つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

診断基準・スコア

SIADHの診断基準とその意義

●SIADHとは SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)とは名前の通り抗利尿ホルモンであるバソプレシンが血漿浸透圧に対して不適切に分泌されることにより水分過剰貯留となってしまう症候群である。希釈性低ナトリウム血症を呈する。 原因は非常に多く覚えら…

敗血症における乳酸測定の意義

●ショック状態の時、乳酸の上昇が起こる。 末梢循環が保たれなくなると、末梢組織・細胞レベルで低酸素状態になる。酸素がなくなると好気呼吸であるクエン酸回路、電子伝達回路が回らなくなる。すると嫌気的呼吸の解糖系のみでエネルギー産生することになる…

喘息に診断基準はないという話

気管支喘息には所謂診断基準は存在せず、問診、既往歴、呼吸機能検査、抗原検査から総合的に判断しなければならない。故に喘息の診断は難しい。 診断基準はないが、診断の目安はガイドラインに記載されている。(GINA criteria) 1,発作性の呼吸困難、喘鳴…

スティーブンス・ジョンソン症候群の診断基準

スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)の診断基準 以下、主要項目の3項目全てを満たす場合をSJSと診断する。 ・主要所見(必須) ① 皮膚粘膜移行部の重篤な粘膜病変(出血性あるいは充血性)がみられる ② びらんもしくは水疱は体表面積の 10%未満である …

ショックの定義と診断基準

ショックの定義と診断 ショック=血圧低下ではない。 ガイドラインではショックの定義は次のようにされている。 「全身の循環障害によって組織における酸素需給のインバランスが生じ、重要臓器のエネルギー需要を満たすことができなくなり、生体機能に異常が…

群発頭痛の診断基準

【群発頭痛の診断基準】 (日本頭痛学会、国際頭痛分類普及委員会より) A. 以下B ~ D をみたす発作が5回以上ある B. 未治療で一側性の重度~極めて重度の頭痛が,眼窩部,眼窩上部または側頭部のいずれか1つ以上の部位に, 15 ~ 180 分間持続する C. 頭…

てんかんと失神の鑑別

てんかんと失神を鑑別するためのスコアを紹介。 Historical criteria that distinguish syncope from seizures. - PubMed - NCBI 【スコア】 舌咬傷:2点 発作前の既視感や未視感:1点 感情的ストレスが誘因:1点 発作前に頭を側方に向ける:1点 意識消…

リウマチ性多発筋痛症(PMR)の診断基準

リウマチ性多発筋痛症(PMR)の診断基準 【ChuangのPMRの診断基準(以下4項目を満たす時)】 ・発症年齢50歳以上 ・急速に発生した両側性の筋痛が1ヶ月以上持続 (頸部/体幹、肩/上腕、腰/大腿部のうち2ヶ所を含む) ・赤血球沈降速度(ESR)>40mm/時 …

椎体圧迫骨折の診断基準(byレントゲン)

椎体骨折の診断には胸腰椎レントゲンの側面像が用いられる。 【椎体のデフォルメ】 (椎体前縁部の高さをA、椎体中央部の高さをC、椎体後縁部の高さをP) Aはanterior,Cはcenter,Pはposteriorの略 【椎体骨折評価基準(2012 年度改訂案)参照】 ・圧迫骨折は…

大動脈瘤の大きさの定義

大動脈瘤とは大動脈壁の脆弱化によって部分的に大動脈が膨隆した状態を言う。 大動脈の正常径は胸部で3cm、腹部で2cmとされている。上行大動脈で5cm,下行大動脈で4cm,また明らかに下方の大動脈が上部に比べて拡張している場合に大動脈瘤と定義される。(…

急性胆嚢炎の診断基準と入院適応

急性胆嚢炎の診断基準 急性胆嚢炎・胆管炎診療ガイドラインによると… 【急性胆嚢炎の診断基準】 ・マーフィーサインなどの腹部所見 ・発熱、CRP上昇、白血球上昇などの炎症反応 ・腹部CTや腹部エコーなどの画像検査 この3つを満たしているものを急性胆嚢炎…

QRS低電位差の定義と原因

QRSの振幅(基線から上下の差)が異常に小さくなっていることを低電位差という (下の心電図イラストで言えばa+bの値が小さくなっているときのこと)。 判定基準としては次の通り ・肢誘導の全てで5mm(0.5mV)未満の時を肢誘導の低電位差 ・胸部誘導の全てで…

腰椎椎間板ヘルニアへのアプローチ

腰椎椎間板ヘルニアのメモ (記事の再構築予定…) ◯腰椎椎間板ヘルニアの概要 好発年齢は20〜40代と若年に多い。ヘルニアの中で腰椎ヘルニアが最も多い。 後側方へのヘルニア脱出が多いので健側と患側が出来る(稀に中央でヘルニア)。 好発部位はL4/L5…

肺塞栓症を心電図で診断できるのか

S1Q3T3についてこの間紹介したが、肺塞栓では他にも特徴的な心電図波形を取る。 7つの波形パターンを元に診断基準として報告している論文があるので紹介。 (1) incomplete or complete right bundle branch block (n = 33); which was associated with ST-s…

肺血栓塞栓症の診断基準(Revised Geneva Score)

PTE(肺血栓塞栓症)の診断基準の有名所として wells criteriaがある。 【wells criteria】 以下7項目のスコアを合計する。4点以上でPTEを疑い、4点未満であればPTEは否定的。 スライド参照:http://www.kameda.com/pr/pulmonary_medicine/modified_wells…

インフルエンザの診断基準と迅速検査の適応

インフルエンザの診断基準と迅速検査の適応 インフルエンザ診断マニュアルによると 「インフルエンザ流行期に以下の4つを満たす場合にインフルエンザと診断される」 ・突然の発症 ・高熱 ・上気道症状 ・全身倦怠感などの全身症状 非常に簡潔でわかりやすい…

不明熱の定義とその意味

不明熱の定義 古典的定義(Petersdorf,Beeson 1961) 通常38.3度を超す体温が3週間以上続き、1週間にわたる病院内での原因検索にもかかわらず熱の原因が不明である時、これを不明熱とする。 ■38.3度の由来 習慣性高体温を除外するために38.3度を下限に…

小腸閉塞のレントゲン所見(3✕3ルール)

腸閉塞のレントゲン所見(3✕3ルール) 腸閉塞において腹部レントゲン撮影は簡易に取れて感度も高いので有用。 3✕3のルールというものがある。 ・小腸径が3cm以上であれば拡張(厳密には2.5cmでも拡張としてよい) ・小腸ニボーが3ヶ所以上あれば異常(…

大動脈解離の簡易スクリーニング

大動脈解離を疑う3つの項目 ・突然発症の裂けるような痛み →解離を疑うきっかけ ・胸部単純レントゲンで縦隔陰影の拡大(縦隔拡大>8cm) (臥位では上縦隔は生理的に増大してしまうので判別困難。その場合は気管分岐部レベルでの椎体中央と大動脈陰影左縁…

尿管結石の診断スコア

尿管結石の診断でSTONEスコアというものがある。 【論文紹介】 Derivation and validation of a clinical prediction rule for uncomplicated ureteral stone—the STONE score: retrospective and prospective observational cohort studies | The BMJ 20…

ST上昇はどこを見て判定すればよいのか

心電図におけるST上昇とはどこを見て判定すればよいのか STが上昇しているかいないのか、虚血性心疾患を鑑別するために非常に重要なことである。STとはQRSの終了部分のJ点からT波の開始部分までのことをいう。J点とはQRSが終わって最初にある変曲点のことで…

敗血症の新定義:SOFAスコア

敗血症とはこれまで「感染によって発症したSIRS」と定義されていたが2016年2月に敗血症の新しい定義が提唱された。 SIRS(全身性炎症反応症候群)の定義は以下の4項目のうち2項目を満たす場合である 1)体温:<36℃または>38℃ 2)脈拍数:90/分…

市中肺炎と院内肺炎、医療介護関連肺炎の違い

肺炎は感染した場所(菌をもらった場所)によって原因菌の種類が異なり、違う臨床像を呈する。原因菌が異なると治療薬も変わってくることになるので肺炎は大きく市中肺炎と院内肺炎に分類されている。 【市中肺炎とは…】 病院外で日常生活をしていた人が発症…

機能性便秘の診断基準(ローマⅢ)

便秘を主訴に来院する患者にすぐに下剤を投与してはならず、問診により便秘の原因を探る。便秘は器質性便秘、薬剤性便秘、機能性便秘などに分類される。 ◯器質的便秘:悪性腫瘍(大腸がん)、術後狭窄、炎症性狭窄、ヘルニアなど ◯薬剤性便秘:オピオイド、N…

足首の捻挫でいつ骨折を疑うか(オタワ足関節ルール)

【”足首の捻挫”でいつレントゲンを取るか】 足首をひねった患者が来て、痛みが強い場合とりあえずルーチンでレントゲンを取られてしまうことが多いが、オタワでは無駄なレントゲン撮影を防ぐためにどういう時に骨折を疑うのか、レントゲンの必要がないかなど…

発熱性好中球減少症の定義

発熱性好中球減少症(FN)とは好中球が減少している期間の発熱状態のこと。FNで適切な抗菌薬投与が行われないと死亡率は40%以上にもなるとの報告もあり、非常に重篤な状態である。FNの診断は以下の好中球減少症と発熱の両方を満たした場合にされる。 好中球…

発熱性好中球減少症の入院適応

発熱性好中球減少症(FN)とは好中球が500以下に減少し、腋窩体温が37.5度以上に上昇した状態であり、死亡率が高く厳格な管理が必要である。 FNのリスク分類としてはMASCCスコアが広く用いられている。 MASCCスコア スコアの合計が21点以上であれば低リス…

救急隊員は如何にして脳梗塞を疑っているか(CPSS)

CPSSとはcincinnati prehospital stroke scaleの略であり、救急隊員が病院搬送前に脳梗塞を疑うためのスケールである。 【CPSS】 ・顔の歪み 歯をイーっとしてもらい、顔面が左右対称であれば正常、片方が引きつっていれば異常 ・上肢挙上 開眼させて両側上…

冠危険因子とTIMIリスクスコア

胸痛患者の診察において急性冠症候群(ACS)の発症リスクがどの程度あるのか冠危険因子を把握する必要がある。冠危険因子は問診で、TIMIリスクスコアは問診に血液検査、心電図検査を併せて評価する。 冠危険因子 ・冠動脈疾患の家族歴 ・喫煙歴 ・高血圧 ・…

いつレジオネラ肺炎を疑うか(診断基準)

レジオネラ肺炎とは河川や土壌に生息するグラム陰性桿菌のLegionella pneumophiaを原因とする肺炎であり、温泉や空調設備の冷水環境などで増殖し、エアロゾルから集団感染を引き起こす。 ポイント ・重症肺炎では必ず疑うべき ・βラクタムが効かない ・確定…