鼠径リンパ節腫大の鑑別診断
局所リンパ節腫大の原因検索
リンパ節の腫大を発見したら…
✅まず問診するべきは
・発症時期と経過(数日単位なのか数年単位なのか)
・B症状:発熱、体重減少、盗汗の有無
・局所の症状:疼痛や周囲の熱感など
・既往歴:アトピーや結核など
・内服薬:リンパ節腫大の原因となりうる薬剤をチェック
・喫煙歴:頭頸部がん→頸部のリンパ節腫大を想起
・性交渉歴:性感染症は鼠径リンパ節腫大の原因になりうる
・ペット飼育歴:猫ひっかき病も鼠径リンパ節の腫大を起こす
✅リンパ節の性状
硬さ:正常ならリンパ節の可動性は良い。動く。悪性腫瘍なら硬い。
形状:炎症やリンパ腫なら辺縁が整。固形がんなら不整。
圧痛の有無:圧痛があれば炎症があることを意味する。自発痛は急速に大きくなっていることのサイン。また、飲酒でリンパ節の疼痛がある場合はホジキンリンパ腫など悪性腫瘍の上がるという報告も。
✅鼠径リンパ節腫大の原因
鼠径リンパ節は下腹部、外陰部(皮膚)、肛門管、膣下部、下肢領域の通り道であり、鼠径リンパ節腫大の原因は外生殖器、肛門、膣、下肢の疾患などより生じる。
○生殖器感染症の場合:HIV、クラミジア感染症、淋病、HSV、軟性下疳など
○生殖器感染症以外:猫ひっかき病、皮膚腫瘍、骨盤腫瘍など
頻度として多いものは
1,下肢の感染症(片側が多い)
2,性感染症(片側もしくは両側)
3,悪性腫瘍(片側もしくは両側)
局所のリンパ節で鑑別が困難な場合、経過観察せざるを得ない。
3−4週間後にフォロー。
リンパ節生検の適応:①悪性腫瘍が疑われる。②経過観察後の改善がない場合
また追記します。