虫垂炎で抗生剤で様子を見ていいパターン
急性虫垂炎を疑ったら基本的にはすぐに外科にコンサルト
が、外科医に連絡が取れない・取りにくい時の対応
急性虫垂炎かどうかの判断にはAlvaradoスコアなどを参考
✅Alvarado score:
以下の8項目(合計10点満点)中5点以上であれば虫垂炎が疑われる。7点以上であれば強く疑われる(7点以上の場合の感度は76.3%、特異度は78.8%)。
心窩部から右下腹部への痛みの移動 1点
食思不振 1点
嘔吐 1点
右下腹部痛 2点
反跳痛 1点
37.3℃以上の発熱 1点
白血球数10,000/μL以上 2点
白血球の左方移動 1点
診断スコアが高い場合には画像検査(CT、できるのであればエコー)
✅急性虫垂炎の分類として、単純性虫垂炎と複雑性虫垂炎に分けられる。
複雑性虫垂炎には壊疽性虫垂炎・穿孔性虫垂炎・膿瘍形成性虫垂炎などが含まれる。
複雑性虫垂炎は直ちに外科治療が必要。
単純性虫垂炎のみ抗菌薬治療が可能である。もちろん単純性虫垂炎で手術を選択する場合も、初期治療は抗菌薬であっても問題ない。外科に相談の上、入院翌朝(24時間以内)に検討する。
✅抗生剤治療のデメリット
抗生剤治療の問題点は、抗生剤のみでは治らない場合がある事と治癒後に再発の可能性があるという点。再発率は20-30%程度と言われている。腹膜炎の合併率も抗生剤治療群の方が多い(抗生剤8%、手術2%)。
なお、注意点としては、画像上単純性虫垂炎と思っていても、複雑性である可能性もあるし、憩室炎や結腸末端炎などからの波及の可能性もある。虫垂炎を手術してみて、正常虫垂だったというパターンも少なくないようである・・・。
参考)