つねぴーblog@内科専門医

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連続性雑音の原因と機序

連続性雑音の原因と機序

 

連続性雑音とは収縮期〜拡張期を通じて(2音を越えて途切れずに連続して)聞こえる心雑音。収縮期と拡張期に非連続的に聞こえる往復性雑音とは異なる。

連続性発音は収縮期、拡張期を通じて圧較差が存在し、しかも圧較差に沿った流れを止める弁がないことが発生条件となる(弁で閉じてしまったら拡張期か収縮期のどちらかしか音が聞こえないということになる)。つまり、心房や心室の外側で発生する雑音であるため心外性雑音とも呼ばれる。

 

大動脈弁や肺動脈弁より末梢の血管で動脈と静脈の短絡ができている場所に発生するのであるが、たとえば大動脈と肺動脈をつなぐ動脈管開存症でも聞かれる。ほかにも上行大動脈と肺動脈の間に連絡のある大動脈肺動脈中隔欠損症、そして大動脈から右室などに穴のあくバルサルバ洞動脈瘤破裂などがある。

 

心室中隔欠損症(VSD)などでも連続性雑音が聞こえない理由は収縮期と拡張期の圧較差の違いにより説明できる。つまり、VSDにおいて収縮期は左室圧120mmHgに対して右室圧20mmHgと圧較差が大きいのでシャンとが流れるが、拡張期になると右室圧8mmHg、左室圧4mmHgほどになり、ほとんど血液の流れがなくなる(=雑音は聞こえない)。
一方で動脈管開存症は大動脈と肺動脈の圧較差が問題となっていて、収縮期の大動脈の圧力が120mmHgほどに対して収縮期の肺動脈の圧力は20mmHgほど。拡張期の大動脈圧が約80mmHgに対して、拡張期肺動脈圧は4mmHgほど。よって収縮期も拡張期も圧較差が大きいのでどちらでも雑音が聞こえるのである。