敗血症の新定義:SOFAスコア
敗血症とはこれまで「感染によって発症したSIRS」と定義されていたが2016年2月に敗血症の新しい定義が提唱された。
SIRS(全身性炎症反応症候群)の定義は以下の4項目のうち2項目を満たす場合である
1)体温:<36℃または>38℃
2)脈拍数:90/分以上
3)呼吸数:20回/分以上、またはPaCO2<32torrによって示される過換気の存在
4)WBC:12,000/mm3以上か4,000/mm3以下、または10%以上の幼若白血球(桿状核球)
従来の敗血症ではこのSIRSが感染によって起きていることにより診断されていたのである意味簡潔な?診断基準であった。
新たな敗血症の定義(SOFA)は「感染症に対する調節の効かない宿主の反応による、生命に危険を及ぼす臓器障害」である。
簡単に言えば
従来の敗血症→感染によるバイタルの乱れ
新しい敗血症→感染による致死性の臓器障害
従来の敗血症定義としては致死的でないけどバイタルが大きく乱れているものも全て敗血症と診断されてしまう点が問題であった。例えば健常人の市中肺炎やインフルエンザなどでも敗血症の基準を満たしてしまうことになる。そこでSOFAスコアでは臓器障害が進行しているかどうかを点数化しているので本当に致死的な状態かどうかをより正確に拾うことが出来る。
SOFAは少し煩雑なのでICU以外ではまず簡易バージョンであるquick SOFAを調べる。
quick SOFAとは以下3項目のうち2項目あれば陽性となる。採血せずに判定できるのがメリット。が、敗血症でない患者を必要以上に多く拾ってしまうのであまり厳密にスコアで振り分けるべきでないともいわれている。
【quick SOFA score】
・意識レベル低下(GCS<15)
・血圧低下(収縮期血圧<100mmHg)
・呼吸数上昇(>22回/分)
quick SOFA scoreで陽性となったらSOFAスコアを求める。
【SOFA SCORE】
画像参照:https://www.kango-roo.com/sn/a/view/3034
上記の6臓器のスコアの合計点を出す。健常時を基準として基準のスコアよりも2点以上上昇したら陽性=敗血症。
【参考文献】
また追記、更新します。