つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

診断基準・スコア

喘息に診断基準はないという話

気管支喘息には所謂診断基準は存在せず、問診、既往歴、呼吸機能検査、抗原検査から総合的に判断しなければならない。故に喘息の診断は難しい。 診断基準はないが、診断の目安はガイドラインに記載されている。(GINA criteria) 1,発作性の呼吸困難、喘鳴…

スティーブンス・ジョンソン症候群の診断基準

スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)の診断基準 以下、主要項目の3項目全てを満たす場合をSJSと診断する。 ・主要所見(必須) ① 皮膚粘膜移行部の重篤な粘膜病変(出血性あるいは充血性)がみられる ② びらんもしくは水疱は体表面積の 10%未満である …

ショックの定義と診断基準

ショックの定義と診断 ショック=血圧低下ではない。 ガイドラインではショックの定義は次のようにされている。 「全身の循環障害によって組織における酸素需給のインバランスが生じ、重要臓器のエネルギー需要を満たすことができなくなり、生体機能に異常が…

群発頭痛の診断基準

【群発頭痛の診断基準】 (日本頭痛学会、国際頭痛分類普及委員会より) A. 以下B ~ D をみたす発作が5回以上ある B. 未治療で一側性の重度~極めて重度の頭痛が,眼窩部,眼窩上部または側頭部のいずれか1つ以上の部位に, 15 ~ 180 分間持続する C. 頭…

てんかんと失神の鑑別

てんかんと失神を鑑別するためのスコアを紹介。 Historical criteria that distinguish syncope from seizures. - PubMed - NCBI 【スコア】 舌咬傷:2点 発作前の既視感や未視感:1点 感情的ストレスが誘因:1点 発作前に頭を側方に向ける:1点 意識消…

リウマチ性多発筋痛症(PMR)の診断基準

リウマチ性多発筋痛症(PMR)の診断基準 【ChuangのPMRの診断基準(以下4項目を満たす時)】 ・発症年齢50歳以上 ・急速に発生した両側性の筋痛が1ヶ月以上持続 (頸部/体幹、肩/上腕、腰/大腿部のうち2ヶ所を含む) ・赤血球沈降速度(ESR)>40mm/時 …

椎体圧迫骨折の診断基準(byレントゲン)

椎体骨折の診断には胸腰椎レントゲンの側面像が用いられる。 【椎体のデフォルメ】 (椎体前縁部の高さをA、椎体中央部の高さをC、椎体後縁部の高さをP) Aはanterior,Cはcenter,Pはposteriorの略 【椎体骨折評価基準(2012 年度改訂案)参照】 ・圧迫骨折は…

大動脈瘤の大きさの定義

大動脈瘤とは大動脈壁の脆弱化によって部分的に大動脈が膨隆した状態を言う。 大動脈の正常径は胸部で3cm、腹部で2cmとされている。上行大動脈で5cm,下行大動脈で4cm,また明らかに下方の大動脈が上部に比べて拡張している場合に大動脈瘤と定義される。(…

急性胆嚢炎の診断基準と入院適応

急性胆嚢炎の診断基準 急性胆嚢炎・胆管炎診療ガイドラインによると… 【急性胆嚢炎の診断基準】 ・マーフィーサインなどの腹部所見 ・発熱、CRP上昇、白血球上昇などの炎症反応 ・腹部CTや腹部エコーなどの画像検査 この3つを満たしているものを急性胆嚢炎…

QRS低電位差の定義と原因

QRSの振幅(基線から上下の差)が異常に小さくなっていることを低電位差という (下の心電図イラストで言えばa+bの値が小さくなっているときのこと)。 判定基準としては次の通り ・肢誘導の全てで5mm(0.5mV)未満の時を肢誘導の低電位差 ・胸部誘導の全てで…

腰椎椎間板ヘルニアへのアプローチ

腰椎椎間板ヘルニアのメモ (記事の再構築予定…) ◯腰椎椎間板ヘルニアの概要 好発年齢は20〜40代と若年に多い。 後側方へのヘルニア脱出が多いので健側と患側が出来る(稀に中央でヘルニア)。 好発部位はL4/L5の間とL5/S1の間。この2つでおよそ9割。…

肺塞栓症を心電図で診断できるのか

S1Q3T3についてこの間紹介したが、肺塞栓では他にも特徴的な心電図波形を取る。 7つの波形パターンを元に診断基準として報告している論文があるので紹介。 (1) incomplete or complete right bundle branch block (n = 33); which was associated with ST-s…

肺血栓塞栓症の診断基準(Revised Geneva Score)

PTE(肺血栓塞栓症)の診断基準の有名所として wells criteriaがある。 【wells criteria】 以下7項目のスコアを合計する。4点以上でPTEを疑い、4点未満であればPTEは否定的。 スライド参照:http://www.kameda.com/pr/pulmonary_medicine/modified_wells…

インフルエンザの診断基準と迅速検査の適応

インフルエンザの診断基準と迅速検査の適応 インフルエンザ診断マニュアルによると 「インフルエンザ流行期に以下の4つを満たす場合にインフルエンザと診断される」 ・突然の発症 ・高熱 ・上気道症状 ・全身倦怠感などの全身症状 非常に簡潔でわかりやすい…

不明熱の定義とその意味

不明熱の定義 古典的定義(Petersdorf,Beeson 1961) 通常38.3度を超す体温が3週間以上続き、1週間にわたる病院内での原因検索にもかかわらず熱の原因が不明である時、これを不明熱とする。 ■38.3度の由来 習慣性高体温を除外するために38.3度を下限に…

小腸閉塞のレントゲン所見(3✕3ルール)

腸閉塞のレントゲン所見(3✕3ルール) 腸閉塞において腹部レントゲン撮影は簡易に取れて感度も高いので有用。 3✕3のルールというものがある。 ・小腸径が3cm以上であれば拡張(厳密には2.5cmでも拡張としてよい) ・小腸ニボーが3ヶ所以上あれば異常(…

大動脈解離の簡易スクリーニング

大動脈解離を疑う3つの項目 ・突然発症の裂けるような痛み →解離を疑うきっかけ ・胸部単純レントゲンで縦隔陰影の拡大(縦隔拡大>8cm) (臥位では上縦隔は生理的に増大してしまうので判別困難。その場合は気管分岐部レベルでの椎体中央と大動脈陰影左縁…

尿管結石の診断スコア

尿管結石の診断でSTONEスコアというものがある。 【論文紹介】 Derivation and validation of a clinical prediction rule for uncomplicated ureteral stone—the STONE score: retrospective and prospective observational cohort studies | The BMJ 20…

ST上昇はどこを見て判定すればよいのか

心電図におけるST上昇とはどこを見て判定すればよいのか STが上昇しているかいないのか、虚血性心疾患を鑑別するために非常に重要なことである。STとはQRSの終了部分のJ点からT波の開始部分までのことをいう。J点とはQRSが終わって最初にある変曲点のことで…

敗血症の新定義:SOFAスコア

敗血症とはこれまで「感染によって発症したSIRS」と定義されていたが2016年2月に敗血症の新しい定義が提唱された。 SIRS(全身性炎症反応症候群)の定義は以下の4項目のうち2項目を満たす場合である 1)体温:<36℃または>38℃ 2)脈拍数:90/分…

市中肺炎と院内肺炎、医療介護関連肺炎の違い

肺炎は感染した場所(菌をもらった場所)によって原因菌の種類が異なり、違う臨床像を呈する。原因菌が異なると治療薬も変わってくることになるので肺炎は大きく市中肺炎と院内肺炎に分類されている。 【市中肺炎とは…】 病院外で日常生活をしていた人が発症…

機能性便秘の診断基準(ローマⅢ)

便秘を主訴に来院する患者にすぐに下剤を投与してはならず、問診により便秘の原因を探る。便秘は器質性便秘、薬剤性便秘、機能性便秘などに分類される。 ◯器質的便秘:悪性腫瘍(大腸がん)、術後狭窄、炎症性狭窄、ヘルニアなど ◯薬剤性便秘:オピオイド、N…

足首の捻挫でいつ骨折を疑うか(オタワ足関節ルール)

【”足首の捻挫”でいつレントゲンを取るか】 足首をひねった患者が来て、痛みが強い場合とりあえずルーチンでレントゲンを取られてしまうことが多いが、オタワでは無駄なレントゲン撮影を防ぐためにどういう時に骨折を疑うのか、レントゲンの必要がないかなど…

発熱性好中球減少症の定義

発熱性好中球減少症(FN)とは好中球が減少している期間の発熱状態のこと。FNで適切な抗菌薬投与が行われないと死亡率は40%以上にもなるとの報告もあり、非常に重篤な状態である。FNの診断は以下の好中球減少症と発熱の両方を満たした場合にされる。 好中球…

発熱性好中球減少症の入院適応

発熱性好中球減少症(FN)とは好中球が500以下に減少し、腋窩体温が37.5度以上に上昇した状態であり、死亡率が高く厳格な管理が必要である。 FNのリスク分類としてはMASCCスコアが広く用いられている。 MASCCスコア スコアの合計が21点以上であれば低リス…

救急隊員は如何にして脳梗塞を疑っているか(CPSS)

CPSSとはcincinnati prehospital stroke scaleの略であり、救急隊員が病院搬送前に脳梗塞を疑うためのスケールである。 【CPSS】 ・顔の歪み 歯をイーっとしてもらい、顔面が左右対称であれば正常、片方が引きつっていれば異常 ・上肢挙上 開眼させて両側上…

冠危険因子とTIMIリスクスコア

胸痛患者の診察において急性冠症候群(ACS)の発症リスクがどの程度あるのか冠危険因子を把握する必要がある。冠危険因子は問診で、TIMIリスクスコアは問診に血液検査、心電図検査を併せて評価する。 冠危険因子 ・冠動脈疾患の家族歴 ・喫煙歴 ・高血圧 ・…

いつレジオネラ肺炎を疑うか(診断基準)

レジオネラ肺炎とは河川や土壌に生息するグラム陰性桿菌のLegionella pneumophiaを原因とする肺炎であり、温泉や空調設備の冷水環境などで増殖し、エアロゾルから集団感染を引き起こす。 ポイント ・重症肺炎では必ず疑うべき ・βラクタムが効かない ・確定…

急性期DICの診断基準

DIC(播種性血管内凝固症候群)の診断基準 ・DICとは DICとは種々の基礎疾患(敗血症、悪性腫瘍、産科疾患、高度外傷など)を元に血液凝固能が亢進し、全身の細小血管に血栓が多発し、臓器の虚血性機能障害をきたす疾患である。凝固因子や血小板は消費されて…

不明熱が感染症由来かどうかの判断指標

【不明熱とは】 「三週間以上38.3度以上の発熱が続き、3日以上診療(3回以上の外来か3日以上の入院)しても原因がわからないもの」が不明熱と定義される。原因としては感染症、悪性腫瘍、自己免疫疾患が多い。 感染症:感染性心内膜炎、結核、前立腺炎、…

蜂窩織炎と壊死性軟部組織感染症の鑑別(LRINECスコア)

蜂窩織炎と壊死性軟部組織感染症の違い 蜂窩織炎 全身状態良好(元気) 症状が日単位で進行 水疱や血疱はなし 見かけどおりの痛がり方 発赤部位のみで圧痛を認める 壊死性軟部組織感染症 全身状態不良(しんどそう) 症状が時間単位で進行 水疱や血疱あり 見…

リンパ節腫脹が病的かどうかの基準(リンパ節スコア)

リンパ節の腫脹が病的かどうかを判断するための指標(Zスコア)がある。 以下の6項目(年齢、圧痛、大きさ、そう痒感、部位、性状) ・年齢40歳以上:+5点 ・リンパ節の圧痛あり:−5点 ・一番大きなリンパ節の大きさ:1cm^2以下:0点、1-4cm^2:4点、4…

TIAのリスク評価:ABCD2スコア

TIA(一過性脳虚血発作)の診断:ABCD2スコア 【TIAとは】 TIAとは脳虚血によって生じる一過性の神経学的異常(麻痺、言語障害、視野障害など)。TIAの症状として失神が連想されることがあるが、頻度としては多くない。 その失神がTIAによるものと診断するに…

市中肺炎の退院基準(by IDSA)

市中肺炎の退院基準 市中肺炎とは… 一般社会生活を送っている人に見られる肺炎であり、普通の社会生活を営んでいる健康人に多い(高齢者や何らかの基礎疾患を有している人々も当然かかりうる)。入院中の患者に合併する院内肺炎と対をなす概念である。 一般…

肺炎疑いで胸部XPを取る基準(Heckerling score)

いつ肺炎を疑うか 肺炎の示唆する身体所見は無数にあるが、以下に紹介する基準では所見を5つに絞って簡易に肺炎の有無を評価しており有用である。(Heckerling score) 【評価項目】 ・脈拍>100回以上 ・呼吸音の減弱 ・体温≧37.8度 ・呼吸音の左右差(crackl…

うつ病の簡易診断(in sad cages)

IN SAD CAGES(悲しいかごの中で)の語呂合わせがある。 全部で9項目 In:interest=楽しみの消失 S: Sleep disturbance=早朝覚醒、中途覚醒、睡眠過多 A:Appetite change=食欲低下、食欲増加、体重減少、体重増加 D:dysphoric mood=鬱気分 C:concentrati…

深部肺静脈血栓症(DVT)の診断:wellsスコア

深部肺静脈血栓症(DVT)の診断スコア 肺塞栓症における臨床症状、危険因子からどのような所見の組み合わせが診断に最も有用か、多変量解析によって明らかにされている。その内の1つとして有名なのがWellsスコア”。以下紹介。 WELLSスコア ・肺塞栓または深…

副腎クリーゼを診断するには

副腎クリーゼとは副腎機能が低下することにより鉱質コルチコイド、糖質コルチコイドが欠乏し、ショックに至る病態である。 【症状】 嘔吐、腹痛、発熱、、倦怠感、関節痛、食欲不振、意識障害などなど…。多様かつ非特異的な症状が見られる。これらの症状を複…

筋緊張性頭痛の診断基準

筋緊張性頭痛は身体的ストレス(長時間のパソコン操作、不自然な姿勢を長時間続ける、体を冷やすなど)と精神的ストレスにより筋肉が過剰に緊張してしまうことにより発症する。持続時間は30分〜7日間と幅がある。 【診断基準】*1 1,他の頭痛疾患を除外 …

溶連菌性咽頭炎の診断基準:centor criteria

溶連菌咽頭炎の診断基準 急性咽頭炎は細菌性とウィルス性に分けられる。80-90%がウィルス性と言われており抗菌薬の必要がないが、15%ほどは細菌性の咽頭炎である。 細菌性とウィルス性の鑑別、そして不必要な抗菌薬投与を防ぐための方法が以下のcentor crit…

サブクリニカルクッシング症候群の診断基準

サブクリニカルクッシング症候群とは何か 副腎腫瘍や副腎の過形成などによってコルチゾールが過剰に分泌されて様々な症状をきたすものをクッシング症候群という。クッシング症候群では満月様顔貌やバッファローハンプ、多毛、色素沈着など特徴的な身体的特徴…

劇症1型糖尿病の診断基準

■劇症1型糖尿病とは 1型糖尿病は発症の経過で急性発症1型(数週間〜数ヶ月)、劇症1型(数日間で急激に発症)、緩徐進行1型(数年〜数十年)のものに分けられる。 劇症1型糖尿病の病態としてはウイルス感染による膵臓炎、あるいはウイルス感染に対する…

虫垂炎の診断スコア:MANTREELS

虫垂炎の診断スコア:MANTREELS Alvarado scoreという診断スコアがある。以下の8項目(合計10点満点)中5点以上であれば虫垂炎が疑われる。7点以上であれば強く疑われる(7点以上の場合の感度は76.3%、特異度は78.8%)。勿論スコアが高くても虫垂炎で…