つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

(文献)PMI患者に電気ショックをすると心室リードのみペーシング閾値が上昇する

文献メモ)ペースメーカー植え込み患者で電気ショックを行うと心室リードのみペーシング閾値が上昇し、心房リードでは変化がなかった。電気ショックの電流が心室リードの方に(おそらく解剖学的に)集中的に流れてしまいリードと接触する心内膜組織ダメージが大きくなってしまっている。

 

文献その1

 

Selective dysfunction of ventricular electrode-endocardial junction following DC cardioversion in a patient with a dual chamber pacemaker

文献その2

[Selective increase of ventricular pacing threshold with complete exit block following DC cardioversion in a patient with a dual chamber pacemaker]

 

 

(文献その1)

・デュアルチャンバー(心房と心室両方にリードの入っている状態の)ペースメーカー植え込み後の患者がVFを起こして電気ショックを行われた。(電気ショックのパドルの位置は前壁〜後壁の2箇所に貼られていた)

・電気ショック後の解析をすると、心室のペーシング閾値が>10V vt 2.0msと上昇していた。(心房のリードはno damage)

・in vitroで実験をすると電気ショック後には高いエネルギーが心房よりも心室のリードの方に向かっているのが明らかになった。

(文献その2)

・78歳のデュアルチャンバーのペースメーカー留置中の患者に上室性不整脈が起こり160Jで電気ショックを行った。

・心室のリードキャプチャーができなくなり、進出ブロックを伴っていた(進出ブロックとは、刺激がブロックされて外部へ伝わらない状態。ペーシングではスパイクが出ているにもかかわらず、心房筋または心室筋が捕捉されない状態)。

・その後の解析で心室リードの閾値だけが大幅に上がっていることが確認された。

・心室のリードだけに問題が起こるのは電気ショックでの電流が心室リード電極と心内膜心筋の間の空間に偏って流れ込んでしまい、その結果心筋組織がダメージを受けるからと考えられる。

・電気ショックを施行する前にはペースメーカーの心室リードのアウトプットを高めに設定しておくことでペーシング不全になるのを予防できるかもしれない。