卵巣出血とは卵巣の血管の断裂によって腹腔内出血を呈する状態であり、症状としては、急激な下腹部痛で受診することが多い。…

悪性症候群の診断基準と治療について

◯悪性症候群とは 悪性症候群とはL-dopaなどパーキンソン病薬の急な減量・中断や抗精神病薬(ドパミン受容体遮断薬)の投与によってドーパミン神経系のの急激な機能低下が起こり、発熱、発汗・尿閉などの自律神経症状、振戦・筋強剛などの錐体外路症状、およ…

高ナトリウム血症の原因と鑑別

高ナトリウム血症の原因と鑑別 ◯高ナトリウム血症とは: 高ナトリウム血症とはNa濃度>145mEq/Lの状態。Na量の相対的あるいは絶対的な増加と自由水欠乏のいずれかによって生じる。通常、血清Na濃度が上昇するとのどが渇いで水分摂取するので自然と血清Na濃度…

救急外来での降圧薬の選び方

救急外来に血圧が高いんです…と来た患者に何の降圧薬を出すか 高血圧緊急症への対応 - とある内科レジデントの雑記帳 (収縮期220、拡張期125以上のような場合では高血圧緊急症であり↑記事参照) 家で測って高くて来院時には落ち着いているような場合には無…

てんかん重積で静脈路確保できない時の対応

てんかん重積においてはジアゼパム(セルシン®、ホリゾン®)の静脈注射が第一に推奨される。5−10mgを1分以上かけて投与。停止しない場合は合計20mgまで。 静脈路が確保されていない場合はセルシン筋肉注射が行われることが多いが「てんかん診療ガイド…

心筋梗塞と大動脈解離の鑑別メモ

突然の胸痛患者が来た時に最初に想起したいのは心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓。 心筋梗塞と大動脈解離の鑑別メモ ◯心筋梗塞 ・急な発症だが大動脈解離に比べるとピークに達するまでの時間は長い ・胸部の圧迫感、押されるような痛み、絞扼感 ・労作などで症…

ルンバールの前に頭部CTを取らないといけない状況

ルンバールの前に頭部CTを取らないといけない状況 発熱に加えて項部硬直など髄膜刺激徴候があれば髄膜炎を疑って髄液検査をすることになるが、ルンバールは脳圧亢進状態で施行すると脳ヘルニアを起こすため禁忌とされている。 脳圧亢進は古典的には眼底鏡で…

めまい患者における眼振のミカタ

・救急外来受診患者の診察で重要なのは中枢性か末梢性かの鑑別。 ・眼振の見方には3つのパターンがある。 1、注視下 2、非注視下(Frenzel眼鏡着用下で、頭位眼振を見る) 3、電気眼振計(ENG)記録による検査 この中で、救急外来受診患者に行うのは主に…

手を握りしめる動作で手根管症候群が増悪する理由

◯手根管症候群 ・手根管を通っている正中神経が圧迫されることによる末梢神経障害。中年女性に好発。反復的に手首を動かす職業に多い(洗濯、床磨き、マッサージなど)。夜間にしびれ症状が強くなり、夜中になるとしびれで目が醒める。手をふると少し楽にな…

頸椎神経根障害の症状memo

頸椎神経根障害の症状memo 脊髄から出ている神経根が圧迫によって障害されることにより出現する。 (↓椎体と神経根の位置関係)C3/C4にあるのがC4神経根。 デルマトームの一つの分節に一致するしびれ、痛み、異常感覚が出現する。 神経根性疼痛は痛みが強い…

胸郭出口症候群とは

胸郭出口症候群memo 腕神経叢と鎖骨下動静脈が頸部の筋肉や骨によって挟まれて物理的に圧迫されることにより神経症状や虚血症状が出現すること。 首が長く、なで肩の女性に多い。つり革を捕まる時の腕を上げる動作で上肢のしびれや肩や腕・肩甲骨周囲の痛み…

Spurling testとは何か

◯Spurling testとは何か Spurling testとは神経根障害の有無を調べるための神経根症状の誘発テストである。頚椎症や頚椎椎間板ヘルニア、頚椎捻挫などによる神経根症状が疑われる時に行われる。 頚椎椎間板ヘルニアなどで椎間孔が狭窄していると、頚椎を伸展…

下顎反射の方法と意義

下顎反射のミカタと意義(別名jaw jerk:咬筋反射) ◯下顎反射の方法 患者に口を軽く開けてもらい、下顎の真ん中に検者の第二指をあてて、検者のDIP関節付近を軽くハンマーで叩いて誘発する。両側咬筋の収縮によって口が閉まる(下顎が上昇する)反射。 健常…

腹壁反射の方法と意義

腹壁反射とは表在反射の1種。表在反射とは皮膚または粘膜の刺激に寄って筋肉の収縮が引き起こされる反射。消失していたら錐体路障害もしくは反射弓障害を疑う。 ◯腹壁反射の方法 患者に臥位になってもらい足を軽く曲げてもらい、腹壁を弛緩させる。腹部をハ…

低髄液圧症候群で起立性頭痛が起こる理由

低髄液圧症候群で起立性頭痛が起こる理由 低髄液圧症候群は起立性の頭痛の増悪と臥位による頭痛の改善という特徴的な臨床症状を示す症候群である。低髄液圧となる原因としては腰椎穿刺後、外傷による髄液濾出、その他原因不明の特発性などがある。 脳脊髄液…

拡散強調像高信号(ADC低信号)の鑑別

拡散強調像高信号(ADC低信号)の鑑別 拡散強調で高信号(ADCで低信号)となるのは水分子の拡散制限がある状態。 脳梗塞超急性期などが代表的な例であるが、病態としては大きく分けて3通りある。 1,細胞性浮腫 2,粘稠度増加 3,細胞密度増加 1,細胞…

生理食塩水大量輸液がしにくい理由

生理食塩水大量輸液がしにくい理由 ◯救急外来ではとりあえず細胞外液が投与されることが多い 救急外来などで点滴をつなぐ場合は、"とりあえず"細胞外液である生理食塩水や酢酸リンゲル液、乳酸リンゲル液が投与されることが多い。これらは細胞外液量が減って…

蕁麻疹患者には「魚を食べましたか?」と聞く理由

◯魚には大量のヒスタミンが含まれていることが サバなど魚を食べた後にアレルギー症状様の中毒症状が起こることがある。食後30分〜1時間後に蕁麻疹症状や腹痛、嘔気、下痢などが出現し、一見アレルギーと思われるが、実は魚の中に含まれているヒスタミン…

救急外来でまず何の輸液を選択するか

救急外来でまず何の輸液を選択するか ◯病態もはっきりしないのまま輸液をつなぐことになる救急外来 救急外来では患者の病名も病態もはっきりとしない段階で輸液しなければならないことも少なくない。が、明らかに有害であることを示す所見がない限り、循環血…

気腫性膀胱炎とは何か

◯気腫性膀胱炎とは 気腫性膀胱炎とは大腸菌やクレブシエラ菌などガス産生菌が膀胱壁内にガス産生を行う膀胱炎であり、通常の膀胱炎よりも予後が悪い。若年女性などでは起こりにくく、コントロール不良の糖尿病患者や神経因性膀胱、尿道閉鎖などに好発する。…

膝蓋跳動の方法と意義

膝蓋跳動とは関節水腫(関節に液体が貯留しているかどうか)を判定するための診察方法。関節液が貯まると膝蓋骨が跳ぶように動くことに由来。 ●関節液はどこにあるか 膝蓋骨周囲の解剖学的な断面図。膝蓋骨周囲に水が溜まっている様子↓@水色の部分。 関節液…

横紋筋融解症に出会ったら

横紋筋融解症とは骨格筋の破壊によって筋肉成分が血管に流出することによりミオグロビンによる腎障害や電解質異常が起こる病態。 ◯横紋筋融解症の原因 ・直接的な筋障害(外傷、クラッシュ症候群、過度な運動、痙攣、熱中症、脱水) ・薬剤性(スタチン、フ…

敗血症性ショックではドパミンではなくノルアドレナリンを使う理由

敗血症性ショックの初期治療としては1000〜2000mlの輸液負荷を行うと同時にそれでも改善しない場合は昇圧薬としてノルアドレナリンやドパミンが頻用される。 どちらもαアドレナリン受容体を刺激することによって血管収縮作用を示す。 ドパミンに関してはβ受…