つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

神経内科

アキレス腱反射の見方とその意義(+動画)

アキレス腱反射亢進と減弱の原因 アキレス腱反射とは…アキレス腱を軽く叩打することにより足が底屈するという腱反射のひとつ。アキレス腱反射は、脊髄から分枝したS1およびS2神経により起こる。 アキレス腱反射減弱・消失の原因: アキレス腱反射を叩打する…

バビンスキー反射の方法とその機序(+動画)

バビンスキー反射とは 錐体路障害(つまり上位運動ニューロン障害)を調べるための検査方法。足の裏をかかとからつま先の方向にこすることで誘発される。刺激するのは足の裏の外縁でゆっくりと踵から小指の方に向かってこすり、先端で母趾の方にカーブさせる…

前頭葉徴候ゲーゲンハルテンとは何か

ゲーゲンハルテンとは(=パラトニア) ゲーゲンハルテンとは患者に触れると、被験者の注意が集中してそこの筋肉の緊張が亢進してしまう現象の事を言う。あたかも被験者に逆らうように筋肉が硬くなり、一見固縮と似ている。 固縮との鑑別点としては、抵抗の…

抗血小板療法と抗凝固療法の違い(脳梗塞治療)

抗血小板薬と抗凝固薬の違い ■抗血小板薬 抗血小板とは血小板の凝集を抑える薬剤であり、主に動脈で作用を発揮する(動脈では血流が早く、乱流が起こりやすい。乱流は血小板の凝集を引き起こし、血栓を形成する。)血小板は内皮細胞が障害されて内皮下組織が…

FLAIRをいつ撮るか

FLAIRとt2の違いその意義 ◯FLAIRとは FLAIRとはfluid attenuated inversion recoveryの略で”液体の信号を減弱させたIR法の画像”という意味。基本的にはT2強調画像と同じであるが、脳脊髄液の信号を減弱させている。端的に言えば、T2強調画像は水を高信号に…

嗅神経障害の原因と診察

嗅神経(第一脳神経)の働きについてまとめ 嗅神経とは脳神経12対のうちの1番目の脳神経である。嗅神経は名前の通り、嗅覚を感知するための知覚神経。 【嗅神経の経路】 鼻腔の奥深くに嗅上皮と呼ばれる部分があり、ここに嗅細胞が多数存在している。ここ…

定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬の違い

定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬の違い 定型抗精神病薬(=第一世代抗精神病薬) 定型抗精神病薬とは強力なドーパミンD2受容体の遮断薬であり、中脳辺縁系ドーパミン神経系の機能亢進と関係する陽性症状に効果がある。しかし、中脳辺縁系だけでなく、黒質…

筋トーヌスの亢進について 痙縮と筋強剛の違い

筋トーヌスの亢進とは何か 筋トーヌスとは日本語でいうならば筋の緊張である。 筋緊張亢進には痙縮と筋強剛の2つに分けることができる。 痙縮は錐体路の障害によって出現する。急激な他動運動によって大きな抵抗を示すが、運動のは十眼の時に抵抗が大きく、…

romberg試験の方法とその意義

ロンベルグ試験の方法とその意義 ロンベルグ試験は平衡機能(深部感覚)の検査である。深部感覚神経は脊髄の後索を通っているので、その部分が障害をうけると身体の異常として発生する。Romberg試験は両足をそろえてたってもらい、バランスをとれるかどうか…

脳震盪とびまん性軸索損傷の違い

頭部外傷患者が来て意識レベルが低下しているが、頭部CTでは異常を認めない時、同解釈すればよいのか。 頭部の急速な加速や同様、回転による外力などによって脳実質が揺さぶられることによって生じる一次性の脳損傷のことを「びまん性脳損傷」と呼び、脳震盪…

カーテン徴候の病態生理とその見方

カーテン徴候はどういうメカニズムで起こるのか 舌咽神経と迷走神経は、咽頭の運動を支配しており、これらの神経が障害されると咽頭はうまく運動できなくなる。患者さんに「あー」っと声を出させることで、軟口蓋の動き、口蓋垂の偏位、カーテン徴候の有無を…

球麻痺と偽性球麻痺の違い

球麻痺と偽性球麻痺の話 球麻痺の球とは延髄のことを指す。延髄を外側から見るとボールのように丸いのでこのような名前がついた。つまり球麻痺とは延髄麻痺を意味する言葉なのだが、臨床的には延髄の運動神経核(Ⅸ、Ⅹ、Ⅻ)の麻痺に限定して用いられる。症状…

ペナンブラとは

ペナンブラとは脳梗塞において早期に血流が再開すれば助かる領域のこことである。端的に言うなら可逆的な脳虚血状態。 脳血管の灌流が悪くなっても脳には自動調節能力があり、脳血流量を一定に保つことができる。が、脳梗塞などで脳灌流圧が低下した場合は、…

early CT signとは何か(超急性期脳梗塞所見)

early CT signとは何か 脳梗塞の超急性期において頭部CTで認められる所見をearly CT signという。 一般的に頭部CTにおいて梗塞巣は発症6時間を過ぎてから低吸収域として認められ、鮮明にみられるようになるには24時間ほど必要である。ただし、心原性脳梗…

副神経麻痺の原因とミカタ

第Ⅺ神経である副神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配する運動神経である。副神経という名前は迷走神経のアクセサリーという意味で、発生状も迷走神経と同じ第4〜6鰓弓神経に由来する。 副神経は、延髄から出る延髄根と脊髄から出る脊髄根とに区別される。この…

小脳虫部と球部の違い、覚え方

小脳虫部と球部の機能の違い、覚え方 【赤色部分が虫部↓】 画像参照:小脳の解剖図 | 脳外科医 澤村豊のホームページ 小脳には真ん中に虫部、両側に左半球と右半球がある。 虫部では体幹の動きの調節、姿勢、歩行などを司る。 虫部に障害が出ると立位・座位…