つねぴーblog@内科専攻医

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(文献)Afに対する電気ショックのパドルの貼る位置はどこが最適か?

(文献めも)Afに対する電気ショックのパドルの貼る位置はどこが最適か?前壁〜後壁と前壁〜側壁とどちらも変わらない。ただし左房径45mm以下や孤立性心房細動の人はAPの方が有用。Afは左房か肺静脈に基質があると考えるとそこに最もエネルギーを届けられるAPの方がいいのかもしれない。

 

Anterior-posterior versus anterior-lateral electrode position for external electrical cardioversion of atrial fibrillation: A meta-analysis of randomized controlled trials - ScienceDirect

 

↑文献からのつまみ食いメモです。

 

・Afに対して電気ショックをする際、パッドを貼る位置を前壁ー後壁(AP)の2箇所にするか前壁ー側壁(AL)の2箇所にするかでどちらが成功率が高いか調べた。

 

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・パッドの貼る位置での成功率を調べた報告はこれまでにも複数あるが結果はバラバラ。本メタアナリシスでは前壁ー後壁(AP)と前壁ー側壁(AL)の2パターンのどちらがAfの電気ショックに良いのか調べる。

・合計1281人の被験者。結果:成功率の観点ではどちらの位置でも変わらず。

サブグループ解析では左房径が45mm以下の人と孤立性心房細動*の人は前壁〜後壁パドルでの電気ショックでの成功率が高かった。(*孤立性心房細動とは60歳未満で基礎疾患および器質的心疾患なくてAfだけを持っている患者のこと)しかし、他の状況においては前壁〜後壁パドルでの電気ショックが良いというエビデンスはない。

・APの方が経胸壁インピーダンスが小さかった。しかしALと比べて電気ショックのエネルギー量や洞調律化までに要したショックの回数などは変わらなかった。

・心房細動が電気ショックで止まる機序:電気エネルギーが細動を起こしている心筋細胞に電気勾配を数ミリ秒間作り出すことによって細動は停止する。肺静脈や左房に心房細動を引き起こす基質が存在するので、左房の場所に電気勾配が作り出されることが非常に重要なのである。解剖学的に左房は胸腔内の右房の後ろ側にある。APの方がALに比べて容易に高エネルギーを左房に届けることができると考えられる。

・しかしメタアナリシスの結果ではAPでもALでも成功率は変わらない。(ただし各報告によって結果はバラバラでありAPの方が良いという報告もあればALが良いという報告もあった)。左房径が45mm以下や孤立性心房細動の人であればあえてAPで試してみる価値はあるかもしれない。