つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

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救急外来TIPSもくじ

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救急外来TIPS的な記事のもくじ(絶賛工事中…) ◯輸液 救急外来でまず何の輸液を選択するか ◯意識障害 失神、意識消失、意識障害の違い hand drop testの方法とその意義 (患者の両手を顔の上に挙上して突然離す!本物の意識障害なら勢い良く落ちる) 膝立て試…

救急外来でまず何の輸液を選択するか

救急外来でまず何の輸液を選択するか ◯病態もはっきりしないのまま輸液をつなぐことになる救急外来 救急外来では患者の病名も病態もはっきりとしない段階で輸液しなければならないことも少なくない。が、明らかに有害であることを示す所見がない限り、循環血…

気腫性膀胱炎とは何か

◯気腫性膀胱炎とは 気腫性膀胱炎とは大腸菌やクレブシエラ菌などガス産生菌が膀胱壁内にガス産生を行う膀胱炎であり、通常の膀胱炎よりも予後が悪い。若年女性などでは起こりにくく、コントロール不良の糖尿病患者や神経因性膀胱、尿道閉鎖などに好発する。…

膝蓋跳動の方法と意義

膝蓋跳動とは関節水腫(関節に液体が貯留しているかどうか)を判定するための診察方法。関節液が貯まると膝蓋骨が跳ぶように動くことに由来。 ●関節液はどこにあるか 膝蓋骨周囲の解剖学的な断面図。膝蓋骨周囲に水が溜まっている様子↓@水色の部分。 関節液…

横紋筋融解症に出会ったら

横紋筋融解症とは骨格筋の破壊によって筋肉成分が血管に流出することによりミオグロビンによる腎障害や電解質異常が起こる病態。 ◯横紋筋融解症の原因 ・直接的な筋障害(外傷、クラッシュ症候群、過度な運動、痙攣、熱中症、脱水) ・薬剤性(スタチン、フ…

敗血症性ショックではドパミンではなくノルアドレナリンを使う理由

敗血症性ショックの初期治療としては1000〜2000mlの輸液負荷を行うと同時にそれでも改善しない場合は昇圧薬としてノルアドレナリンやドパミンが頻用される。 どちらもαアドレナリン受容体を刺激することによって血管収縮作用を示す。 ドパミンに関してはβ受…

ARDSの診断基準

ARDSは肺炎などの感染症や重症外傷などによって高サイトカイン血症が生じることで血管透過性亢進によって引き起こされる肺水腫、高度の低酸素血症である。急激に進行する呼吸困難、胸部レントゲンで両側肺野全体のびまん性浸潤を呈することが多いとされる。 …

PPIの使い分け

NSAIDS胃潰瘍やピロリ菌による胃潰瘍あるいは逆流性食道炎などに対してプロトンプンプインヒビター(PPI)が用いられる。ガイドラインではそれぞれのPPIの効果に違いは無いとされており、どれを使っても問題はないがそれぞれの違いについて簡単にまとめ。 オ…

上部消化管出血らしい所見(下部消化管出血と比べて)

上部消化管出血か下部消化管出血か迷ったら 吐血、下血が主訴の救急患者においてはそれが上部消化管からの出血なのか、下部消化管からの出血なのかの鑑別が重要である。食道静脈瘤破裂や出血性胃潰瘍など上部消化管出血であれば緊急内視鏡で止血しなければ出…

「発熱+後頚部リンパ節腫大」で想起したい菊池病

◯菊池病とは 菊池病は壊死性リンパ節炎と不気味な名前を持つが予後は良好。 前駆症状として扁桃の腫大、上気道症状から始まることが多い。 その後38度前後の不規則な発熱と頸部リンパ節腫大が1ヶ月近く持続する。 日本などアジアに多い病気。1972年に初め…

外傷で肋骨骨折があれば胸部CTもとっておくべき

外傷で肋骨骨折があれば胸部CTもとっておくべき 胸部打撲などの主訴で救急外来を受診されて胸部レントゲン撮影で肋骨骨折を認めた場合、基本的には保存的な治療になる。が、肋骨骨折をするような外傷の場合、胸部レントゲンで気胸が映らなくても実は気胸を起…

気胸の重症度分類

気胸の重症度分類 胸部レントゲンで気胸を見つけたら重症度を評価する。 端的に言うと、 肺尖部が鎖骨より上にあれば軽度虚脱 完全に肺がしぼんでしまっている状態を高度虚脱 軽度虚脱と高度虚脱の間ぐらいのものを中等度虚脱 肺尖部が鎖骨の上か下かが1つ…

バタフライシャドウの見方と意義

バタフライシャドウの見方と意義 参考:リアルバタフライ ◯左心不全で肺うっ血が起こる→バタフライシャドウ(butterfly shadow) 左心不全により左室の拍出量が低下すると左房圧力が上昇→肺静脈圧上昇→肺うっ血がおこる。肺うっ血とは肺の毛細血管圧が上昇し…

溶連菌感染症のWBCやCRPは細菌によって異なるという話

細菌性扁桃炎患者のWBCはいつもとても高いイメージがあったが、調べてみると扁桃炎の中でも溶連菌感染症のときは他の細菌感染に比べて有意に白血球数が上昇するという報告がある模様。CRPに関しても一部の細菌に比べて溶連菌は高いことが示されている。なお…

収縮期血圧で心不全の状態を分類する(クリニカルシナリオ)

急性心不全の予後改善には急性期での治療開始が重要と考えられており、病院前あるいは救急外来などの急性期で簡易に治療方針を決定できるように収縮期血圧に着目したクリニカルシナリオというものがある。 簡単にまとめ ◯CS1(クリニカルシナリオ1) 急激…

腹頸静脈試験とは何か

腹頸静脈試験(肝頸静脈逆流)とは何か →abdominojugular reflux(AJR) 右心不全の徴候として「頸静脈怒張」がある。頸静脈怒張はベッドを45度に傾けて患者の頸静脈が胸骨角のところから頸静脈拍動の最強点までの垂直での距離が4.5cm以上であれば右心不全を…

起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い

◯起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い 起座呼吸は仰臥位になると呼吸困難が出現し、座ると改善することをいう。メカニズムとしては、仰臥位では静脈還流量が増えるため、心不全が増悪して呼吸困難になると考えられている。 起座呼吸は横になるとすぐに苦しく…

心不全急性増悪の原因と頻度

救急に来る心不全増悪疑いの患者で考えること。 とある論文によると心不全の急性増悪原因として多い順番からして次のように報告されている。 ・コンプライアンス不良(食事、薬、活動制限)(47%) ・全身性感染症(20%) ・不整脈(11%) ・身体的…

咽頭・扁桃の白苔は細菌感染を示唆するものではないという話

咽頭や扁桃を観察して白苔の付着があるとウィルス感染ではなく細菌感染を示唆するとしばしば誤解されるが、実際には溶連菌感染症以外にも伝染性単核球症やアデノウィルス、インフルエンザA型などでも白苔の付着は普通に認められる。むしろ、伝染性単核球症で…

指ブロックの方法

◯指ブロックという局所麻酔方法 指の先端などを怪我した患者の縫合を行う際に、指先端に局所麻酔薬を注射しても広がりにくい上に、麻酔薬でむくんで縫合しにくくなる。よって指の根元の神経近くに麻酔薬を打つことで、指全体に麻酔をかける方法として指ブロ…

爪下血腫への対応

爪下血腫への対応 「ドアに指を挟んだ」、「重たいものを指に落とした」、「指を踏まれた」等によって爪下血腫が生じうる。爪下出血とは爪甲と爪床の間の閉鎖空間で出血が起こる状態。少量の出血でも内腔圧力が上昇して強い痛みが生じる。 【爪の解剖の復習…

脳浮腫に漢方五苓散が効く理由

脳梗塞や脳腫瘍あるいは慢性硬膜下血腫など頭蓋内病変によって脳浮腫が起こる。脳浮腫とは文字通り脳細胞がむくんだ状態であるが、脳全体の体積が大きくなりすぎると脳幹を圧迫する脳ヘルニアを引き起こして致死的な状態となりうる。 西洋医学的な治療法とし…

ペニシリン不応の扁桃炎でマクロライドを使う理由

急性扁桃炎は主に溶連菌感染症により発症することが知られており、長い間ペニシリンが治療のゴールドスタンダードとして用いられてきたが、近年ペニシリンの効かないケースもしばしば報告されている。 ペニシリン不応の理由として次のような理由が挙げられて…

左脚ブロック患者で心筋虚血はわかるのか?

◯右脚ブロックと左脚ブロック心電図について復習 右脚ブロックと左脚ブロックを見分けるには臨床的にはV1とV6に注目する。 ・V1(もしくはV2)にうさぎの耳のような三相波があれば右脚ブロック ・V5(もしくはV6)にウサギの耳のような三相波があれば左脚ブ…

のたうち回るような激痛に使う鎮痛薬は?

救急外来での疼痛患者に使う鎮痛薬として次のようなものがしばしば用いられる。 ・アセリオ®(アセトアミノフェンの点滴薬) ・ロピオン®(ロキソニンの点滴薬) ・ボルタレンサポ®(ジクロフェナク坐薬) アセリオはアセトアミノフェンなので副作用が少なく…

感染症になると低アルブミン血症になるという話

肺炎や尿路感染症といった感染症や慢性関節リウマチや多発筋痛症など慢性疾患などがあると低アルブミン血症になることが知られている。これにはCRP(C反応性タンパク質)が関係している。 CRPとは肝臓で作られるタンパク質であり、炎症や組織細胞の破壊が起…

急性期脳梗塞で拡散強調像、ADCを撮る理由

急性期脳梗塞で拡散強調像(DWI:diffusion weighted image)、ADCを撮る理由 まずは、基礎知識の確認から… ◯細胞性浮腫について 正常な細胞では細胞膜にNa+K+ポンプがあり細胞内外でのイオンの輸送を行って細胞内のNaが少なく、細胞内のKが多くなるように…

溶連菌感染症とEBVの白苔の形状の違い

溶連菌感染症と伝染性単核球症(EBV)の白苔形成の違い 両疾患とも咽頭痛、発熱、頸部リンパ節腫大を呈すため身体所見だけではなかなか鑑別が難しいことがある。実際には採血で白血球分画(好中球優位なら溶連菌感染症、リンパ球優位なら伝染性単核球症)、…

扁桃周囲炎と扁桃周囲膿瘍の違い

扁桃周囲炎と扁桃周囲膿瘍の違い(区別する理由) 扁桃周囲炎とは溶連菌などによって起こる細菌性扁桃炎がひどくなり、口蓋扁桃の周りの膜を破って喉の奥にまで広がっている状態。 扁桃周囲膿瘍では細菌が更に増殖して扁桃被膜と咽頭筋の間に膿瘍を形成して…

「溶連菌感染症はうつりますか?」

「溶連菌感染症はうつりますか?」という質問に対して 溶連菌感染症の症状は主に発熱、咽頭痛、頸部リンパ節腫脹などで咳嗽や喀痰、鼻水は少ないので飛沫感染しにくいと考えられているが、マスクを着用しないでいると日常生活でしうる軽い咳などで溶連菌は飛…